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蝶々殺人事件 の商品レビュー

3.4

6件のお客様レビュー

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2024/02/23

由利・三津木探偵小説シリーズもこれで全話読めた! 最後の4巻に収録された「蝶々殺人事件」が、このシリーズの中ではもっとも「本格」らしく、かつ読み応えがあって、初期のものと違うなと思った。 最後の解説で、この話は戦後「本陣殺人事件」と同時期に執筆されていたものと聞いて、納得に思った...

由利・三津木探偵小説シリーズもこれで全話読めた! 最後の4巻に収録された「蝶々殺人事件」が、このシリーズの中ではもっとも「本格」らしく、かつ読み応えがあって、初期のものと違うなと思った。 最後の解説で、この話は戦後「本陣殺人事件」と同時期に執筆されていたものと聞いて、納得に思った。 由利・三津木シリーズで力をつけて金田一耕助シリーズで黄金時代をむかえるのだな…と。 「菊花大会事件」、「三行広告事件」は戦時中の色彩色濃い話で時代を感じることができる貴重な話。 また、未完結だが、それゆえに書籍としてまとめられていない話も3種掲載されているので、これも貴重感ある。「神の矢」は戦後も由利先生が活躍したとわかる事件らしく、舞台も高原ということで雰囲気がとても好ましかったので未完は残念。

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2022/08/21

大衆小説らしく時代背景が如実に表現されています。戦後、カーやクロフツばりの本格を日本を舞台に移植したのが表題作以降です。「盲目の犬」名前はネロ「血蝙蝠」肝試し「嵐の道化師」名前はクロ「菊花大会事件」「三行広告事件」戦時下のスパイもの「憑かれた女」昭和8年作品のリライト中編で由利先...

大衆小説らしく時代背景が如実に表現されています。戦後、カーやクロフツばりの本格を日本を舞台に移植したのが表題作以降です。「盲目の犬」名前はネロ「血蝙蝠」肝試し「嵐の道化師」名前はクロ「菊花大会事件」「三行広告事件」戦時下のスパイもの「憑かれた女」昭和8年作品のリライト中編で由利先生と記者を追加「蝶々殺人事件」事件自体は昭和12年、戦後に三津木記者が本格ミステリに仕立てた態、これは傑作ですよ「カルメンの死」ラスト作品、後日譚かと思いました「神の矢」完結していれば本格第二弾が「模造殺人事件」これも未完で残念。

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2020/07/05

内容(「BOOK」データベースより) コントラバス・ケースから発見された歌姫の屍体――張り巡らされた緻密な犯罪の謎に由利先生が挑む! 本格探偵小説の粋を凝らし、坂口安吾から絶賛された表題作から、未完作品『神の矢』『模造殺人事件』まで、全10編を収録。シリーズ全4巻、堂々完結。 ...

内容(「BOOK」データベースより) コントラバス・ケースから発見された歌姫の屍体――張り巡らされた緻密な犯罪の謎に由利先生が挑む! 本格探偵小説の粋を凝らし、坂口安吾から絶賛された表題作から、未完作品『神の矢』『模造殺人事件』まで、全10編を収録。シリーズ全4巻、堂々完結。 令和2年6月30日~7月5日 最後の2編 未完 此れから面白い所に差し掛かると言う時に「未完」 一寸ガッカリです。 最後の54ページ 読むのを諦めた。 全 500ページ強 読み応えがあります。

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2020/06/30

「蝶々殺人事件」だけはむかーしに読んだ気がしますが。あまり覚えていませんでした。悲しいことに、再読にもかかわらず犯人が当てられません(苦笑)。ちなみに「カルメンの死」も犯人当てられませんでした。って、起こってるじゃん、「カルメン殺人事件」。 お気に入りは「憑かれた女」。酩酊するよ...

「蝶々殺人事件」だけはむかーしに読んだ気がしますが。あまり覚えていませんでした。悲しいことに、再読にもかかわらず犯人が当てられません(苦笑)。ちなみに「カルメンの死」も犯人当てられませんでした。って、起こってるじゃん、「カルメン殺人事件」。 お気に入りは「憑かれた女」。酩酊するような奇妙な展開と、あまりに異様なその真相。ミステリとしてはフェアかアンフェアかぎりぎりな面があるのかもしれませんが。圧倒的なパワーに翻弄された印象です。 「神の矢」と「模造殺人事件」、実に面白そうな展開なのに。未完だってのはもったいないなあ……。

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2019/12/13

由利・三津木コンビの探偵小説集の最終巻。表題作はこのコンビの長編での代表作であり、文庫やらハードカバーやらで出版されている。昔読んだが再読してみた。 多分、著者の長編では唯一「読者への挑戦」が入った犯人当てミステリだと思うが、左程フェアプレイさは感じない。一風変わったトリックとス...

由利・三津木コンビの探偵小説集の最終巻。表題作はこのコンビの長編での代表作であり、文庫やらハードカバーやらで出版されている。昔読んだが再読してみた。 多分、著者の長編では唯一「読者への挑戦」が入った犯人当てミステリだと思うが、左程フェアプレイさは感じない。一風変わったトリックとスピーディーな展開を楽しむ作品だと思う。 ここまでの全4巻でこのコンビの活躍する作品が殆ど読めたのは有難かったが、未完の作品まで収録するのはどうかなあ? 正直、凡作短編もあったし、厳選して3巻にする位が良かった気がする。

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2021/02/27

図書館本で返却期限が来てしまったため、表題作のみのレビュー。 先日読んだ『黒いトランク』のあとがきにて、鮎川さんが『黒いトランク』を書かれたきっかけとしてこの『蝶々殺人事件』を挙げられていたので興味を持って読んでみた。 列車で送ってきたコントラバスのケースから遺体が出てくるとい...

図書館本で返却期限が来てしまったため、表題作のみのレビュー。 先日読んだ『黒いトランク』のあとがきにて、鮎川さんが『黒いトランク』を書かれたきっかけとしてこの『蝶々殺人事件』を挙げられていたので興味を持って読んでみた。 列車で送ってきたコントラバスのケースから遺体が出てくるというセンセーショナルな幕開け。 しかも殺されたのは有名なソプラノ歌手であり、周囲の関係者もまた腹に一物も二物もありそうな人間ばかり。そして被害者自身もずいぶんと変わった挙動の持ち主の様子で、捜査が進めば進むほど混迷してくる。 過去の不審死事件や新たな殺人事件なども加わり、由利先生と俊助は東京と大阪を行ったり来たりで大忙し。 個人的には『黒いトランク』の方が好み。さすがに後に書かれただけによりしっかりと練られている印象がある。 ただこちらも由利先生&三津木俊助シリーズらしい次々と事態が起こっていく楽しさもある。 また最後にシリーズとしては意外な展開も待っている。 事件そのものは意外性はそれほどなく、有名人らしい個性が際立っただけのような残念さもある。また結局あれは何だったのか、という部分もあってちょっと肩透かしなような。 しかしこの作品は小栗虫太郎先生との奇妙な縁を感じさせて、横溝先生によるあとがきは興味深く読んだ。 また機会があれば、表題作以外も読んでみたい。

Posted byブクログ