増税の真実 の商品レビュー
この本の筆者である高橋洋一氏の本は何冊か読んだことがありますが、多くの人が心配している日本国(日本政府ではない)の破綻について、バランスシート・連結決算の考え方で数値付きで説明して問題ない、と言っているので興味を持って読んだのを覚えています。 ・政府の連結子会社である日銀が保有...
この本の筆者である高橋洋一氏の本は何冊か読んだことがありますが、多くの人が心配している日本国(日本政府ではない)の破綻について、バランスシート・連結決算の考え方で数値付きで説明して問題ない、と言っているので興味を持って読んだのを覚えています。 ・政府の連結子会社である日銀が保有する国債は、政府の資産としてカウントできる、つまり日銀保有の国債462兆円は国の資産となるので、日銀も含めた連結ベースでは、負債と資産の差はわずか21兆円であり、財政再建は完全に完了していることになる(p161) この本でもその説明がなされています、彼曰く、日本の財政再建はすでに終わっている、それをIMFのレポートでも認められているとされています。この本は、このレビューを書いている令和2年4月から一年程前に書かれたものですが、コロナ恐慌は考慮されていませんが、いずれ近いうちにそれを考慮しても日本は大丈夫と言い切ってくれる本が書かれることを願っています。 以下は気になったポイントです。 ・日本政府は借金まみれという財務省の洗脳は、2018年IMFのレポート(日本の公的部門のネット資産GDP比はほぼゼロである)により徐々に薄れつつあるが、社会保障財源として消費税は必要、という洗脳はむしろ強まっている(p9) ・日本は2017年予算ベースで、社会保障費121.3兆円にたいして、46.9(33.1国、13.9地方)の税金、合計4割程度も使われていて、こんな国はあまり例がない(p20) ・国の所得再分配を行うための税金は、各人の能力に応じて払う税である「応能税」が適していて、地方の公共サービス支出は、各人の便益に応じて払う「応益税」が適している、これが租税の基本的考え方である(p24) ・年金は何に備えているかというと「長生き」である、仕事退職後、定期的収入がなくても生活が維持できるように給付される(p71) ・毎月納めている保険料が給料の2割であれば、1か月分の年金額は2割の2倍(政府が半分を負担)となり、4割ということになる。前提は40年納めて、65歳から20年間で受け取る合計額が同じんになるように設計されているから(p77) ・少子化が進む以前、年金財政が逼迫しておらず、賦課方式で集めた保険料の一部が余剰金として積み立てられていた、その合計が2017年度末で156兆円あり、これをGPIFで運用している(p80) ・国税庁がつかんでいる法人の数は280万件で、この法人はすべて税金を払っている、一方日本年金機構が把握している法人は200万件で、これが問題である(p108) ・高橋洋一氏が以前に主張していた「個人宛の年金保険料の領収書」は、現在は「ねんきん定期便」として加入者に届けられている(p111) ・国税庁は財務省の機関だが、日本年金機構と一緒になって歳入庁になると、内閣府が管轄する期間に移行する可能性が高いため、財務省が握っていた人事が離れてしまう、これは財務省にとっては許せない(p118) ・賦課方式で運営している年金財政を、保険料を支払う人数で論じるのは明らかな間違い、人数ではなく「金額」である。2020年は一人を2.0人だが、2050年には1.4人になると推計されている。30年間で0.6人なので、それを年間平均値とすると、毎年の減少率は0.02人となり、これは保険料の上昇で埋め合わせれば問題ない。毎年保険料収入を0.02%あげれば、対応可能となる(p129) ・年金バランスシートによれば、負債項目(年金給付債務):2030兆円、資産項目としては、将来保険料:1470兆円、国庫負担:390、積立金170兆円が計上されている。2030兆円とは、過去に給付した年金、現在給付している年金、将来にわたって給付する年金の合計である(p140) ・政府の連結子会社である日銀が保有する国債は、政府の資産としてカウントできる、つまり日銀保有の国債462兆円は国の資産となるので、日銀も含めた連結ベースでは、負債と資産の差はわずか21兆円であり、財政再建は完全に完了していることになる(p161) ・量的緩和政策とは、中央銀行が金利を下げるのではなく、中央銀行の当座預金残高を拡大させることによる金融政策である、デフレ下なので金利を下げても効果はでにくいから。当座預金残高の拡大の手段として、日銀は金融市場で流通する国債を買い入れている(p167) 2020年4月5月日作成
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※このレビューにはネタバレを含みます
「消費税が社会保障に使われるから、増税を我慢している」と考える国民は少なくないと思います。 第4章までは、そのような流れにメスを入れる内容でした。 消費税を社会保障の目的税とするのは税理論からしておかしいという主張です。 公的年金の位置づけを「福祉」と考えてはいけない。 公的年金は、保険である。 そもそも、賦課方式なので積み立てではないから、「積立不足」というのはおかしい。 そして、歳入庁の構想。 ここまでは、高橋先生のご著書で何度か書かれています。 本書のキモは第5章。 国のバランスシートを考えたとき、日銀を連結対象とし、そうすれば既に財政再建済みだという説明です。 日銀(資産)と政府(負債)を相殺し、これ以上の増税をすべきでない、という考えを述べられています。
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政府、官僚、天下り、国家のプロパガンダがよく伝わる。その実態は嘘だ。 国民は、騙された感があるのではないか。 税制は、大企業と富裕層、株主などの金持ちにしか常に優遇されない仕組みなのである。 天下り先を潰せば良い。
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