板極道 の商品レビュー
文体、紹介するエピソード、彼の周囲の人々、出来事へ抱く感情など全てに棟方の人間性が現れている。金とか力とか欲望などとう事柄とは無縁で、まっすぐに受け取ったものを自分なりに表していくのが彼の生き方なのだろう。また彼が信奉した仏教から受けた強い影響もわかる。 また、彼の人柄が実に...
文体、紹介するエピソード、彼の周囲の人々、出来事へ抱く感情など全てに棟方の人間性が現れている。金とか力とか欲望などとう事柄とは無縁で、まっすぐに受け取ったものを自分なりに表していくのが彼の生き方なのだろう。また彼が信奉した仏教から受けた強い影響もわかる。 また、彼の人柄が実に多くの人を惹きつけたことも読み取れる。行く先々で多くの人が彼を助け、彼もその恩義に対して丁寧かつ真摯である。本書のあらゆる事柄が彼自身の人間性に対応していて、矛盾しないと思った。作品からではなく、さまざまなエピソードや回想から彼の人間性を垣間見ることができるのが本書だ。
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「バンゴクドウ」と読ませる。 芸術のためなら女房も泣かすそれがどうした文句があるか…的な極道な半生を振り返るのかと思ったら、ごく常識的に周囲に感謝を振りまく自伝で拍子抜け。毒もないし敵もない。 それでいて北大路魯山人については、思いがけずか辛辣なことを書いているのが面白い。 ...
「バンゴクドウ」と読ませる。 芸術のためなら女房も泣かすそれがどうした文句があるか…的な極道な半生を振り返るのかと思ったら、ごく常識的に周囲に感謝を振りまく自伝で拍子抜け。毒もないし敵もない。 それでいて北大路魯山人については、思いがけずか辛辣なことを書いているのが面白い。 ジャパン・ソサエティの招待でアメリカに行くことが決まったとき、棟方の仲介をした人物に対して北大路のようなタイプの変わり者では困ると言われたことをそのまま書いている。 「なんですか、人のお話では、ステッキをよくふり廻し、お供の方が気にくわないことをいうと、ステッキの、曲ったところで首をひっかけて引っぱったりするんだそうです。また、ビールを飲めない地方区でも、どうしても飲むんだ、飲むんだと、駄々をこねたりするんだそうです。そういう人だとちょっと困るんですが」 うむ。「この料理を作ったのは誰だ!」っていうあれですね。
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極貧の環境から奔放無類な個性を羽搏かせ、板画一筋に生き抜き、世界のムナカタになるまでを綴った感動あふれる自伝。〈序文〉谷崎潤一郎〈解説〉草野心平
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