プーチンの実像 の商品レビュー
KGBからロシア大統領に就任したプーチンの実態に迫る。プーチンは幼少期に見た映画の影響でスパイに興味を持ちはじめ、KGBの支部に直接訪れたことがある。しかし、そのときに言われたのが、自分から志願して採用された者はいないと注意された。その代わり、大学を卒業する、とくに法学部出身な...
KGBからロシア大統領に就任したプーチンの実態に迫る。プーチンは幼少期に見た映画の影響でスパイに興味を持ちはじめ、KGBの支部に直接訪れたことがある。しかし、そのときに言われたのが、自分から志願して採用された者はいないと注意された。その代わり、大学を卒業する、とくに法学部出身なら有利だと言われたので、レニングラード国立大学を目指して、実際に進学して卒業した。その後、KGBの職員から連絡が入り、晴れてKGBの一員となり、東ドイツに配属されたが、本書には興味深い点がある。KGBはソ連共産党員であることが必須であるが、プーチンは私有財産や相続権を認めるべきだと考えており、思想的に共産主義には染まっていなかった。またプーチンは周囲から魅力的な、とりわけ年長者に好かれる人物で、その性格が大統領選挙勝利の要因の一つだと指摘されている。大統領に就任してからは、権力を掌握するために、石油、ガスといった資源産業をおさえた。外交面においては、相手がもし初対面である場合、その人物の家族の情報をあらかじめ把握する、またその国の貿易高やその分野の変化や協力具合などを資料がなくても頭の中に入れている。このようにプーチン政権の基盤は盤石であるが、その反面独裁色を帯びている。本書でインタビューを受けたプーチンの知人によると、現代のロシアの権力構造は、プーチン個人によるソフトな全体主義だという。
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2014年のウクライナ侵攻の原因は、1999年のコソヴォ紛争まで遡る。コソヴォの独立動議に対し、NATOは国連の承認なしにセルビアへの空爆を行った。冷戦後の緊張緩和を基調としてきた米露だったが、これが摩擦要因となったと見ている。コソヴォはセルビアのものなのに、西側諸国は独立を支持した上に武力を用いた。ならば、ロシアのものであるウクライナをNATOに加盟させないために武力を用いることだって正当化される。こうしたロジックが働いているようだ。 プーチンが目指すのは、「リスボンからウラジオストク」に渡る自由経済圏の確立だという。いわば、EUのような経済圏をユーラシアに作り上げ、ドイツのような役割を担うようなものである。ただ、アメリカはこれに懐疑的。経済圏のみならず、政治圏を作り上げるのではないかと疑っていた。ウクライナの親露ヤヌコヴィッチ政権がEU加盟の手続きを中断。これに憤慨した加盟派がキエフ中心部を占拠、ヤヌコヴィッチは亡命を余儀なくされた。アメリカの分離工作が背景にあると見たプーチンは、ウクライナのNATO加盟を阻止するために領土紛争を起こしたとされている。 本書で強調されるのは、プーチンの丁寧な気遣いや人を魅了する能力である。佐藤優氏は、プーチンが仕事中に仮面を外すことは決してないと言うが、そうした気遣いも全て計算のうちなのだろうか。
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読むように、と春に父から渡されてた#プーチンの実像 、つっかえつっかえ、停滞しながら、ようやく読み終わった…。 権力が一人に集中することの怖さってものが、よくわかる。彼の、ヨーロッパへの捻れた思いを解く人が、周りにいなくなってしまったのは、世界の不幸だ。
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朝日新聞の連載をまとめたもの。実際に取材した1次資料からのみ書かれているのは 良い点でもあるが、日本の政治家のインタビューだったりするので、限られた情報から書かれていることになり、悪い点ともなっている。
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今のウクライナ侵攻が予言されていたようなプーチンの実像。読んでいて恐ろしくなった。一度、進めば止められない暴君の性格は周囲には完全に見抜かれていた
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スターリン以来の長期政権を築いたプーチン。独裁者か?英雄か?その評価は内外で真っ二つに割れるが・・・。クリミア併合から、今のウクライナ侵攻への歴史的背景等も様々な関係者の証言と最新情報をもつに、実像に迫る。
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朝日なのでちょっと気をつけながら読んだ。 今のプーチンの心の中が少しわかったような気がする。 とは言うものの人命の尊さは世界で一番重たいものだということは揺るぎない。早く終わって欲しい。
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プーチンとは,一体何者なのか, 今のメディアでは,多く批判していることがあるが 何故そんな蛮行(ウクライナ侵攻)に至ったのか。 事実を探ると人への気配りもあることがわかる。 一貫してプーチンの性格が破綻していたとは,考えられない。 むしろ,プーチンの人柄を見るたびプーチンの株が...
プーチンとは,一体何者なのか, 今のメディアでは,多く批判していることがあるが 何故そんな蛮行(ウクライナ侵攻)に至ったのか。 事実を探ると人への気配りもあることがわかる。 一貫してプーチンの性格が破綻していたとは,考えられない。 むしろ,プーチンの人柄を見るたびプーチンの株が上がることも書かれてあった。 一つの本から得られる情報は多くないが, この本で,『孤高の独裁者』プーチンではないのだということもわかる。 『柔道は単なるスポーツではない。』 柔道を愛した男がどうして… 実像を知る一つの材料となった。
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プーチンの人柄、人物像について国内外の関係者に丹念に取材しています。インタビュー以外にも、取材での細かな点も含めたレポートが興味深いです。 一方で、プーチンを考えるうえで避けられない汚職などの疑惑、日本以外の国との関係性などはあまり見えてきません。あくまで、日本から見たプーチンに...
プーチンの人柄、人物像について国内外の関係者に丹念に取材しています。インタビュー以外にも、取材での細かな点も含めたレポートが興味深いです。 一方で、プーチンを考えるうえで避けられない汚職などの疑惑、日本以外の国との関係性などはあまり見えてきません。あくまで、日本から見たプーチンについてが中心です。 また、日本との関係も時系列でかかれている訳ではなく、若干読みづらさもあります。 加えて、本筋とは関係ないですが、キエフ公国からの歴史の話で、「ロシアの中心がキエフからモスクワに移った」とあります。これは、ウクライナもロシアの一部とするロシア側から見た解釈に基づいていて一面的かと思います。 いずれにしろ、一読の価値がある本です。
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