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圓朝 の商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2022/03/10

圓朝のことを知らずに読み始めましたが、とても有名で偉大な落語家さんだとよくわかりました。 圓朝は落語の才能に長けていたけど、弟子を育てる才能にはあまり恵まれなかったのかな。 弟子に裏切られるのはつらい。 師匠の圓生から嫌がらせをうけた過去があるからか、弟子にはあまり強く言えず...

圓朝のことを知らずに読み始めましたが、とても有名で偉大な落語家さんだとよくわかりました。 圓朝は落語の才能に長けていたけど、弟子を育てる才能にはあまり恵まれなかったのかな。 弟子に裏切られるのはつらい。 師匠の圓生から嫌がらせをうけた過去があるからか、弟子にはあまり強く言えず、弟子からみても、世間からみても、『良い師匠』でいようとすることに縛られていたのではと感じました。 自分の経験や身近な話から噺を作ったりするところ、自分でもこういう話があったら面白いな、人物や場所を変えてみたらどうだろう…などと妄想を膨らませることが多いのでめちゃくちゃ共感ポイントでした。 ただ、あそこまで露骨に元ネタがわかるよう作ったら、傷つく人も出ますよね…。 才能があるからギリギリ許されたのでしょうか…。 あとぽん太がすごく可愛いです。

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2021/08/14

落語好きにとって圓朝像はそれぞれにあり 逢うことがかなわなかったからこそ 尊い存在になっている 本書はそのイメージを壊すことなく 新たな圓朝の姿を塗り重ねることができた 芸と生活と 芸に携わる者の永遠のテーマであり 生きていてこその芸であり 生きるための芸ではない 圓朝の生涯の苦...

落語好きにとって圓朝像はそれぞれにあり 逢うことがかなわなかったからこそ 尊い存在になっている 本書はそのイメージを壊すことなく 新たな圓朝の姿を塗り重ねることができた 芸と生活と 芸に携わる者の永遠のテーマであり 生きていてこその芸であり 生きるための芸ではない 圓朝の生涯の苦悩を思うと苦しくなる

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2020/10/31

幕末と明治を駆け抜けた、近代落語の祖、三遊亭圓朝。 「怪談牡丹灯籠」「真景累ヶ淵」など、今は定番となり、語り継がれる噺家の一生が描かれます。 母に反対されても落語家の道に進み、芝居噺で人気をとりますが、師匠や弟子からは嫌がらせにあってしまいます。 数々の苦境の中、生みだした怪談噺...

幕末と明治を駆け抜けた、近代落語の祖、三遊亭圓朝。 「怪談牡丹灯籠」「真景累ヶ淵」など、今は定番となり、語り継がれる噺家の一生が描かれます。 母に反対されても落語家の道に進み、芝居噺で人気をとりますが、師匠や弟子からは嫌がらせにあってしまいます。 数々の苦境の中、生みだした怪談噺や人情噺で独自の境地を切り開き、当代一の人気咄家に成長します。 女性関係や息子との確執など、波乱万丈の一生が描かれます。 「昨日のことは今日忘れ、朝のことは夕べに忘る。だからこそ、同じ物を食べても日々に新しくうまく、同じことを聞いても初めての心地で楽しんで聞ける。どうも人間、我欲が強くなると、なんでもかでも覚えておこう、残しておこうとするが、それは存外、不幸のもとということじゃ。某(それがし)など、昨今ずいぶん幸せですぞ」 ー 230ページ

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2019/07/23

最近、某公共放送のBS歴史番組で三遊亭圓朝を取り上げていたので何気なく見ていたら、なかなか興味深いテーマだった。 歌舞伎もそうだが、落語も江戸時代と明治維新後とではガラッと変わってしまったらしい。 この作品を読むと、明治新政府が出張ってくるまでの落語はなんと自由だったことか。 ...

