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カウボーイになった男 の商品レビュー

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2019/03/17

ハングリータイガーの創業者であり現会長の井上修一氏による書籍。畜産国ではない日本においては、牧畜飼育(草)ではない、穀物飼育が行われており、和牛ブランドを中心とした匠の飼育が行われている。これにより価格の高騰を招いている。一方欧米においては、その広大な土地を活かし、牧畜飼育が中心...

ハングリータイガーの創業者であり現会長の井上修一氏による書籍。畜産国ではない日本においては、牧畜飼育(草)ではない、穀物飼育が行われており、和牛ブランドを中心とした匠の飼育が行われている。これにより価格の高騰を招いている。一方欧米においては、その広大な土地を活かし、牧畜飼育が中心とされ、また、すべての草を食べきらず、糞尿(土地が再生する)を肥えとして持続可能な営みを行える仕組みが整っている。そもそもこれは、肉食文化が醸成されている文化の違いから産まれている。この文化の違いは、肉への興味の違いも産んでいる。日本においては、サーロインやフィレが大半であり、他の部位の認知は低いが、欧米においては、牛を食することに重きが置かれており、ブリスケットやフランク、オックステイルなどさまざまな部位が平等に扱われている。これは、牛という命を頂戴して、人が生きている以上、余すところなく食べるべきという考えにも通じる。日本の牛、ステーキの成熟度は非常に低く、今後成熟を図っていきたいというのが、著者の希望であるようだ。以上のとおり、本書籍は株式上場→O157→BSEといったビジネス上の出来事についても語られているが、食についての考え方について改めて考えさせられる書籍である。 現在はハングリータイガーおよびそこに提供する食材である製造工場であるHTwellsは長男に、ジブラルタル牧場は次男に経営を委ねているという。そして、ジブラルタル牧場の牛がハングリータイガーで提供されるようになり、牛のトレーサビリティの確保も達成されているようである。 ヘルシーさやダイエットからは離れたボリュームと迫力のハングリータイガーのハンバーグを食べに行きたくなった。

Posted byブクログ