世界とびある記 新装版 の商品レビュー
今ならやばいくらいのキツめのユーモアと、戦争や女性・文化への考察のバランスが良かった。 この本が書かれた60年前と比べて、アジアと日本の関係は、より悪化しているように感じる。 著者が当時、日本や外国諸国の美点と感じていたところは今は消え、悪いと感じていた問題は世界共通になっている...
今ならやばいくらいのキツめのユーモアと、戦争や女性・文化への考察のバランスが良かった。 この本が書かれた60年前と比べて、アジアと日本の関係は、より悪化しているように感じる。 著者が当時、日本や外国諸国の美点と感じていたところは今は消え、悪いと感じていた問題は世界共通になっているようだ。 そして世界の情報をより得やすくなったはずの現代の私の方が、偏見に固まった、内に閉じた考えをしているのでは? 今読むからこそ、いろいろ教えられる本だった。
Posted by
1959年10月に刊行されたエッセイ集の新装版だそうだ。 まだ戦争の記憶も濃い時代の、急激に変わって行く東京からアメリカに留学していくところから始まる。 当時の空気感や人々の様子が生き生きと描かれており、作者の溌剌とした姿が気持ちいい。 チャーミングという言葉が似あう人だなぁ。
Posted by
『兼高かおる世界の旅』の前身であった『世界飛びある記』という番組の本。アメリカ留学中の兼高さんの筆致が若々しくて、勢いがある.何冊も彼女の本は読んでいるけれど、これだけは、ちょっと毛色が違って面白い。他の本が、穏やかな回想であるのと違い、こちらはまさにライブ。海外に出ることの開放...
『兼高かおる世界の旅』の前身であった『世界飛びある記』という番組の本。アメリカ留学中の兼高さんの筆致が若々しくて、勢いがある.何冊も彼女の本は読んでいるけれど、これだけは、ちょっと毛色が違って面白い。他の本が、穏やかな回想であるのと違い、こちらはまさにライブ。海外に出ることの開放感や、全く違う文化や考え方を、日本人の常識で測ることのカルチャー・ギャップなどが鮮やかに切り取られている。
Posted by
- 1