陰陽師 女蛇ノ巻 の商品レビュー
シリーズ第十六弾。 陰陽師 女蛇(めのへび)ノ巻 ・傀儡子神(くぐつがみ) ・竹取の翁(おきな) ・さしむかいの女 ・狗(いぬ) ・土狼(どろう) ・墓穴(つかあな) ・にぎにぎ少納言(しょうなごん) ・相人(そうじん) ・塔 ・露子姫 ・月を呑む仏 ・蝉丸 今回はちょっと...
シリーズ第十六弾。 陰陽師 女蛇(めのへび)ノ巻 ・傀儡子神(くぐつがみ) ・竹取の翁(おきな) ・さしむかいの女 ・狗(いぬ) ・土狼(どろう) ・墓穴(つかあな) ・にぎにぎ少納言(しょうなごん) ・相人(そうじん) ・塔 ・露子姫 ・月を呑む仏 ・蝉丸 今回はちょっと多めの十二編。 怖そうな表紙はおそらく「にぎにぎ少納言」 題は少々緩いが、まあ怖い話か。 他にも「竹取の翁」「狗」「土狼」「墓穴」など、けっこう怖い話が多かった印象。 考えさせられたのは「相人」 今昔物語にある人相見が得意な登照(とうしょう)という僧の話。前半部分は今昔物語そのまんまだが、後半の捻りが獏さん流である。もう、こんなの絶望するわ。デスノートか。平安流デスノート無意識発動か。俺ならどうするかなー。自殺するか、誰にも関わらずずっと独りで生きるか。よけいな力はいらんよな。 しかし露子姫は相変わらず虫を愛で、あの平安の世で力いっぱい思うように生きていて好感しかない。 「しかしねえ、露子や、女の幸せというのは、よき家の、どのようなお立ち場の男の方の子を生むかということで決まってくるものだからねえーー」 「それは、お父さまが、なにかだまされているのよ。女の幸せなんてもの、どこにもないのよ。あるとすれば、女の幸せじゃあなくて、わたしの幸せなんだから。お父さまの言う女の幸せが、わたしの幸せと同じだなんて、どうか思わないで下さいな」 このような会話が、月に一度は、父と娘の間でかわされているのである。 「ねえ露子や、親の贔屓目で言うのじゃないけれど、おまえの見目は、普通の女性よりずっと優れているのだけどねえ」 「わたしはわたし。むしが好きで、草の上を走るのが好き。御簾(みす)の向こうで、なよなよしてるだけなんて、まっぴらだわ。こういうわたしのことを、そのまま好きと言って下さる方がいるのならともかく、どなたかの子を生むために、わたしがわたしでなくなるなら、一生このままでもいいのーー」 (〃⌒∇⌒)ノ モットイッタレー!!
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夢枕獏、陰陽師シリーズ読了しました!この本でラストです。陰陽師シリーズでは自分の好きなキャラがいるのですが(虫愛る姫君、露子姫)、この本には2話も登場して嬉しかった。いつの間にか源博雅と安倍晴明の飲み友達みたいになっているのも良いです。 陰陽師シリーズはどれも平安の時代にふーっと...
夢枕獏、陰陽師シリーズ読了しました!この本でラストです。陰陽師シリーズでは自分の好きなキャラがいるのですが(虫愛る姫君、露子姫)、この本には2話も登場して嬉しかった。いつの間にか源博雅と安倍晴明の飲み友達みたいになっているのも良いです。 陰陽師シリーズはどれも平安の時代にふーっと迷い込んだかのようで没入できるし、その割に軽く読めるし、博雅と晴明のお互いを信頼し切った会話も心地よかった。
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短いお話がいくつか収録してあります。 どのお話もいつもとっても面白い。 都とはいえ、平安の京は今よりずっと静かで、音になる音もならない音も、目に見えるものもそうでないものも活字から感じることができるので、静かな場所で読みたい作品です。 てか、道満とこんなに仲良かった?
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『蝉丸』が好き。蝉丸と博雅の出会いを蝉丸目線で書いてあるのが新鮮だった。博雅のふんわりとした優しさとはちょっと違ったどっしりとした優しさかな。 あとがきで知ったけど夢枕獏の連載の多さにびびった〜。すごいよ。次の新刊も楽しみにしてる。「満月や添い寝の屍体の笑い声」の句が訳分からん...
