ハバナ零年 の商品レビュー
電話の発明者はベルと考えられていたが、実は、イタリア人のアントニオ・メウッチがキューバで発明していた。その証拠となる文章を研究成果を出したい科学者や小説家、記者などが追い求める話。時代は冷戦終結後の経済危機下にあるキューバ。主人公は高等専門学校で数学を教える女性、仮の名前のジュリ...
電話の発明者はベルと考えられていたが、実は、イタリア人のアントニオ・メウッチがキューバで発明していた。その証拠となる文章を研究成果を出したい科学者や小説家、記者などが追い求める話。時代は冷戦終結後の経済危機下にあるキューバ。主人公は高等専門学校で数学を教える女性、仮の名前のジュリア。ジュリアも文章を追いかけて物語は進むが、とにかく男好きで、文書のありかは二転三転し、何が嘘か本当か読んでいてわからなくなってくる。当時の苦境が描かれつつ、最終的に強く生きているような感じのジュリアがいい感じだった…。
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キューバの女性作家。電話の開発はベルという米国人によって発明されたことになっている。それ以前に、イタリア人がキューバにて試みるも資金繰りがうまくいかなく頓挫していたのだった。その文書を発見して、この事実を世界に証明したい!という男女二人の数学者の物語、なんだけど。 淡々とそれを追...
キューバの女性作家。電話の開発はベルという米国人によって発明されたことになっている。それ以前に、イタリア人がキューバにて試みるも資金繰りがうまくいかなく頓挫していたのだった。その文書を発見して、この事実を世界に証明したい!という男女二人の数学者の物語、なんだけど。 淡々とそれを追いかけるんでなくて、ほぼ、語り手ジュリアの日常と恋愛、お相手と元妻の恋愛ばなしで、それがじっとりねっとりして、めんどくさい女の、まわりくどい会話に辟易。お前の話はいいんだ、電話の話を早くしろ、とイライラさせられました。
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キューバを舞台にした長編小説。著者の小説が邦訳紹介されるのは初めてとのこと。 作中で重要なキーアイテムである『書類』の周りを、主人公を初めとする登場人物たちがグルグルと回り、核心には辿り着かない。この『辿り着かなさ』は、カフカの『審判』や『城』を思い出す。結果的に大団円になるのだ...
キューバを舞台にした長編小説。著者の小説が邦訳紹介されるのは初めてとのこと。 作中で重要なキーアイテムである『書類』の周りを、主人公を初めとする登場人物たちがグルグルと回り、核心には辿り着かない。この『辿り着かなさ』は、カフカの『審判』や『城』を思い出す。結果的に大団円になるのだが、全く逆の結末だったらどうなるのだろう……ということを想像してしまう。
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