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90年代サブカルの呪い の商品レビュー

3.8

7件のお客様レビュー

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2022/01/16

お焚き上げの気持ちで読んだ。 著書がミュージシャンということもあり、90年代の音楽が好きであるけれど人権意識が低かった時代というものをきっちり見つめ受け入れないといけないと思いました。 悪趣味系というサブカルにも触れたことがあるがアップデートをしていく上での回想として良書でした...

お焚き上げの気持ちで読んだ。 著書がミュージシャンということもあり、90年代の音楽が好きであるけれど人権意識が低かった時代というものをきっちり見つめ受け入れないといけないと思いました。 悪趣味系というサブカルにも触れたことがあるがアップデートをしていく上での回想として良書でした。

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2021/05/17

かつて「電波系」、「ドラッグ」、「死体写真」などの露悪的な表現や、盗聴、盗撮などの犯罪スレスレの表現を称揚し、近年では「レイシズム」の源流ともされたりする(野間易通『実録・レイシストをしばき隊』など)「90年代サブカル」こと「鬼畜系・悪趣味系」カルチャー。それを通過しつつも、どハ...

かつて「電波系」、「ドラッグ」、「死体写真」などの露悪的な表現や、盗聴、盗撮などの犯罪スレスレの表現を称揚し、近年では「レイシズム」の源流ともされたりする(野間易通『実録・レイシストをしばき隊』など)「90年代サブカル」こと「鬼畜系・悪趣味系」カルチャー。それを通過しつつも、どハマりはしなかった著者・ロマン優光氏が、90年代サブカルとはどのようなムーブメントであり、今では「諸悪の根源」と呼ばれるようになったのか、マッピングしつつ論じる。 現代日本で最もバランスの良い(言い過ぎたりしない)書き手の一人であるロマン氏の筆致は、本書でも「正しい」。しかし、それは彼が現在も「90年代サブカルの呪い」に悩まされているからなのだろう。私たちが「政治的正しさ」に本当に向き合うには、「90年代サブカルの呪い」をどう解くのかを考えなければならない……のかもしれない。

Posted byブクログ

2021/08/08

90年代のサブカル、特に悪趣味・露悪・鬼畜系と言われていたものを振り返った一冊。このジャンルはリアルタイムから数年遅れて書籍で知った。本屋でクイックジャパンの立ち読みくらいはしたかもしれないが、あの時代の空気を吸いながらその手の雑誌を読んでいた訳ではないので、ふーん、という感じで...

90年代のサブカル、特に悪趣味・露悪・鬼畜系と言われていたものを振り返った一冊。このジャンルはリアルタイムから数年遅れて書籍で知った。本屋でクイックジャパンの立ち読みくらいはしたかもしれないが、あの時代の空気を吸いながらその手の雑誌を読んでいた訳ではないので、ふーん、という感じで読むしかない。90年代サブカルとは雑誌である、という通説もピンとこない。 リアルタイムから数年遅れて、私は上っ面の好奇心からそれらの本を読んでいたと思う。読むだけで済む程度の浅い人間でよかった。ただ、ディープ・コリアは当時の感覚でもアウトなのではないか?それも今の感覚で裁いているだけなのだろうか。とにかく、当時のこのジャンルの雑誌や本は、本来読者を選ぶものだったのだろう。 アウトサイダーの観察者である根本敬自身がアウトサイダーである、という指摘は薄々そう思ってたが、意外と誰も言ってなかったと思う。

Posted byブクログ

2019/07/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 サブカルの中で特に、鬼畜系と悪趣味など特に尖った部分に着目していて、僕もかなりサブカルにどっぷりだったのだけどそっちは怖いのであまりタッチしていなかった。根本さんと丸尾さんの本は持っていたけど、お化けや神様を信じているので運が下がりそうな怖いのは触れないようにしていた。エロ本もサン出版の『投稿写真』が好きだったのは、切り口にユーモアがあってソフトだったからで、コアマガジンのは過激で恐ろしい。GONは字が小さすぎて、買った雑誌はなるべく完読したかったため、読みきれなくてやめた。  自分が見ていたサブカルと、別のサブカルがあり広いなあと改めて思った。小山田さんのは当時読んでいたけど、井島ちづるさんのことは初めて知った。  枡野浩一さんと一箱古本市の時に本の交換でいただいた。

Posted byブクログ

2019/07/01

きちんとしたサブカル史というのが第一印象。ただし著者の持ち味である文章の良さはあまり感じられなかった。揺さぶられるものがなかったのだ。とはいえそれは肯定的に捉えるべきなのだと思う。

Posted byブクログ

2019/04/15

自分がくらったカルチャースターが育ったディケイドでなく、自分がくらったカルチャーのディケイドがもとまった本が出たんだなぁというだけで感慨深い。 ロマン優光さんという語り手がいて本当に良かったなと思いました。 #90年代サブカルの呪い

Posted byブクログ

2019/04/14

サブカルについての「語り」は、ともすれば語る当人の知識レベルでのマウンティング合戦の体で炎上することが多いことからもわかるように、そもそも状況論的な分析が多い。 (例:その頃〇〇が☓☓だったことも知らねーのに△△とかwww。) で、そういった状況論的な語りが過去のものに対するも...

サブカルについての「語り」は、ともすれば語る当人の知識レベルでのマウンティング合戦の体で炎上することが多いことからもわかるように、そもそも状況論的な分析が多い。 (例:その頃〇〇が☓☓だったことも知らねーのに△△とかwww。) で、そういった状況論的な語りが過去のものに対するものであった際、今の価値観を過去に当てはめて善悪の判断をくだす式になるのはいかがなものか、というのが今回の著者の問題意識。 そもそも知識レベルでの前提が欠けた段階での誹謗中傷非難については前著『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』で扱っていると思われ。 (未読でスミマセン。どんな分野にだってそれについて何かを語るなら、前提となる知識・教養はあるんだぜ、という主張なんだろうと想像しておりますが。) 具体的には90年代の鬼畜系を巡る言説の本だが、論としてまとまっているわけでもなく、一見すると、いくつかの事象について場当たり的に振り返って感想を述べているに過ぎないように見える。 しかし、今の価値観を過去に当てはめて怒るのはヤバイ、といいながら、当時の価値観でもヤバかったり、当時の価値観のまま今も活動してたりするヤバい人に淡々と触れ、書けば書くほど、ロマン氏のまともさが浮かび上がってきてしまう逆説と面白さ。 そでに書かれた温度の高い文句とは裏腹のこの冷静な文章が心地よい。 当初の発信者はネタでやっていたのに、ベタで捉える読者が出てきたり、ベタな発信者が出てきたり。 そうするとネタでやっていた人は、自身の世間での受け止められ方に耐えられなくなったり、病を抱えるようになったり、命を落としたり、と。 結構ヘビーな人生を歩んだ人たちを取り上げざるを得ないジャンルで、コアマガジンからとはいえ、本人もこれくらいの温度で振り返るのが限界だったのかもしれないな、と。 しかし、題材が題材だけに読み手も限定されると思ったがゆえのこのタイトルだろうか。 こっちは宮沢章夫『東京大学「80年代地下文化論」講義』と同じようなノリで手にとったのですが・・・。 鬼畜系だけとは思わなんだ。

Posted byブクログ