紋切型社会 の商品レビュー
もんきり‐がた【紋切形】物事のやり方が一定の型にはまっていること。 きまりきった型―。本書が初の著作とあってか、肩に力の入った印象を受けるが,社会に渦巻くテンプレート化された言い回しの言葉尻を捉えて(勿論称賛の意)鋭く切り込む語り口はパンチが効いている。モヤモヤする表現に直面した...
もんきり‐がた【紋切形】物事のやり方が一定の型にはまっていること。 きまりきった型―。本書が初の著作とあってか、肩に力の入った印象を受けるが,社会に渦巻くテンプレート化された言い回しの言葉尻を捉えて(勿論称賛の意)鋭く切り込む語り口はパンチが効いている。モヤモヤする表現に直面した際、そのモヤモヤの正体を言語化することが、自分の言葉で意見を形作る為の訓練になるのではないだろうか。政治家が問題発言の度に口にする『誤解を招いたならばお詫びする』という言い回しが当然のようにまかり通る社会はやはり健全とは言い難い。
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違和感を言語化してくれてると感じた。「言葉は今現在を躍動させるためにある。」「言葉は信頼よりも打破のために使われるべき。」今まで考えもしなかったが確かにそうだなと思う。
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出版されてから8年経っていて、内容が何となく古く感じたのと、書かれている内容に興味がわかなかった。途中で読むのをやめた。
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明らかに不可解な出来事に対して物分かりの良すぎる人が多くないか?と思っていた。 その手の人に不愉快ではないのかと聞いたところ、声を挙げたところで何も変わらない、従順なふりをして貰えるものをもらった方が賢い、とのこと。でもそれじゃ、「嫌だ」という気持ちはどこへ持っていったらいいんだ...
明らかに不可解な出来事に対して物分かりの良すぎる人が多くないか?と思っていた。 その手の人に不愉快ではないのかと聞いたところ、声を挙げたところで何も変わらない、従順なふりをして貰えるものをもらった方が賢い、とのこと。でもそれじゃ、「嫌だ」という気持ちはどこへ持っていったらいいんだろう。 本書は色々な違和感とがっつり戦っていた。きちんと理論武装をして。 違和感の正体を突き止めるためにも、知性がなくては覚束ない。「だって嫌だもん」って感情論だけでは戦えないんだな。 違和感に蓋をせず、掘り下げていく。確かに紋切型に乗っかって何も感じない方が簡単だ。やれやれ、正気を保つのも楽じゃない。
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紋切型社会、本当にそうだな。右か左、イエスかノーで割り切り過ぎる社会。全て割り切れるものではなくグレーがたくさんあり本当なのに。わかりやすさ第一と考えていたが、わかりやす過ぎるのも危険なのかな。 自分の言葉の軽薄さにあきれてしまう。もっと注意深く言葉を使わなければと思うし、改めて...
紋切型社会、本当にそうだな。右か左、イエスかノーで割り切り過ぎる社会。全て割り切れるものではなくグレーがたくさんあり本当なのに。わかりやすさ第一と考えていたが、わかりやす過ぎるのも危険なのかな。 自分の言葉の軽薄さにあきれてしまう。もっと注意深く言葉を使わなければと思うし、改めて政治家や一部言論界の酷さに閉口、反吐が出そうになる。
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わかりやすさの罪を読んでとても面白かったので、著者の代表作と言われる本著を読んでみたけれども、処女作というだけあって、わかりやすさの罪で書かれていた主張の萌芽を感じます。 多分8割くらい内容理解できていないと思うけれども(笑)、大きい言葉、お決まりの紋切型の言葉で、想像力を断ち、...
わかりやすさの罪を読んでとても面白かったので、著者の代表作と言われる本著を読んでみたけれども、処女作というだけあって、わかりやすさの罪で書かれていた主張の萌芽を感じます。 多分8割くらい内容理解できていないと思うけれども(笑)、大きい言葉、お決まりの紋切型の言葉で、想像力を断ち、違和感やモヤモヤを放置させようとする圧力に敏感でありたいし、都度立ち止まって自分の態度を振り返りたい。 ある事象をカテゴリー化して、なんとなくの違和感で断罪するのは暴力的だ。そのカテゴリーが正義っぽいもの(フェミニズムや人権主義)に対する理解のない主張だったとしても、何に違和感を感じ、何に異論を唱えるのか、考えることをやめては差別主義者と同じになってしまう。自戒をこめて。 都度立ち止まって考え、そこで語る自分の言葉に責任を持つ。自身が身を置く構造に冷静でありたい。自分が紡ぐ言葉(思考)をもう一度疑いの目を持って眺めたい。目の前の仕事に忙殺され、ポジショントークに慣れてしまうと、その大切さが見えなくなってくる。この自覚を忘れずにいたいものです。 それにしても辛辣で痛快すぎる武田さん、、何度も電車の中でニヤニヤしてしまいました、、(笑)
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言葉を解きほぐす。筆者は責任の所在なき言葉の行方を発言者へと突き返していく。 言葉とは相互間で齟齬が生まれるリスクを帯同していても容易く受け手側の落ち度として締めくくるべきではない。その差異から新たな言葉や理解が展開していくことを遮断する愚行である。 言葉は世界が広がることを求め...
