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翻訳 訳すことのストラテジー の商品レビュー

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2022/08/14

読んで2ヶ月経ってしまった。内容はほとんど覚えてないけどおもしろかったような記憶はある。日本のマンガは、たとえばUSのコミックとは違ってグラフィックノベルとして捉えられている、という論がおもしろかった(なので海外で翻訳されるときは、よくある左右反転プリントではなく原位置のままだっ...

読んで2ヶ月経ってしまった。内容はほとんど覚えてないけどおもしろかったような記憶はある。日本のマンガは、たとえばUSのコミックとは違ってグラフィックノベルとして捉えられている、という論がおもしろかった(なので海外で翻訳されるときは、よくある左右反転プリントではなく原位置のままだったり、手描き文字は翻訳されずそのまま活かされたり、とオリジナルがより尊重されるようになってきてると)

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2021/07/06

●「翻訳」という事象をさまざまな観点から論じた本。「ことばとことばを置き換える」といった単純なものではないのかという印象だった。

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2021/02/26

翻訳 translationという言葉の定義から、翻訳の過去と現在そして未来を見通すための入門書。 鴻巣由季子さんの新書2冊は実際に訳している人目線の指南書だったが、こちらは翻訳の研究者視点の本。同じ言語を使うもの同士でも「翻訳」は日々行なわれているよ、という主旨は共通してい...

翻訳 translationという言葉の定義から、翻訳の過去と現在そして未来を見通すための入門書。 鴻巣由季子さんの新書2冊は実際に訳している人目線の指南書だったが、こちらは翻訳の研究者視点の本。同じ言語を使うもの同士でも「翻訳」は日々行なわれているよ、という主旨は共通しているが、そこに翻訳研究の歴史的な裏付けがあり、社会的な役割にも目を向けているのが本書の特徴である。 特に印象深いのは、ときに翻訳を挟んで対峙する者たちの力関係がことばを通じて浮き彫りになるという指摘。通訳が勝手に忖度したせいで政治的な大失態が起きたという例を筆頭に、後半では拘置された移民が金銭的な理由で適切な通訳者を選べないという問題などが取り上げられ、社会におけるマイノリティを守る翻訳が必要だという視点は大事にしなくてはいけないと思った。 また、「母国語」や「国民文学」という概念が成立したのは近代であり、愛国主義と結びつきやすいという指摘も。翻訳という作業はそれぞれの言語の差異を強調することであり、「標準語」という概念の強化に加担することがある。「厳密に(言葉の意味を)定義された翻訳」という思想の裏には、"それぞれの言語の定義に曖昧なところがあるべきではない"という前提があるからだ。そこには標準語という人工的で後天的な概念が生まれることになる。 もちろん、翻訳が世界を広げるというポジティブな面についてもたくさん語られている。翻訳は「オリジナル」を別の言語に移し替えたものではなく、訳者によって生じた新たなテクストであり、それは古典をさまざまに演出して新たに上演する劇場のようなものだ、という例えがわかりやすかった。置き換え不可能な単語をそのまま載せることで概念を輸入したり、こなれていない翻訳文体に詩情を感じたりといったことが、国境を超えて文学を発展させてきた。欧米では、日本での漢文訓読の研究が今ちょっとアツいらしい。マジか。 訳者はナボコフ研究者で、本書にもナボコフは何度も出てくる。日本語版に追加された「日本の読者向けの読書案内」が大変参考になる!

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2019/08/19

とても面白かった。 洋画好き、海外文学好き、演劇(翻訳もの)好きには是非読んでほしい一冊。 ある言語から他の言語に翻訳するという事は、原文の意図や価値をそのまま変換することではなく、新たな要素を追加したり元々あった要素を削除して別の文章に変化させることである、という事がよくわかる...

とても面白かった。 洋画好き、海外文学好き、演劇(翻訳もの)好きには是非読んでほしい一冊。 ある言語から他の言語に翻訳するという事は、原文の意図や価値をそのまま変換することではなく、新たな要素を追加したり元々あった要素を削除して別の文章に変化させることである、という事がよくわかる。 翻訳した事で宗教に殺された翻訳家、 翻訳のズレで不平等に結ばれた条約が時を超えて修正された例、 多くの翻訳によって繰り返し変化してきた名作など、 翻訳という作業の面白さと難しさが様々な角度から語られている。 つまらないと思っていたあの作品や、めちゃくちゃ面白かったこの作品は、もしかしたら字幕や吹き替えの翻訳の影響が大きかったのかもしれない。

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