ヒーローたちの戦いは報われたか の商品レビュー
踏み込みが甘い…。
著者は以前から特撮物の大ファンとして有名な方であり、その世界を子供だけでなく、大人達へ、そして世界へ普及する活動を為さっている事は存じ上げていたので、かなり楽しみに本書を読んだ。 しかし、残念ながら私の心に響くような論述は少なく、個人的な感傷や思い出と、当時の世相からの反映...
著者は以前から特撮物の大ファンとして有名な方であり、その世界を子供だけでなく、大人達へ、そして世界へ普及する活動を為さっている事は存じ上げていたので、かなり楽しみに本書を読んだ。 しかし、残念ながら私の心に響くような論述は少なく、個人的な感傷や思い出と、当時の世相からの反映を突き合わせる程度で、わざわざ「文化概論」と題して本を出すまでの、論理的な考証は見出だせず、「特撮好きの人が書いたあるある本」の一冊に過ぎなかった。 どうして個々のヒーローは生まれたのか、その存在に対する文化的、哲学的な位置付け等は一切顧みられず、当時の製作現場での苦労話や豆知識の連続で、こんな言い方はしたくないが「著者の自己満足」の域を出ていなかったのは、非常に残念。 そういう意味では、その手の物がお好きな同好の人達で盛り上がる為のネタ本として、適していると言えるだろう。
左衛門佐
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
<目次> まえがき 序章 敗戦国日本にヒーロー現る 第1章 巨大化したヒーロー 第2章 旋風を巻き起こす「石ノ森ヒーロー」 第3章 悪の組織の変遷 第4章 豊かさの歪みが露呈する時代、「川内ヒーロー」再び 第5章 魅惑のカルトヒーローたち 第6章 アブない魅力の「悪のヒーロー」 第7章 ヒロイン、前線に立つ 第8章 ギネス級番組「スーパー戦隊シリーズ」の足跡 第9章 冬の時代の「メタルヒーロー」 第10章 ヒーローたちの応援歌 第11章 スーツアクターの矜持 第12章 平成の時代、ヒーローたちは 終章 ヒーローたちの思いは実を結ぶのか あとがき <内容> 熱いよ、熱い…。コラムなどを読むと、この人は子ども時代からヒーローもののマニアであり、その行分析力も行動力もすごく、それ故に平山氏などの制作側も心を開いたのだろう(平山氏と中2から交流があった)。勿論、社会学的分析は、新聞記者の力であり、それもそこそこ面白い。でも「ヒーロー命」の書き方、スーツアクターや主題歌の歌手にまでスポットを当てるあたりに、そのカルトらしさが滲み出ている。
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