泥の銃弾(下) の商品レビュー
「国家は人民を守るもの」この考えは、民主主義が成立していることが前提にあることを再認識することができた。「政治家の汚職や腐敗は良くない」という考えは、民主主義国家の下で暮らしているからこそ抱けるものであり、そうではないところで暮らしている人々にとっては思いもつかない考えであるのだ...
「国家は人民を守るもの」この考えは、民主主義が成立していることが前提にあることを再認識することができた。「政治家の汚職や腐敗は良くない」という考えは、民主主義国家の下で暮らしているからこそ抱けるものであり、そうではないところで暮らしている人々にとっては思いもつかない考えであるのだと感じた。「安全保障の確保のために、例え無関係な人たちがいても反抗する勢力は一網打尽しなければならない」このような考えが、9.11以降持たれてしまい、覇権の多極化や「見えない敵」の登場が起こったのだと感じた。
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都知事狙撃事件の真相、サジ、エイジ、アル みんなの身元がわかります。 事件の裏側には、難民支援への大きな思惑げ隠されていた。 なるほど、こういう展開ですか。アルとエイジの友情=愛については泣けるが、ラストにいたる戦いには少し無理を感じました。
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都知事狙撃事件の犯人と、その隠された秘密を追い求める主人公雨宮の前にある人物が立ちふさがる。その人物は、「真実はそれを構成する事実の組み合わせによっていくらでも変化する」と雨宮を惑わす。 しかし、彼は「最初から真実があるわけではない。…その真実へ向かおうとする意志こそが、人に正し...
都知事狙撃事件の犯人と、その隠された秘密を追い求める主人公雨宮の前にある人物が立ちふさがる。その人物は、「真実はそれを構成する事実の組み合わせによっていくらでも変化する」と雨宮を惑わす。 しかし、彼は「最初から真実があるわけではない。…その真実へ向かおうとする意志こそが、人に正しい真実への道筋をもたらす」と、ひたすら真実を求めて疾走する。 都知事狙撃事件の犯人を追うサスペンス小説の体裁を取りながら、 ジャーナリズムの本分とは? シリア内戦及び難民問題とは? と著者は問いかける。 難民問題について 受け入れる政府もヒューマニティーからだけではなく、労働者として消費することで国家の利益に作り替え、自らの繁栄を支えるためではないかと、告発する。 上下巻で挿入されているある人物のモノローグで綴られる「Interlude」は、内戦下のシリア情勢を詳述する(巻末の膨大な参考資料からこの作品に対する著者の努力が窺える)。ノンストップハードボイルド小説かのようなこの章が、狙撃事件の重要なパートとなる。 エンタメとして楽しみながら、著者の問題提起にも目を向けたい。
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都知事狙撃事件の容疑者として難民が逮捕されたが冤罪ではないかと調査するジャーナリスの闘いと中東の内戦の過酷さを描く。 悪くないのだけれど、言葉の使い方が合わないのかやや読みにくかった。そして長かった。
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「都知事狙撃事件の真犯人、その正体は…」新聞社を辞め、フリーの記者となった天宮理宇の告発は、ウェブを介して拡散し、世論が動き始める。だが、それは隠された秘密の一端に過ぎなかった。事件の鍵を握る男、アル・ブラク。シリアからの難民。メディアを牛耳る新聞王。すべての過去が繋がったとき、...
「都知事狙撃事件の真犯人、その正体は…」新聞社を辞め、フリーの記者となった天宮理宇の告発は、ウェブを介して拡散し、世論が動き始める。だが、それは隠された秘密の一端に過ぎなかった。事件の鍵を握る男、アル・ブラク。シリアからの難民。メディアを牛耳る新聞王。すべての過去が繋がったとき、新国立競技場に再び銃声が鳴り響く。この国の“危機”を描く、怒涛の長篇サスペンス! エネルギッシュな一冊。なぜ、あまり話題にならないのだろうか?
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