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今、死ぬ夢を見ましたか の商品レビュー

3.8

26件のお客様レビュー

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2023/02/18

乗っている電車が人身事故を起こした直後から、明晰夢を見るようになった井瀬。女子高生の紗世によるとそれは現実になるものであり、それによると井瀬も紗世も電車に轢かれて死ぬことが決定しているのだという。その運命は変えようとしても事態が悪化するだけであり、そのまま座して死を受け入れるしか...

乗っている電車が人身事故を起こした直後から、明晰夢を見るようになった井瀬。女子高生の紗世によるとそれは現実になるものであり、それによると井瀬も紗世も電車に轢かれて死ぬことが決定しているのだという。その運命は変えようとしても事態が悪化するだけであり、そのまま座して死を受け入れるしかないのか。さらに井瀬の明晰夢の中で起こる不可解な事態は何を示しているのか。スリリングな読み心地のミステリです。 少年院から出所して更生の道を歩み始めたところで、逃れえぬ運命を知ってしまった井瀬がどのように行動するのか。前科持ちで学歴もない井瀬だけれど、しかし彼はとんでもなく冷静だし強い人物であると感じます。だからこそ彼を取り巻く不審な状況にハラハラさせられどおしでした。立身出世した不良仲間の五味渕と、小学生時代の綺麗な思い出だけを共有した粕谷、対照的とも思える二人の友人のどちらが味方となり得るのか。そしてまた七年後に死ぬことを予知した紗世がどのように生きるのか。リミットが迫っていくのがもうつらくて、だけれど先が気になって仕方ありません。 真相は予測がついたところもあり、まったく予想外だったところもあり。ああ、そういう結末になるのかあ……だけど流れ的にはこれしかないんですよね。

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2022/11/26

タイムリープと言うか予知夢と言うか、この手の辻堂ゆめの作品は面白い。「いなくなった私へ」も面白かったが、それと同じ位面白くて一気読みでした。 終始物悲しい内容で、結局そのままストーリーは展開して終わってしまいます。最後の走馬灯が唯一の救い?

Posted byブクログ

2022/03/14

2019年、文庫書き下ろし 父親への暴行致死で5年の実刑に服して少年刑務所を出た井瀬は、東海道線の通勤中に、半年後に自分が列車にひかれて死ぬ夢を繰り返し見る。そして女子高校生から声を掛けられ、その夢を見ていることを言い当てられ、実際に起きることの予知夢であり、自分も7年後に列車...

2019年、文庫書き下ろし 父親への暴行致死で5年の実刑に服して少年刑務所を出た井瀬は、東海道線の通勤中に、半年後に自分が列車にひかれて死ぬ夢を繰り返し見る。そして女子高校生から声を掛けられ、その夢を見ていることを言い当てられ、実際に起きることの予知夢であり、自分も7年後に列車に轢かれることになっていて、変えようとすると夢も現実もどんどんひどくなると教えられる。 井瀬は高校時代の悪友に拾われて、進学を目指す高校生への奨学金を現金で集める仕事をしていたが、半分程読んで読者はそれがおかしいこと、父親を殺した真犯人に気づいてしまい、いやな予感がする。 予知夢がなぜなのかわからないまま、いよいよ半年を迎えようとするところで、ストーリーは急展開する。謎の女子高校生の正体、なぜ彼が死ぬことになるのか。 切ないラブストーリーでもあるのだが、自分の死後の夢を見て、時空を越えて思いを伝えることができたらいいのにと、作者は願って書いたのだろう。

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2022/02/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

井瀬は東海道線の電車内で親友の五味淵と一緒に何者かに押されて死ぬ夢を見た その後見た夢は必ず現実になっていく 電車内で隣あわせになった女子高生紗世から自分が死ぬ夢をみたと告白される 紗世は未来を変えようとすればする程、悲惨な過去となると告げるが、井瀬は死を回避しようと動く 五味淵の友情 粕谷の友情 2つの間で揺れる 本当の真実とは 死を回避することはできるのか

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2022/01/03

過去と未来の出来事を夢の中で経験する男と少女の物語。 次はどうなるのだろうとどんどん物語に惹き込まれて、一気に読み進めることができました。登場人物の関係性が明らかになっていく場面では、感情が揺さぶられて涙がこぼれました。読み終わった後も表紙の絵を眺めながら、物語の余韻に浸るく...

過去と未来の出来事を夢の中で経験する男と少女の物語。 次はどうなるのだろうとどんどん物語に惹き込まれて、一気に読み進めることができました。登場人物の関係性が明らかになっていく場面では、感情が揺さぶられて涙がこぼれました。読み終わった後も表紙の絵を眺めながら、物語の余韻に浸るくらい良い物語でした。

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2021/09/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 クライマックスで次々に明らかになる真相。いくつかは予想通りだったけど、いちばん核となる部分はまったく思ってもみなかったことなので、びっくりしたなぁ。2人というか3人の気持ちがね、なんか切ないです。  事件が発覚した後、マスコミで騒がれるんだろうなぁ。真実がねじ曲げられなければいいな。  余談だけど…。この物語の舞台は神奈川を走る東海道本線。辻堂駅が出てくる度にドキドキした(笑)

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2021/07/23

私にとって少し難しいお話だったかも…。世界線が途中でごちゃごちゃになってしまいました。これは2度読むことは必須なようです。私だけかもしれませんが、、。

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2020/08/09

ネタも二番煎じでなく見事だし,読ませる筆致で,ラストのパズルピースがカチッと塡る快感,つまりミステリィを読む醍醐味とエンディングまでの息をつかせぬほどのカタルシスを最大限味わわせてくれるのだけれど,他の作品と同様,歴史は決して改編されることがないため,エンディングは決して覆される...

ネタも二番煎じでなく見事だし,読ませる筆致で,ラストのパズルピースがカチッと塡る快感,つまりミステリィを読む醍醐味とエンディングまでの息をつかせぬほどのカタルシスを最大限味わわせてくれるのだけれど,他の作品と同様,歴史は決して改編されることがないため,エンディングは決して覆されることがなく,読後感は救いが全くなくやるせなく渋い.できればハッピーエンディングであってくれると尚嬉しい.

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2020/06/28

「運命の悪戯」と言えばいいのか、人生の歯車が狂っていく様子が完璧に描かれていた。 運命とは既に決まっているのだろうか。自分の手で未来は変えることができるのだろうか。 そんな事を考えさせられる話だった。

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2020/05/06

過去、未来を含む明晰夢で自分が死ぬ夢を見る。なぜ死ぬのか?回避できるのか?展開はなかなか面白いかったです。終盤のピースがはまっていく感じはなかなか気持ちがいい。 ただちょっと無駄なエピソードが多いかな。もう少し整理できるんじゃなかなぁ。

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