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不死鳥少年 アンディ・タケシの東京大空襲 の商品レビュー

4.1

19件のお客様レビュー

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2023/08/10

夏だし、前から気になっていたから良い機会だと思い手をつけた。石田衣良さんと東京大空襲というテーマが結びつかなくて、ドキドキしながら読み進めた。そして絶対忘れられない読書体験となった。もう一度読み返す元気はまだない。主人公・タケシと級友たちの暮らしが、戦争の中でも中学生らしくまぶし...

夏だし、前から気になっていたから良い機会だと思い手をつけた。石田衣良さんと東京大空襲というテーマが結びつかなくて、ドキドキしながら読み進めた。そして絶対忘れられない読書体験となった。もう一度読み返す元気はまだない。主人公・タケシと級友たちの暮らしが、戦争の中でも中学生らしくまぶしく輝いていた三月九日までを思い返すと、なんともやるせない気持ちになる。このテーマで日系人の少年が登場する物語を読むのは初めてだったのでかなり衝撃を受けた。銃後の戦争、みんなが生きていくのに必死だったのだと改めて気付かされた。この読書体験を通して、戦争と空襲の残酷さと平和の尊さをまた学ぶことができた。もし、主人公と同じ十四歳のときに読んでいたらと考えたがそれは無理な話なので、これからを生きる十四歳の子どもたちに広く読まれますようにと祈った。

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2023/01/27

戦争中のお話だと思って読んでいた。大東亜戦争の時代の中学生、時田武。 家族と空襲から逃げる頃になって、ただの悲惨なお話ではない、と気づいた。 命を懸けて、大切な家族を守り抜いた少年の勇気は、尊敬に値する、と感じた。

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2022/06/15

石田先生が中学生に読んでもらいたいと書いた小説。なるほど、たしかに、読んでほしい。 胸が苦しくなるほど、身体が震えるほど、空襲の恐ろしさが伝わってくる。 戦争なんてろくなもんじゃないと、つくづく思う。 大義なんて、クソ喰らえと思う。 平和な日々を維持したい。 だから大人も読むべ...

石田先生が中学生に読んでもらいたいと書いた小説。なるほど、たしかに、読んでほしい。 胸が苦しくなるほど、身体が震えるほど、空襲の恐ろしさが伝わってくる。 戦争なんてろくなもんじゃないと、つくづく思う。 大義なんて、クソ喰らえと思う。 平和な日々を維持したい。 だから大人も読むべき小説。

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2022/03/20

第二次世界大戦の著書、特に東京大空襲にスポット当てている。 最後の方に微sfが入り、「?」があったが、後書きを読んで石田衣良さんの意図を理解した。 (若い子に読んでもらうためだそう) 今の私と当時の人は生活様式が明らかに違うが、人を思う感情や友人との関係などは今と変わらないの...

第二次世界大戦の著書、特に東京大空襲にスポット当てている。 最後の方に微sfが入り、「?」があったが、後書きを読んで石田衣良さんの意図を理解した。 (若い子に読んでもらうためだそう) 今の私と当時の人は生活様式が明らかに違うが、人を思う感情や友人との関係などは今と変わらないのだなと、改めて思った。

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2021/03/11

東京大空襲から76年の日に読了です。東京に暮らし、東京大空襲という歴史的事実は知っていながらも、その様相を間近で見る機会はなかなかありませんでした。もちろん小説ですので虚構の部分はあるかと思います。でも、描かれた空襲で逃げ惑う人々の気持ち、平和への未来への思い、友情、家族愛…。迫...

東京大空襲から76年の日に読了です。東京に暮らし、東京大空襲という歴史的事実は知っていながらも、その様相を間近で見る機会はなかなかありませんでした。もちろん小説ですので虚構の部分はあるかと思います。でも、描かれた空襲で逃げ惑う人々の気持ち、平和への未来への思い、友情、家族愛…。迫力ある描写の中で、様々な感情が去来しました。今の平和の足下に埋められた、数多くの犠牲を忘れないようにします。

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2020/11/17

東京大空襲のさなか、ハーフであるアンディタケシが家族を守り抜く話。過去の幼児体験からタケシには不思議な力が備わっていた。空襲の場面は特にすごく、空から落ちてくる焼夷弾、燃えさかる炎、煙など想像して読んでしましとても泣けました。

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2020/08/14

終戦の日を前に、読んでみた。 広島、長崎の本や体験記は読んだことがあったが東京大空襲に関する本は初めてかも。 アメリカ人の父をもつ少年タケシのほんの4日間の物語。 不思議な力で家族を救うというフィクションでありながら、空襲は実際あったことで、読んでいて恐ろしかった。 戦争、次に起...

