吉野弘詩集 の商品レビュー
まとまった詩集を最後まで読むのはおそらく初めて。言葉の純度が高い。心に刺さる詩、共感する詩、内に灯が灯る詩。言葉はこんなにも豊かに様々な心情を、情景を伝えられるのだな。
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詩集2冊目です。 烏滸がましくて、評価は、できません。 吉野さんの詩は、これも詩なんですね、と散文というような作品も多いようです。 谷川俊太郎さんが、吉野さんの詩は散文に根を下ろしていると解説されていました。その解説が、わからないですが。掌編小説の範疇ではないようです。 そして、ごく普通の日常の一コマを、切り取っていられるところが、読者が多く共感を呼ぶのですね。 そして、あまりに日常的な事が題材とされているものは日記のようにも思える。 サラリーマン時代の出来事の作品が何作かあるのですが、『消息』に含まれているものは、息苦しさは、理解するのですが、作家さんが身を斬って作る感じが読み辛い。 遠野物語の111番を勘違いしてた話が出てくるのですが、私も全く同じ勘違いをしてました。何か嬉しい。 「夕焼け」が、有名な作品とのことです。 何回か読んでみました。情景を描くことができます。ですが、そこから、自分がどういう感情をどちらの側で持てばよいのかまだ掴めないんですよね。 やれやれ、不甲斐ないです。
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実は小学生の頃に吉野弘も大好きで、確か中でもものすごくもうたまらなく好きで、ノートとかに書き写していたような詩があったはずで、一二行読めば絶対にわかるはず…と思って読み進めたけど見つからなかった。あれはなんだったのか。
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見返しにある代表作3篇のうち、「祝婚歌」、「I was born」は別格として、「夕焼け」に、じんときた。 娘への「奈々子に」がすごくよかった。 奈々子に 赤い林檎の頬をして 眠っている 奈々子。 お前のお母さんはの頬の赤さは そっくり 奈々子の頬にいってしまって ひとこ...
見返しにある代表作3篇のうち、「祝婚歌」、「I was born」は別格として、「夕焼け」に、じんときた。 娘への「奈々子に」がすごくよかった。 奈々子に 赤い林檎の頬をして 眠っている 奈々子。 お前のお母さんはの頬の赤さは そっくり 奈々子の頬にいってしまって ひところの愛するお母さんの つややかな頬は少し青ざめた お父さんにも ちょっと 酸っぱい思いがふえた。 唐突だが 奈々子 お父さんは お前に 多くを期待しないだろう。 ひとが ほかからの期待に応えようとして どんなに 自分を駄目にしてしまうか お父さんは はっきり 知ってしまったから。 お父さんが お前にあげたいものは 健康と 自分を愛する心だ。 ひとが ひとでなくなるのは 自分を愛することをやめるときだ。 自分を愛することをやめるとき ひとは 他人を愛することをやめ 世界を見失ってしまう。 自分があるとき 他人があり 世界がある。 お父さんにも お母さんにも 酸っぱい苦労がふえた。 苦労は 今は お前にあげられない。 お前にあげたいものは 香りのよい健康と かちとるにむづかしく はぐくむにむづかしい 自分を愛する心だ。
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めっちゃよかった。私は意味のある言葉の羅列、散文寄りの現代詩が好きなのかもしれない。吉野弘の詩は茨木のり子に似たところがあると思う。 彼の日常の中での素朴で壮大な感動とか、生命に対する畏敬の念とか、とても共感できる。彼を貫いた感動が、詩を通して私をも貫いた。 お気に入りは以下 ...
めっちゃよかった。私は意味のある言葉の羅列、散文寄りの現代詩が好きなのかもしれない。吉野弘の詩は茨木のり子に似たところがあると思う。 彼の日常の中での素朴で壮大な感動とか、生命に対する畏敬の念とか、とても共感できる。彼を貫いた感動が、詩を通して私をも貫いた。 お気に入りは以下 ・ヒューマン・スペース論 ・I was born ・離婚式に出会うー中国空想旅行記 ・伝道 ・眼・空・恋 ・種子について ・夕陽を見つめながら ・動詞「ぶつかる」
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