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炭素はすごい の商品レビュー

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2021/09/09

大して化学的な知識がなくとも楽しく読めた。 文系の学生に身近で面白い小話を挟みながら授業をする先生、という印象の本。炭素を軸としつつも、誰かに話したくなるような例示が満載で、段々と炭素の存在を忘れそうにさえなった。 特に薬と毒の章は面白く、スイセン、スズラン、彼岸花など身近な植物...

大して化学的な知識がなくとも楽しく読めた。 文系の学生に身近で面白い小話を挟みながら授業をする先生、という印象の本。炭素を軸としつつも、誰かに話したくなるような例示が満載で、段々と炭素の存在を忘れそうにさえなった。 特に薬と毒の章は面白く、スイセン、スズラン、彼岸花など身近な植物の持つ毒のエピソードや、フグ毒とトリカブト毒をかけ合わせてミステリー小説顔負けのトリックが用いられた沖縄の殺人事件といったように、スマホで検索したくなるようなトピックが目白押しだった。 化学兵器のために作られ、他に使い道のない分子を「悪魔の分子」と呼び、「人間の悪意の犠牲になったかわいそうな分子たち」と情感的に表現するのも、分子が好きなんだなあ、という感じがして好印象を受けた。 読後にどれだけ炭素のことが印象に残っているかはともかく楽しく読めたのは間違いない。

Posted byブクログ