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ブライアーヒルの秘密の馬 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2019/08/05

リアリズムとファンタジーのあわいを描く物語。 第二次大戦中のイギリス、肺を病む子たちの療養施設が舞台。そんな少女のひとりエマラインには、翼の生えた馬が見える。馬はけがをしていて、しかも黒馬に追われているらしい。黒馬の襲撃から守ってやるには、虹の七色をした物で周囲をかこまなくてはな...

リアリズムとファンタジーのあわいを描く物語。 第二次大戦中のイギリス、肺を病む子たちの療養施設が舞台。そんな少女のひとりエマラインには、翼の生えた馬が見える。馬はけがをしていて、しかも黒馬に追われているらしい。黒馬の襲撃から守ってやるには、虹の七色をした物で周囲をかこまなくてはならない。エマラインは熱っぽい体で、馬を救おうと奮闘するが……。 ファンタジーなのか熱が見せた幻想なのか。その区別をつけられるひとはいるのだろうか。それがエマラインにとって真実ならいいではないか、という気持ちになってくる。美しい挿絵がその気持ちを抱いて飛翔させてくれるかのよう。 ただ、エマラインとベニーのからみがなあ……そこまでいがみ合う要素はなさそうなのに、どちらもちょっと極端な行動を取るのがすこし唐突に感じられて残念だった。甘ったるく収めてほしいわけではなく、すれ違うにしても、もう少し、性格に照らして納得のいくすれ違いかただったらよかったかなと。

Posted byブクログ

2019/06/17

第二次世界大戦中のイギリス。子どものためのブライアーヒル療養所で暮らすエマラインは、鏡の中に翼のある馬を見る。他の人には見えない馬。 以前はある伯爵夫人の御屋敷だったが、空襲が始まり伯爵は屋敷を修道院の団体に譲ったのだ。昔はきれいだったが今は使われず鍵のかけられ日時計のある庭で、...

第二次世界大戦中のイギリス。子どものためのブライアーヒル療養所で暮らすエマラインは、鏡の中に翼のある馬を見る。他の人には見えない馬。 以前はある伯爵夫人の御屋敷だったが、空襲が始まり伯爵は屋敷を修道院の団体に譲ったのだ。昔はきれいだったが今は使われず鍵のかけられ日時計のある庭で、本当に翼のある白馬と出会う。白馬は翼を傷めているようだった。そして、馬の主(おさ)を名乗る人物から白馬を守ってほしいという手紙を受け取る。新月の夜に白馬を襲う翼のある黒い馬。白馬を守るためには、虹の色を白馬の周りに置くことだという。エマラインは限られた療養所の中で七つの色を揃えようとする。そして、新月の晩が近づくが、エマラインの健康も悪化する。 療養所に暮らすほかの子どもも、世話をする大人たちも、様々な戦争の痛手を受けている。このころは、結核は死の病で、親からも隔離された療養所で薬や食料にも不自由しながら暮らしていいる。終盤、徐々に悪化するエマラインの病状や、エマラインの悲しい過去がわかり、白馬と迎える新月の夜のクライマックス。 白黒の挿絵が雰囲気をよく伝えているが、エマラインが結局どうなったのかが最後までよくわからない。多分、あえていろいろとれるように書かれているのだと思うが、ちょっと消化不良気味。

Posted byブクログ