本をつくる の商品レビュー
書体設計士が文字をつくり、詩人が詩を書き、 組版工が活版印刷するためにそれを組み、製本職人が製本する。 さんざん本を読んできたけれど、本ができあがるまでの過程に 思いを馳せたことがなかった自分の浅さを恥ずかしく思いました。 500部しかない完成本、いつか手にとることができます...
書体設計士が文字をつくり、詩人が詩を書き、 組版工が活版印刷するためにそれを組み、製本職人が製本する。 さんざん本を読んできたけれど、本ができあがるまでの過程に 思いを馳せたことがなかった自分の浅さを恥ずかしく思いました。 500部しかない完成本、いつか手にとることができますように。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【本文より】 ・積み重ねてきた人生の断片は、思い出として脳裏に残るだけでなく、職人の指の動き1つ1つに流れ込み、今に繋がっている。 ・背筋を伸ばして、真面目にぶつかる。 ・「不幸になることは易いが幸福になることは難しい 愛と優しさ それに不断の自己反省と強く生きる意志 ここに幸福への道がある」谷川徹三 ・僕自身、この文字の形をずっと探しあぐねて、ここに辿り着きました。 ・「本」と一口にいっても、いろいろなものがあります。1回読んで捨ててしまうような本を、わたしはつくりたいとは思いません。/美篶堂の親方 ・To live in hearts we leave behind,Is not to die. (志を継ぐ者がいれば、死んだことにならない) ・本にも一点物のルリユールから機械製本まで、多様なつくり方があります。そんな中、インダストリアルとクラフトの間にあるのが美篶堂ではないかと思っています。
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具体的に本を作ろうと思って手にとったわけではなく、本の感じから偶然手に取っただけだったけど、文字を作成するパートが興味深くて、最後まで読んでみることに。 一冊の本は複数の業者さんが協力して作るということ。文字のデザイン完了後に、次の段階で別の業者さんによって文章を配置してみた時に、ひらがなと漢字のバランスを調整したという。デザイナーとの信頼関係があるからこそ、成り立つエピソード。 デジタルでは行き届かないアナログの部分で、職人さん達のこだわりが隠されていることが心に響いた。
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文字をつくるひとと、言葉をつくるひととが、出会って、その対峙からうまれたものがひとつずつ組み上がっていく 延々と、試して調整、試して調整、試して調整、、、 「完成」と、「調整が済む」とは違うんだろうな、と思った 文字つくりはものすごい悩みがよくみえた それが、ひとつの向きに...
文字をつくるひとと、言葉をつくるひととが、出会って、その対峙からうまれたものがひとつずつ組み上がっていく 延々と、試して調整、試して調整、試して調整、、、 「完成」と、「調整が済む」とは違うんだろうな、と思った 文字つくりはものすごい悩みがよくみえた それが、ひとつの向きに定まったあと、後の工程にいくほど、悩みはあるにしても、揺らぎの幅は縮まり、完成に向かって収斂していく、素晴らしいです 谷川俊太郎の詩が、これまた良い あー素晴らしい これだよね、これよ
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本が好きで、本に携わる仕事に就きたいと思ってた頃があったので書店で見つけた時は即手に取りました。 結局そういった仕事には就かなかったので、私的疑似体験ができて非常に満足です。 書体設計士、組版・活版印刷職人(この呼び名で良いのだろうか…)、製本職人、のそれぞれの章に分かれ、丁寧...
本が好きで、本に携わる仕事に就きたいと思ってた頃があったので書店で見つけた時は即手に取りました。 結局そういった仕事には就かなかったので、私的疑似体験ができて非常に満足です。 書体設計士、組版・活版印刷職人(この呼び名で良いのだろうか…)、製本職人、のそれぞれの章に分かれ、丁寧にその過程が記録されていて読んでいて常にわくわくとどきどきが味わえた。 私たちの手元に本が届く限り、そういった仕事があるんだなーと漠然とした想像はあるけれど、実際にどんなことをしているのか詳しくはわからない。 読み終わって思ったことは、「工場見学的なものはないのかな……」という実際に見てみたいという好奇心……。
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この本はちょっと凄い。 谷川俊太郎の詩集をつくるために、書体設計士が書体をつくり、活版印刷所が組み版・印刷をし、製本工房が手製本をする工程が収められた本。 もちろん、普通は詩のために書体を設計することはない。 だからこの企画は特別で、商売と言うよりは、純粋にそれぞれの職人が自ら...
この本はちょっと凄い。 谷川俊太郎の詩集をつくるために、書体設計士が書体をつくり、活版印刷所が組み版・印刷をし、製本工房が手製本をする工程が収められた本。 もちろん、普通は詩のために書体を設計することはない。 だからこの企画は特別で、商売と言うよりは、純粋にそれぞれの職人が自らの仕事に向き合っている様が収録されている。 やっぱり、ものづくりって憧れる。 そして、ものづくりをしている人たちは凄い。普段は知ることのない仕事の様子を垣間見ることができる一冊だ。 出版された実際の詩集を持っていなくても、価値のある一冊。
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