カート・ヴォネガット全短篇(4) の商品レビュー
最終巻は「ふるまい」,「リンカーン高校音楽科ヘルムホルツ主任教諭」,「未来派」の3つのセクションからなる. ヴォネガット本人が何と言おうとも,やはり彼の真骨頂はSFで,したがってSF短編を集めた「未来派」が出色の出来だと思うのだが,とはいえ,人間の性(さが)というものを突き放して...
最終巻は「ふるまい」,「リンカーン高校音楽科ヘルムホルツ主任教諭」,「未来派」の3つのセクションからなる. ヴォネガット本人が何と言おうとも,やはり彼の真骨頂はSFで,したがってSF短編を集めた「未来派」が出色の出来だと思うのだが,とはいえ,人間の性(さが)というものを突き放しているようで暖かく描くというヴォネガット節は全編を貫く大きなテーマであり,なかでも「未来派」の一編「アダム」と,「ヘルムホルツ」シリーズの「セルマ」に描かれる人間愛が素晴らしい.
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他に読んだ本で引用されていた短編を読みたかったことがきっかけ。 タイトルを忘れてしまったが、人類が本当の意味での平等になった世界のお話し。 その平等を可能にしたのは、優秀になりそうなことを考えると、嫌な音がするという、イヤホン。それによって、人が賢くなることを妨げる。 人間...
他に読んだ本で引用されていた短編を読みたかったことがきっかけ。 タイトルを忘れてしまったが、人類が本当の意味での平等になった世界のお話し。 その平等を可能にしたのは、優秀になりそうなことを考えると、嫌な音がするという、イヤホン。それによって、人が賢くなることを妨げる。 人間はある意味完全な平等を目指す必要はないのかもしれない。 どちらかと言うと不完全な平等しか目指せないのかもしれないし、それで良いのかもしれない。 初めてカート・ヴォネガットの著作を読んだが、かなり読みやすく、文章が明快であった。
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なにかストーリーが引用されていた短編を読みたかったはずなのに忘れてしまっていた。 宇宙規模のSF物語、ではないセクション6のシニカルな物語などは、星新一テイストで親しみやすい。
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自分の中では当たり外れのある印象で、近年は手に取ってなかったが、素晴らしかった。短編集だが、主人公が同じ物の連作もあり、じっくりと読める。証券アドバイザーのセールスマンの話が特に人間味が感じられたし、高校?吹奏楽部の先生の話も、私が吹奏楽をやっていたせいもあり、興味深く読めた。最...
自分の中では当たり外れのある印象で、近年は手に取ってなかったが、素晴らしかった。短編集だが、主人公が同じ物の連作もあり、じっくりと読める。証券アドバイザーのセールスマンの話が特に人間味が感じられたし、高校?吹奏楽部の先生の話も、私が吹奏楽をやっていたせいもあり、興味深く読めた。最後に未来物がまとめられ、やっぱり良かった。何かわからないけど、深く癒されるんだよね。精神科医に相談したかのように、心の奥の方が暖まる。丁寧に訳されてる気がする。
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