『蝉丸』が好き。蝉丸と博雅の出会いを蝉丸目線で書いてあるのが新鮮だった。博雅のふんわりとした優しさとはちょっと違ったどっしりとした優しさかな。 あとがきで知ったけど夢枕獏の連載の多さにびびった〜。すごいよ。次の新刊も楽しみにしてる。「満月や添い寝の屍体の笑い声」の句が訳分からんけど愉快で好き。
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人の社会で生きていた傀儡の人形のお話「傀儡子神」 死相が見える僧は、実は見た人を死に追いやれる能力を持っていたという悲しい真実を晴明が見抜いてしまうお話「相人」 博雅と月を飲む薬師如来と道満のお話「月を飲む仏」 他。 大好きな露子姫が出てきたり、一つ一つが秀逸だった。 面白かった...
人の社会で生きていた傀儡の人形のお話「傀儡子神」 死相が見える僧は、実は見た人を死に追いやれる能力を持っていたという悲しい真実を晴明が見抜いてしまうお話「相人」 博雅と月を飲む薬師如来と道満のお話「月を飲む仏」 他。 大好きな露子姫が出てきたり、一つ一つが秀逸だった。 面白かった。
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短編集なので玉石混交。 自分は『陰陽師』のキャラクターが出れば何でも良いというわけではないので、ちゃんと物語性があって、心に残るお話が好きです。 この巻では『相人』が良かったです。 しかし、このところは物語とはいえ、国家公務員たる晴明さんのフットワークが妙に軽いうえに全体的な...
短編集なので玉石混交。 自分は『陰陽師』のキャラクターが出れば何でも良いというわけではないので、ちゃんと物語性があって、心に残るお話が好きです。 この巻では『相人』が良かったです。 しかし、このところは物語とはいえ、国家公務員たる晴明さんのフットワークが妙に軽いうえに全体的な口調や博雅さんへの言葉などにお年を感じます。 多少のネタ切れ&作者さんの年齢が関係しているのかな~。
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陰陽師シリーズ、16作目。短編12作。 「ゆこう」「ゆこう」という晴明と博雅の二人の距離感、関係性が相変わらず心地よい。とりあえずお酒を与えれば何とかなりそうな道満も可愛いし、露子姫も可愛い。タイトルまんまの「露子姫」もとてもステキで綺麗な文章で癒されました。博雅の笛の音に死相...
陰陽師シリーズ、16作目。短編12作。 「ゆこう」「ゆこう」という晴明と博雅の二人の距離感、関係性が相変わらず心地よい。とりあえずお酒を与えれば何とかなりそうな道満も可愛いし、露子姫も可愛い。タイトルまんまの「露子姫」もとてもステキで綺麗な文章で癒されました。博雅の笛の音に死相を見た「相人」では、晴明の博雅に対する愛情たっぷりの人間評にキュンとさせられるし、聡く察していく相人の登照にやるせなさや同情を感じてしまったり。それぞれ短いお話だけれど、読み応えのある、しばらく余韻にひたりたいお話ばかりでした。 30年にもわたる長期連載のこのシリーズだそうですが、これからも二人が変わることなく続けていってほしいなと思います。
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2019.07.20.読了 久しぶりの陰陽師。 晴明も好きだけど、 いつ読んでも 博雅が本当に好き。 前にも登場した蟲好きな露子姫も 好きだわ。 前はいいとは思わなかった 蘆屋道満もいい味を出してるなあと思えるようになり 私も少し大人になったかなと思ったりして。
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世の無常や儚さ、季節の移ろいを定期的に感じられる陰陽師シリーズが大好き(*´ー`*)毎回、晴明と博雅が酒を呑んでいるシーンが好きだけれど、今回は「蝉丸」がそれを上回った(*´∇`*)道満だけでなく、露子姫もお元気そうでなにより(^^)♪
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2019年6月11日読了。 あらすじは不要でしょう。 もう、いいかな?と思いつつも、新刊が出ると手を伸ばしてしまいます。 とにかく晴明と博雅が好きなんですね。 でも、最近は鞄を小さくしているので、四六判でもなかなか持ち歩けないのがツラいところ。次回からは文庫を待とうかな。
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