ブライアン・ウィルソン自伝 の商品レビュー

ブライアン・ウィルソン(著者),ベン・グリーンマン(著者),松永良平(訳者)

2019/05/04

The Beach BoysのリーダーであるBrian Wilsonの自伝。それまでのサーフィンミュージックから脱し、深い音楽性を持つ傑作『Pet Sounds』の完成を主導するも、様々な苦難と紆余曲折を経て、2004年のソロの大傑作『Smile』を経て、活動的になった現在に至る彼の人生が振り返られている。

全てのロック・ミュージシャンは固有の伝説とも言える生き様を持つかもしれないが、そうだとしても、Brian Wilsonのこれまでの生涯は余りにも苦難に満ちたものであるのは言うまでもない。Wilson3兄弟にバンド結成を促したプロデューサーでありながら父権を振りかざしてBrian Wilsonを苦しめた実父、相次ぐ弟2人の死去、ドラッグ中毒と精神疾患から抜け出すために雇われた精神科医ユージン・ランディによるマインド・コントロール等・・・。

The Beach Boys、Brian Wilsonの音楽を愛する人にとっては、レコーディングや作詞の背景の裏話や、様々なミュージシャンとの交友関係なども伺い知れ、改めてBrain Wilsonという稀有な音楽家の音楽を愛しみたいという気分にさせられる一冊。

一番彼の曲で大好きな「Surf`s Up」でも聞きながら。