最近、某公共放送のBS歴史番組で三遊亭圓朝を取り上げていたので何気なく見ていたら、なかなか興味深いテーマだった。 歌舞伎もそうだが、落語も江戸時代と明治維新後とではガラッと変わってしまったらしい。 この作品を読むと、明治新政府が出張ってくるまでの落語はなんと自由だったことか。 高座の背景に書き割りを置いたり道具を使ったり、文楽の人形まで登場させたり。 幽霊モノ、怪談モノを得意としていた圓朝が、道具仕立てを得意としていた圓朝がその芸風を変えざるを得なかったのは明治新政府による締め付けだったわけだが、その締め付けの中で面白いものを、自分らしいものをと模索していく。 人気が出るにつれ増えていく弟子たち。その弟子たちを育て見届けるのも師匠である圓朝の役目なのだが、その難しいこと。 何となくこういう噺家というのは破天荒な人生を送っているイメージなのだが、ちょっとつまみ食いのつもりの女との間に子供が出来た…という以外は割ときちんとしている。 自分に嫌がらせをした上に疎遠になってしまった師匠の晩年も面倒を見たり、羽目を外しては迷惑をかける弟子たちの尻拭いをしたり、危うい息子に翻弄されたり。 名人と言われ未だに誰も名跡を継いだ者のない(幻の二代目はいたらしいが)圓朝の人生を辿るにはわかりやすい一冊。 だが他のレビュアーさんも書かれているように、かなり淡々としていてせっかくのドラマチックになりそうな場面の幾つかもサラッと流されているのが残念。 小説というよりは圓朝の人生の概要を辿ったような内容。 個人的に好きだったのは弟子のぽん太。社会人としては行き辛い人間だったかも知れないが、圓朝のような理解ある保護者がいれば上手く生きられる。 それから一度は圓朝の元を去りながら戻ってきた新朝も印象的だった。 ちなみに現在放送中の某大河ドラマに登場した橘家圓喬(松尾スズキが演じていた)も一時圓朝の元にいたらしい。

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2019/06/03

圓朝のドキュメンタリー的な読物。 淡々と圓朝の経歴やら人間関係が語られ、少し盛り上がりに欠ける感じがした。 小説なのでもう少し娯楽性に振っても良かったのでは。 でも圓朝の人となりを知るキッカケになった。

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2019/05/20

伝説級の噺家「三遊亭圓朝」のお話。 読む前はかなり期待していたんですが・・・ちょっと期待外れでした。なんというか実際のエピソードを小説の形式でただ単にひたすら追っているだけみたいな感じで、結局圓朝という人がどういう人だったのかいまいち掴みづらい。とにかく史実を忠実に・・・という方...

伝説級の噺家「三遊亭圓朝」のお話。 読む前はかなり期待していたんですが・・・ちょっと期待外れでした。なんというか実際のエピソードを小説の形式でただ単にひたすら追っているだけみたいな感じで、結局圓朝という人がどういう人だったのかいまいち掴みづらい。とにかく史実を忠実に・・・という方針なのか知りませんが圓朝さんにとって大きなエピソードであろう出来事も案外あっさりと次々にベルトコンベアのように片付けられていっている印象。ご本人のエピソードはこれ以上ないくらいに興味深いものがいっぱいなんでしょうが、それを描ききれなかった作者さんの力量不足なんじゃないでしょうか?厳しい感想ですけども。 小説なんだから圓朝さんの感情や心の動きみたいなものはもっと、創作でもいいので、読ませるようなつくりにしてほしかったな、と。

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2024/06/11
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※このレビューにはネタバレを含みます

圓朝の子供時代から始まって、亡くなるところで終わり。まあタイトル通り。勿論、無理に盛ることはないけど、少し淡々とし過ぎな感も。個人的には現在も谷中で拝める幽霊画コレクションの話はもっと突っ込んで欲しかった。 あと、鏑木清方は、親父の条野採菊の方がしっかりと登場する。「随筆集 明治の東京」だと一緒に旅行したみたいに書かれてたけど。 それから、圓朝の弟子で出来は良いけど仲間内でも余り人気なさそうな「圓喬」って、「いだてん」に出てる、北野武のお師匠様だよねー。

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2019/03/25

江戸の終わりから明治時代に活躍した落語「中興の祖」と呼ばれる三遊亭圓朝。新しい噺を考えたり、弟子について考えたり、金銭面で悩んだりする伝記的小説。 なかなか面白かった。 「真景累ヶ淵」や「塩原多助」の誕生秘話的な話あり、幕末、維新の大激変の時代の雰囲気あり、当時の風俗もあり。...

江戸の終わりから明治時代に活躍した落語「中興の祖」と呼ばれる三遊亭圓朝。新しい噺を考えたり、弟子について考えたり、金銭面で悩んだりする伝記的小説。 なかなか面白かった。 「真景累ヶ淵」や「塩原多助」の誕生秘話的な話あり、幕末、維新の大激変の時代の雰囲気あり、当時の風俗もあり。 落語を知らなくてもほとんど関係ないように書かれてるし、とても読みやすい。圓朝については興味があったので、なおさら良かった。

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2019/03/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大圓朝 三遊亭円朝の一代記。奥山さんらしい語り口で、どんどんお話が進む。江戸から明治へと激動する時代のなかで、近代落語の礎を築いていく。次々と話を拵えていく姿、素噺に転向後の高座での姿、女性に苦労する姿、などなど、生身の圓朝を実際に見ているようだった。 名人芸、見てみたいですね。寄席に行きたくなる一作。

Posted byブクログ

2019/03/11

「怪談牡丹灯籠」を生んだ近代落語の祖・三遊亭圓朝。波乱万丈な芸道、女性関係や息子との確執にも悩んだ咄家の素顔に迫る傑作長篇。

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