データから考える教師の働き方入門 の商品レビュー
・仕事にやりがいを感じていると答えた教員の割合は78.2% ・一方、これから教員を志す若い人に教員の仕事を勧めたいと思うか、については66.0%がそうは思わない 「いかにカラフルな状態に持っていけるかがチャレンジ」という一節が心に残った。
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「横浜市教育委員会と立教大学経済学部中原淳研究室の3年間にわたる共同研究の成果」本。 本書には,横浜市の学校の職員から取ったデータが満載である。そして,そのデータに則って「持続可能な教職員の働き方は,どのように実現できるのか」を探っていく。 ここに出てくる結果は,田舎の学...
「横浜市教育委員会と立教大学経済学部中原淳研究室の3年間にわたる共同研究の成果」本。 本書には,横浜市の学校の職員から取ったデータが満載である。そして,そのデータに則って「持続可能な教職員の働き方は,どのように実現できるのか」を探っていく。 ここに出てくる結果は,田舎の学校の現状とあまり変わらないと思う。それだけに,全国どこの学校にいても参考になるのではないだろうか。 「働き方改革」には特効薬はないとしながらも,研究グループは,第4章「働き方を見直すアイディアとポイント」で次のような視点を教えてくれる。 ○時間制限を設ける「キャップ系」の対策 ○業務をやめる「カット系」の対策 ○業務を手際良く「効率化系」の対策 ○職場の風土を変える「漢方治療」の対策 上の三つは,「外科手術」とも呼んでいる。〈変化がすぐに目に見える具体的なとりくみ〉ということだろう。 しかし,「カット系」のない「キャップ系」の対策では,かえって悪い心理状態になるという指摘もしている。 多忙感は多少低いものの,健康不安は同等,ストレス・離職意識はなにもやっていないよりもかえって高く,やりがいや学校への愛着は何もやっていないより低くなっていた。(本書P132) これでは何のための改革か分からない。やはり,行き着く先は「カット系」を増やすことしかない。 本書にはカットするものの中に「学力調査とその対策」には全く触れていない。これが本書の限界なのだと思う。 教員をめざす学部の競争率が低くなり,教員採用試験の競争率も低くなっていく現状があるので,教育委員会としてもブラックな状態はほおっておきたくないのだと思う。それにしても,もっと真剣な提案はできないものか?
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