終戦の日を前に、読んでみた。 広島、長崎の本や体験記は読んだことがあったが東京大空襲に関する本は初めてかも。 アメリカ人の父をもつ少年タケシのほんの4日間の物語。 不思議な力で家族を救うというフィクションでありながら、空襲は実際あったことで、読んでいて恐ろしかった。 戦争、次に起こるとしたら、日本なんてあっという間に焼け野原だろう。 二度とあってはならない。 前半ややまどろっこしく、ラストは急に不思議なパワー発揮で小説としては今ひとつ。

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2020/04/11

本の装丁が気になり手に取った1冊。 3月10日に起きた東京大空襲の前後を描いた本。 中盤までは、作者とはどうも合わないなーとグダグダ読み進めていたのだが、 空襲の場面に入ってからはかなり引き込まれた。 恐ろしい。 焼夷弾の描写が物凄く、私が思っていたのとはまるで別物だった。 ...

本の装丁が気になり手に取った1冊。 3月10日に起きた東京大空襲の前後を描いた本。 中盤までは、作者とはどうも合わないなーとグダグダ読み進めていたのだが、 空襲の場面に入ってからはかなり引き込まれた。 恐ろしい。 焼夷弾の描写が物凄く、私が思っていたのとはまるで別物だった。 逃げても逃げても終わらないB29からの攻撃。 私だったら恐怖に負けて生きることを諦めてしまうかも、 と何度も思った。 本当に単純な話、戦争なんてしても何も良いことないな。

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2020/01/06

石田衣良氏が語る東京大空襲。 1945年3月の東京。主人公のタケシは日本人の母とアメリカ人の父をもつハーフの少年(中学生)。アメリカでの日本人排斥の動きを避けて、父と別れ、母と二人日本に戻り、帝都東京の下町の親戚の家に厄介になっている。タケシは子どもの頃、遊んでいて溺れたものの、...

石田衣良氏が語る東京大空襲。 1945年3月の東京。主人公のタケシは日本人の母とアメリカ人の父をもつハーフの少年(中学生)。アメリカでの日本人排斥の動きを避けて、父と別れ、母と二人日本に戻り、帝都東京の下町の親戚の家に厄介になっている。タケシは子どもの頃、遊んでいて溺れたものの、タケシだけが助かったので アンダイング・タケシ → アンディ・タケシと呼ばれた強運の持ち主だ。 東京大空襲は3月9日の夜から10日未明にかけて、アメリカが行った無差別爆撃。東京が一晩で一面の焼け野原となった。この作品は3月7日の朝から始めて、タケシを中心として当時の東京下町の暮らし様子、少年たちの日常生活として、極限に近い食糧難、学校での授業はなく、軍需工場での勤労奉仕、徹底した灯火管制、乏しくなった娯楽、愛国精神の同調圧力に押されて行動が歪み始めている大人たち、敵国の男性を父に持つということによるいわれ無き差別、といった物を丁寧に描いている。 全編のうちの3分の2がそういう空襲前夜の東京を描く一方で、最後の3分の1は東京大空襲の一夜に費やされている。 タケシは母と世話になっている親戚家族の命を守るために避難の先頭に立って行動する。その逃げるタケシ達が目撃するものは、爆撃によって町に何が起きたのか、B29の落とした焼夷弾が、家屋を焼く炎が、業火によっておきた炎の嵐が、逃げる人々にどのように襲いかかり、いかに命を奪っていったのかというものだ。 石田氏があとがきに書いているように「空襲で人々がどんな死を迎えたのか、百科事典的に網羅する」べく描き切っている。 避難の目的地とした錦糸公園まどあと少しというところでタケシが感じたことが象徴的だ。 "戦争は兵隊と東京都民の区別などしなかった。戦争は相手の一番大切なもの、一番柔らかいところ、壊して欲しくないものを徹底的に傷つけあうことだった。際限なく燃えあがり、自分の力に酔いしれる憎悪の炎そのものが戦争なのだ。"

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2019/09/02

石田衣良作品であることを忘れる作風。東京大空襲は名前は知っていた。わたしの祖母も空襲で田んぼを逃げ回ったと聞いた。イメージはもっと簡単で逃げてれば助かる内容だと思っていた。実際はまったく違うんだ。簡単に考えすぎていた。何年も生きていたが大きく価値観が変わった。石田衣良さんが願うよ...

石田衣良作品であることを忘れる作風。東京大空襲は名前は知っていた。わたしの祖母も空襲で田んぼを逃げ回ったと聞いた。イメージはもっと簡単で逃げてれば助かる内容だと思っていた。実際はまったく違うんだ。簡単に考えすぎていた。何年も生きていたが大きく価値観が変わった。石田衣良さんが願うよう、日本人のみならず、世界中の人が戦争のリアルを知れば、何かが変わるのかな…

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