早く家へ帰りたい の商品レビュー
高階杞一さんの詩集ですね。 2019年、発行が初版は1995年に偕成社より刊行されています。 1994年9月に息子さんの雄介さん(三歳)を突然なくされています。 この詩集は、生まれて以来、病気と闘ってきた、雄介さんへの「さまざまな思いを、あふれるままに詩という形で綴ったもの...
高階杞一さんの詩集ですね。 2019年、発行が初版は1995年に偕成社より刊行されています。 1994年9月に息子さんの雄介さん(三歳)を突然なくされています。 この詩集は、生まれて以来、病気と闘ってきた、雄介さんへの「さまざまな思いを、あふれるままに詩という形で綴ったものでした。」と、語られています。 亡くなったあとに、綴られた詩もおさめられています。 「愛」 1991年9月 こどもがはじめて笑った日 ぼくの暗がりに ひとすじの強いひかりがさしこんだ 生まれてはじめて見るような 澄んだあかるいひかり その時 ぼくの手の中で 愛 という形のないものが はじめて〈愛〉という形になった そして ぼくの〈愛〉はまだ病んでいる 病院の小さなベッドで 「苦しい」とか「痛い」とか そんな簡単な言葉さえ いまだ知らずに 「見えない手」 1994年3月 こともが生まれて初めて立ち上がる お尻をうしろに突き出して それから よいしょ というふうに ゆっくりと手を床からはなして よろよろと 最初の数步を歩む 何百万年か前 初めて二本の足で立ち上がったヒトが そうしたように 手を前に差し出して 目の前の いちばん近しいひとに向かって 進む ぼくも 時には そんなふうに手をのばしたくなってくる 誰かに向かって よく晴れた朝 こどもといっしょに窓から遠くを眺めていると うしろから そっと支えてくれる手が ぼくにも あるように思われてきて 「紙ヒコーキ」 1994年11月 おまえのいなくなった部屋に 紙ヒコーキがひとつ落ちている ぼくが催しでもらってきたもの 仕事か一段落したら 公園で飛ばしてやろうと思っていたが その前に おまえの方が空高く いってしまった 休日のよく晴れた午後 外に出て ひとり公園に行く 楽しげに親子連れが遊んでいる ボールを蹴ったり バドミントンをしたり 砂遊びをしたり……… ぼくは 持ってこなかった紙ヒコーキを手に持って 思いきり 空に向かって飛ばす それは高く軌跡を描いて飛んでいく おまえはよろこぶ ぼくのとなりで そうしていつまでも ふたりでその跡を追っている 命の讃歌を謳え揚げる高階杞一さんですが、この詩集でも、生命の素晴らしさを讃えられています。 今でも雄介さんは、高階さんの詩の中で生き続けいます。涙無しには読まれない詩集ですね。
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- ネタバレ
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何度読んでも涙が出ます。心の底から溢れくるおもいを書いた詩を超える詩はないのではないか。小手先の技巧とかでなく、あふれくるもの。この詩集を読むといつもそう思う。
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タイトルに惹かれてなんとなくで手に取った作品で泣いてしまった 「会社がしんどくて早く家に帰りたいサラリーマン(私…?)の話かな」と思っていたら、そんなことはなく… 息子と過ごした4年足らずの温かな日常を描いた作品 今は隣にいる大切な人でも、いつかは触れなくなる 1日を、一瞬を大...
タイトルに惹かれてなんとなくで手に取った作品で泣いてしまった 「会社がしんどくて早く家に帰りたいサラリーマン(私…?)の話かな」と思っていたら、そんなことはなく… 息子と過ごした4年足らずの温かな日常を描いた作品 今は隣にいる大切な人でも、いつかは触れなくなる 1日を、一瞬を大切にしようと思えた
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軽い気持ちで読み始めたこの詩集。 最初から最後まで、ずっとま涙が止まりませんでした。 詩は苦手で、読んでも意味が分からなかったり、ちゃんと意味が汲み取れないことが多かったけれど、これは全部が理解できた。というか、ストレートに自分の心の深いところまで入ってきました。 難病の我が子へ...
軽い気持ちで読み始めたこの詩集。 最初から最後まで、ずっとま涙が止まりませんでした。 詩は苦手で、読んでも意味が分からなかったり、ちゃんと意味が汲み取れないことが多かったけれど、これは全部が理解できた。というか、ストレートに自分の心の深いところまで入ってきました。 難病の我が子へのあふれ出す思い、愛しさ、悲しみ、寂しさが刺さるほどにしみていきました。 詩のようにこんなに短い言葉でこんなに心が揺さぶられるなんて。 幼くして亡くす我が子への思いが詰まっていて、本当に泣けました。 そして子供と過ごす時間がいかにかけがえのないものか、ということも考えさせられました。
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短い言葉に亡くなったお子さんへの思いがつまっています。子供と今を生きられることを大切にしようと思わせてくれる一冊。
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