言葉を解きほぐす。筆者は責任の所在なき言葉の行方を発言者へと突き返していく。 言葉とは相互間で齟齬が生まれるリスクを帯同していても容易く受け手側の落ち度として締めくくるべきではない。その差異から新たな言葉や理解が展開していくことを遮断する愚行である。 言葉は世界が広がることを求める、世界を括ろうとするものではない。"わかった" と断言する言葉には発言者の都合のいい魂胆が潜んでいるかもしれぬ、そう容易くわかってたまるか、分けられてたまるか。わかっても分けられないのが世界である。わからないは無責任ではない。分けられないものをわかろうとする、わからないけどわかろうとする、その "過程" が世界の中を駆け巡る大切な行為ではなかろうか。自身が動かないで世界を語るのは "驕り" であり、その言葉がすなわち無責任、だから "責任" という荷札つけて突っ返そうではないか。
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著者を知ったきっかけとなった本。今ではラジオで引っ張りだこで、興味深くお話を聞いているが、これを初読みしたときは「なんて理屈っぽい人だろう」と思った。読み進むうちに、自分の中でも なんだかもやもや→違和感満載→うんざり→大っ嫌い と思われる世の中の様々な表現や現象を理路整然と解釈...
著者を知ったきっかけとなった本。今ではラジオで引っ張りだこで、興味深くお話を聞いているが、これを初読みしたときは「なんて理屈っぽい人だろう」と思った。読み進むうちに、自分の中でも なんだかもやもや→違和感満載→うんざり→大っ嫌い と思われる世の中の様々な表現や現象を理路整然と解釈してくれる本作は名著だと思うようになった。こんなに明晰に分析できたら気持ちいい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
巷間に溢れている「紋切型」の言葉が世の様々な出来事や社会そのものを規定している様をつぶさに見据え、「紋切型」で規定された物事をばっさりと斬り、そこに新たな見方を、光を、時には紋切型がもたらす以上のアイロニーを、武田砂鉄という人は本書で示して見せた。文庫版で追加された章を含め、全部で21章。本書で斬られてゆく紋切型の中には、自分でも思わず使っていて、はっと思わされる言葉もある。紋切型の社会を形成する片棒を、自分も担いでいたのかと、少しばかりの恥ずかしさを覚える。 武田砂鉄という人は、Web上のコラムなどで、胸のすく言葉で物事を斜めに見ることのできる人、という印象を持っていた。だから本書を手にした。あらためて一冊の本になった武田氏の文章を読み、さらに胸に風穴が開いた気持ちになった。とにかく面白い。快刀乱麻を断つごとく、「紋切型」に溢れた社会を、その「何」が紋切型なのかを明らかにすることで結果として本質をむき出しにして見せてくれる。 言葉の力を信じて、武田氏はとにかく容赦なくバッサリ斬って、斬って、斬りまくる。本書は「新潮文庫」から刊行されているが、文庫版刊行の際に追加された最終章で、氏は『新潮45』に寄稿された記事を斬ってみせた。少々頭の悪い政治家が(余談だが、最近の国政周辺の連中の顔を見ていると、むしろ「頭の悪さ」が政治家になるための、あるいは閣僚になるための必須要件ではないかと思えてくる)、LGBTを「生産性のない奴ら」と差別的発言で揶揄した「あの記事」である。文庫版で追加された章で、このテーマをあえて冒頭に『新潮45』の名前を出してから論じるところに、著者のアイロニー性を感じる。そして、氏の持つ批判的精神が羨ましくなるのである。 気をつけよう。みんなが使っていて、耳ざわりが良くて、何となくかっこよさそうで、そして空虚な、巧みに自分の責任をかわすような言葉ばかりを使って生きることのないように。そうでなければ、いつしか紋切型の日本という国に、それを牛耳る馬鹿者どもに切り捨てられても、そのことにすら気づかないまま過ごしてしまいそうだから。
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2019年12月2日読了。 2015年「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」受賞 ⚫️紋切り型… ⚫️糸井重里 “弟子と社員の違い”について 「弟子っていうのは、極端にいうと叩いてもいいんですよ。 その人が食っていくために『原料』を仕込んでいるところなんで 麦...
2019年12月2日読了。 2015年「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」受賞 ⚫️紋切り型… ⚫️糸井重里 “弟子と社員の違い”について 「弟子っていうのは、極端にいうと叩いてもいいんですよ。 その人が食っていくために『原料』を仕込んでいるところなんで 麦踏みしてもいいいんです。そりゃ実際に叩きはしないけど 自尊心をズッタズタにしてもいいし、 そこまでしても向かって きてくれる人じゃないと、その宗派の教えは伝わらない 」 「心をぶん殴るような弟子とは逆で、(社員は) 『守ってやんなきゃいけない人』なんですよ」 「守ってやんなきゃいけない人に対してダメ出しする時には、 『どこが悪かったと思う?』って話になるし。『惜しかったね』って 話になるし。『これでもいいけど、ここをこうしたらもっと面白く なるんじゃない? にもなるだろうし。』 」 その上で、今は弟子がいない、とした。 ⚫️P161 文芸誌の編集をしていた頃、対談を頻繁にまとめていたが まとめるにあたっての力点として教え込まれたのが 「あるひとつの対話が終わったとしても、その対話で共振した部分や 相容れなかった議論は、後々になって再び形を変えて出てくる 」 ということ。 ⚫️P202 青色LEDの発明でノーベル物理学賞を受賞した中村修二と 日亜化学工業の間で繰り広げられた“発明は誰のものか” 政府は、 「発明は社員のもの」から「発明は会社のもの」へと 移行させるべく特許法改正案を閣議決定した。 ⚫️オノマトペ… ⚫️P221 語尾による日本語の規定、そして性別の撹乱、ここを掛け合わせたり 引き算したりすると、日本語から新たな態度を取得することができる。 言葉のコスプレはまだまだ手つかずだ。特に語尾は狙い目だぜ。 ⚫️欺瞞(ぎまん)… ⚫️成熟した人間とは、簡単に、人の人生に介入してこない人のことを いうのではないかと思う。未成熟な言論を論じる人たちは、人の人生に 介入して、その動きを鈍くさせる自由が言わんばかり。 彼らは、いつまでも言葉が届かない仕組みを活用している。
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