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クレオール(母語)とモーリシャス語(母国語) の商品レビュー

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2022/06/03

日本語でモーリシャスについて書かれた貴重な書籍。 無人島に人が住み着くことで始まったモーリシャスには、インド系、クレオール系、中国系、フランス系と、出自が異なる人たちがあつまっている。最も多いインド系は、奴隷制廃止後、年季契約労働者としてやってきた人たち。 モーリシャス共和国の憲...

日本語でモーリシャスについて書かれた貴重な書籍。 無人島に人が住み着くことで始まったモーリシャスには、インド系、クレオール系、中国系、フランス系と、出自が異なる人たちがあつまっている。最も多いインド系は、奴隷制廃止後、年季契約労働者としてやってきた人たち。 モーリシャス共和国の憲法の付則では、共同体について言及されていて、ヒンズー教徒の共同体、イスラム教徒のそれ、中国系と3つが定められ、それ以外は一般住民とされている。 モーリシャス政府は、モーリシャスは様々な人種、文化、宗教を持つ人々が溶け合うことで多民族社会を創り上げた、としているが、共同体の分類があることや、各共同体の祝祭日が定められている。 この本で紹介されているデヴ・ヴィラソーミは、独立前からこの状況を危惧し、言語を統一することが国民国家形成に重要な役割を果たすと主張してきた人物。 以下はモーリシャスの言葉につて: モーリシャス人は、クレオール語を話し、フランス語を読み、英語を書く。外国人が立ち寄る主要な場所では英語とフランス語が併用される。新聞、雑誌やテレビ、ラジオなどのメディアはフランス語が優先。公用語は英語(裁判、国会運営、、、)。 クレオールとは、言語そのものではなく、言語の形成段階。異なる言語話者同士が接触してできるのが接触言語。それが第一世代の共通語となりピジンとよばれ、誰にとっても第二言語となる。その共通語が次世代以降に共同体の第一言語となったとき、それはクレオールとなる。 モーリシャスのクレオールは、はじめに存在していた諸言語体系の節減が起こったとされている。クレオール化が進むにつれて、フランス語から遠ざかった。初期の段階でモーリシャスに入植したフランス人たちは貧しい層だった。もともと崩れたフランス語を話していた人たち。その後、イギリスによる統治時代に英語的な要素が浸透した。契約労働者がインドから移住したが、インドの様々な言語の要素も入り、フランス語から遠ざかった。

Posted byブクログ