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愛を夢見た家なき子 の商品レビュー

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2019/05/19
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ひと口にいえば、現代版ロミオとジュリエットといったところでしょうか。 両親の残した城を手放さなければならなくなったキアラ。 その前に現れた資産家のニコ。 キアラの先祖はその昔、不当なやり方でニコの先祖から城を奪いました。ニコの父親は幼い彼に長年の一族の恨みを伝え、いつか一族の所有である城を取り戻して欲しいと繰り返していたのです。 -この城から出ていきたくなければ、僕の妻になれ。 ニコから便宜結婚を申し込まれ、結婚と彼の跡継ぎを生むことを条件に、キアラは城を手放さずに済みました。 結婚式当夜に誘惑されたキアラは、人の心や愛情でさえビジネスや取引の道具にしてしまう彼に恐怖心をいだき、翌朝、彼の元を去ります。 しかし、既にその時、キアラは彼の子を身ごもっていて-。 ハーレクインの定番中の定番のお話ではありますが、キアラと二コ、それぞれの一族の関係から「ロミオとジュリエット」を連想させるところを興味深く感じました。 また、最後に二コが -僕の大切なものは、ここ、この庭にある。そういう権利書にあるんじゃない。 とキアラに告げるシーンは良かったです。 長らく復讐のためにだけ生きてきた彼ですが、盲目的に価値があると信じてきた「城」より、実はやっと見つけた「愛」の方が大切だと自覚した瞬間でした。 また、二コの一族に対して自分の先祖が犯した罪を知り、素直に悔いて放置された墓の手入れをするキアラ、 そんな彼女の人柄にも好感が持てました。 二コの孤独な心が救われたのも、キアラのそんな優しさのお陰かもしれません。

Posted byブクログ