へろへろ の商品レビュー
(Recommended by Yusuke Hidaka) 「高齢者をたらい回しにしない。隔離しない。縛らない。薬漬けにしない。老いの時間とリズムに付き合い、孤立しやすいぼけを抱えたお年寄りと、その家族に付き合う」のが「宅老所よりあい」のモットーだ。このような人として当たり前な...
(Recommended by Yusuke Hidaka) 「高齢者をたらい回しにしない。隔離しない。縛らない。薬漬けにしない。老いの時間とリズムに付き合い、孤立しやすいぼけを抱えたお年寄りと、その家族に付き合う」のが「宅老所よりあい」のモットーだ。このような人として当たり前な願いや暮らしを実現させるには 面白がることが持続の秘訣かもしれない。「宅老所よりあい」の雑誌を一人でつくった著者は、読んで面白いものにしようと請け負った。身内や専門職の人だけが読むのではつまらない。そういう世界に縁のない人もゆかい痛快、明るさに誘われること間違いなしの一冊です。
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自分の人生が中年真っ只中なので、中年パワー全開のサクセスストーリーに勇気を貰いました。お金についての考え方は学ぶところがありました。
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のっけからトップギアで笑わされ、始終、「ふふふふ……」「クククク……」と笑わされた。出てくる人は皆、個性的。内容といえば、個性的な人たちが、ボケても普通に暮らせる人生を叶えるための特別養護老人ホームづくりに奔走するノンフィクションで、そこだけ聞くと、高い志に満ち満ちた崇高な感じに...
のっけからトップギアで笑わされ、始終、「ふふふふ……」「クククク……」と笑わされた。出てくる人は皆、個性的。内容といえば、個性的な人たちが、ボケても普通に暮らせる人生を叶えるための特別養護老人ホームづくりに奔走するノンフィクションで、そこだけ聞くと、高い志に満ち満ちた崇高な感じに思える。 思えるが、とても良い意味で、登場人物たちは肩の力が抜けている。志を大上段に構えてそれで満足するような人たちではなく、静かに燃えつづけ、地に足ついた活動を続け、楽しみながら、理想の施設を回し続ける金策に日々挑む。 笑わせてくることが多いが、むしろ7割くらい笑って読んでいたが、随所随所で施設が描く理想に心打たれ、介護や老いについて(鬱々とせずに)考えてみようと思えた。
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福祉に携わった人が政治の力を使わずに特別擁護老人ホームまで作ってしまう話。 ユニークな人々が、資金集めなどに苦労しながら、あらゆる苦難を人を巻き込みながら、乗り越えていく。 内容は面白いが、文章が砕けていて、少し読みにくかった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
読了。福岡の「宅老所よりあい」の建設を中心にした団体の悲喜交々とよりあいで実践される介護のあり方が書かれていたりして、よりあいの実践をキーに、そもそも介護とは何だ!?みたいなテーマについて深く考えられる一冊。著者の文体も小気味よく、笑いあり涙あり、時に名言ありで良い。この文体の文章だからこそ、この本ができたのだという感じがひしひしと伝わる。 もちろん、よりあいの全てに賛成するわけではない。特養も組織である以上、職員は個人であると同時に一つのコマでもあるのであって、「その人にしかできない実践」はすごく魅力的な反面、その人がいなくなると組織がガラリと変わってしまうという側面もある。ボーナスの一部を施設にカンパするというあたりも、いくら自主的にとはいえあまり好意的には受け止めることはできない。それでも、そうした一つひとつの営みがなかったらよりあいはできていなかったかもしれないし、ヒューマニズムを忘れた支援は支援の名に値しない。ここは支援の何たるかという深いテーマになってしまうので掘り下げないが、感動しつつも、こうした実践はちょこっとだけ批判的に見る視点も必要だと思うのだ。 しかししかし、やはりこういう実践には憧れる。素敵な場所だなあと思う。良い一冊に巡り合った。 「問題を抱えた人間をどこかに追いやるのはとても簡単だ。電話一本、苦情ひとつで何かが動いて片付けてくれる。実にインスタント。実にコンビニエンス。しかしそれで『ほっと胸をなでおろすような安心』を得ても仕方がない。それは『本当の安心』なんかじゃないからだ。いつか自分が逆の立場になったら、途端に不安だらけになるという『暫定的な心の平静』に過ぎない。因果はめぐる。他人にしたことは、必ず自分にも返ってくる。老いた人間やぼけた人間を邪魔者扱いする社会は、いつか自分も邪魔者扱いされることになる社会だ。人が人を薬漬けにして、おとなしくさせようとするのなら、その人もいずれ薬漬けにされていくことだろう」(p278-279)
