大廃業時代の町工場生き残り戦略 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
浜野製作所さんは従業員数50名の会社で、金属加工業を営まれている。自分も義父が社長の15名ほどの金属加工会社で働いているため、今後の会社の方向性など勉強になることがないかと思い読みました。 内容としては、浜野製作所がこれまで〜今取り組んでいることがメインとして、経営で大事にしていることや、今後取り組みたい新しいことなどが書かれています。 自分が一番心に残ったのは、町工場が生き残るためヒントで書かれていた言葉「他社ではできない世界一の加工技術で飯が食えるのが一番いい。が、どこの会社もそんな技術はない。技術がない会社は成り立たないのか。違う。大事なのはお客さんから信頼されることなんだ」。 自身の会社は15人しかいない、小さな町工場ですが、義祖父の時代から60年以上続く会社です。いずれ3代目となり、100周年目指して頑張りたいですが、お客さんからの信頼を第一に考えて続けていきたいなと改めて思いました。
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【部品は1から作らない】 本書の作者濱野慶一は、倒産寸前の父親の工場を受け継いで、経済産業省から『日本ものづくり大賞』を受賞し、天皇陛下も見学しに来るほどまでに工場を発展させた。その経緯に好奇心を刺激される方、あるいは会社や工場などの経営に興味がある方は是非読んでみるとよいだろ...
【部品は1から作らない】 本書の作者濱野慶一は、倒産寸前の父親の工場を受け継いで、経済産業省から『日本ものづくり大賞』を受賞し、天皇陛下も見学しに来るほどまでに工場を発展させた。その経緯に好奇心を刺激される方、あるいは会社や工場などの経営に興味がある方は是非読んでみるとよいだろう。 作者の濱野慶一は、いったいどうのような努力をして、そんな見事な逆転をできたのか?濱野慶一はもともと私たちと同じ普通の大学生で、自業の工場を受け継ぐ意欲がなかったが、父親の話の中の職人の誇りを感じ、自分が本当にやりたいことが工場を経営することだと発見した。 濱野慶一の経営の道は決して簡単とは言えなかった。父親の死、工場が全焼し、残りの従業員が一人しかいなくなった。そのようなピンチのときに、地域のひと、スタッフ、お客さんに救われ、最初取引先は4社しかなく、現在は約4500社と取引している濱野工場になった。 たくさんのピンチから救われる理由はたくさんあると思われるが、本当に大事なのはたった一つのもの、それは利他だ。他人を助けると、その恩の種がどこかで寝ていてすぐに大きくならないが、いつかピンチにあったときはその種はきっとあなたを救う。 私が『部品は1から作らない』という言葉が好きな理由はいくつかある。その話は濱野慶一が乗り越えられなかった困難にあったときにはなしたことだ。困難はどうしても乗り越える必要はなく、売っているものがあれば買えばいいし、他人が把握していることなら教えてもらえばいい、ということだ。つまり、自分だけの力は限界はあるが、チームの力を合わせれば力は無限だ。一見すると、この理屈は簡単すぎるだが、個人英雄主義がはやっている現在はますます重視されなくなる傾向がある。独立性を強調する社会には、人々が他人の力借りって目標を完成するのは恥ずかしいと気がするかもしれないが、しかしそれも成功への一つの道だ。 もう一つ感心するところは利他性だ。仕事や会社は利他的ならきっとだんだん大きく強くなるだろう。個人行動の原点は利他性なら、そのこと間違いなく成功するだろう。利他は字面通りに他人だけ有利ではない、自分にとってもっと有利かもしれない。不思議なことだろう。 この本は濱野工場がピンチから逆転になるまでの素晴らしい物語を述べた。ぜひ読んでみてください。
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