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「ぼけても普通に暮らしたい」=「ぼけたら普通の暮らせない」社会 「住み慣れた家での暮らしに終止符を打つのは誰か」 誰もが安心して暮らせる社会であってほしい。 「校正とは、書き手を尊重しながら、もっと高い場所へ、もっと新しい場所へと導こうとする愛情の深い行為」
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超高齢社会と言われる昨今において、介護保険の制度だけに頼るのはどうしても制度の隙間に埋もれてしまう人をカバーすることが難しいと感じることは、私自身働いていて肌で感じるところです。 「最期まで自分らしく生きる」という、人間の基本的欲求であるものの叶えられるのは簡単ではない部分に果敢...
超高齢社会と言われる昨今において、介護保険の制度だけに頼るのはどうしても制度の隙間に埋もれてしまう人をカバーすることが難しいと感じることは、私自身働いていて肌で感じるところです。 「最期まで自分らしく生きる」という、人間の基本的欲求であるものの叶えられるのは簡単ではない部分に果敢に立ち向かった方々の伝記のような作品でした。
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【一万円選書】ひとりのお年寄りをきっかけにお寺を借りて始めたデイサービスがアットホームな特養を始めるまで。ビジネスとしての介護よりも、こういう場でありたいという思いから始まった「よりあい」は資金集めも設計も一味違う。積極的交流でなく地域とゆるく繋がる場、理想的。まだピンとこないけ...
【一万円選書】ひとりのお年寄りをきっかけにお寺を借りて始めたデイサービスがアットホームな特養を始めるまで。ビジネスとしての介護よりも、こういう場でありたいという思いから始まった「よりあい」は資金集めも設計も一味違う。積極的交流でなく地域とゆるく繋がる場、理想的。まだピンとこないけどいつか入るならこんなところがいい。しかし、作中の、人の見た目や症状をいじるような表現や下ネタが気になり…。著者の、被写体への愛着が感じられたので、貶める意図ではないことはわかりますが少し驚き…そんな私はPolitical Correctnessにとらわれてしまっているのかしら。。。
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1人のとんでも婆さんとの出会いがきっかけで、お寺を借りてのデイサービスを出発点に、理想の老人ホームを作るまでの約四半世紀のドキュメンタリーエッセイ。 「ぼけても普通に暮らしたい」私もそう思いますが、かなりハードルの高いこと。この「よりあい」という施設は素敵だなと思う。自分が老いた...
1人のとんでも婆さんとの出会いがきっかけで、お寺を借りてのデイサービスを出発点に、理想の老人ホームを作るまでの約四半世紀のドキュメンタリーエッセイ。 「ぼけても普通に暮らしたい」私もそう思いますが、かなりハードルの高いこと。この「よりあい」という施設は素敵だなと思う。自分が老いたら暮らしたい。 老いは他人事ではない。というような志を抱いた人たちだからこそ実現したのだと思う。高い志だけでは介護はできないけれど、こんな施設が増えたらいいなと思う。
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※このレビューにはネタバレを含みます
一人のお年寄りに寄り添うところから始まった「宅老所」のお話。活動を継続し、新しい施設を設立するために奮闘する職員や世話人。いつの間にか筆者も「よりあい」の世話人のひとりとして巻き込まれていく。 『よりあい』の施設の開所式のシーンでは、思わず目頭が熱くなった。
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