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ゆるカワ日本美術史 の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2021/04/09

ゆるカワとは、素人が丹念に描いたまたはデザインの極地にたどり着いたプロが描いた素朴絵に於いて感じ取れるもの、と理解した。 説明の論理性と客観性に欠けるような印象を部分的には受けるものの、一貫した視点で時の流れを追って語られていてわかりやすい構成。 (丹念に書いた結果、素朴味が表れ...

ゆるカワとは、素人が丹念に描いたまたはデザインの極地にたどり着いたプロが描いた素朴絵に於いて感じ取れるもの、と理解した。 説明の論理性と客観性に欠けるような印象を部分的には受けるものの、一貫した視点で時の流れを追って語られていてわかりやすい構成。 (丹念に書いた結果、素朴味が表れたのであろう) 歴史背景にも言及されているお陰で、前提知識なく読めるのもありがたい。 また、日本芸術の鑑賞ポイントを学び取れる。寄って早速、眺めに出かけたくなる。

Posted byブクログ

2021/02/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

キャッチーなタイトルに思わず手に取ってしまった。 日本の美術史をゆるカワという文脈で研究するなんて面白いな〜、そんな気持ちで読み始めた。 でも読み進めていくうちに、確かにゆるカワの系譜は存在すると感じた。土偶の時代から日本にはゆるカワの源流となるものがあったと見える。 それは大衆、庶民にわかりやすく、親しみを持ってもらう、という側面が大きかったのかな。アートが一部の権力者のためだけでなく、平安時代の女性や江戸時代の庶民にも開かれていた、ということかな。 そう考えると改めて文化の高さ、懐の深さを感じさせられる。 以下、御気に入りの作品 鳥獣戯画(平安〜鎌倉) 大津絵(江戸) 俵屋宗達(江戸) 尾形光琳(江戸) 伊藤若冲(江戸) 円山応挙(江戸) 中村芳中(江戸) 歌川国芳(江戸) 与謝蕪村(江戸) 茨木元行・針聞書(江戸)

Posted byブクログ

2019/02/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

<目次> 序章   日本美術のオリジナリティ 第1章  ゆるカワのはじまり 第2章  庶民が育てたゆるカワ~室町時代から桃山時代 第3章  庶民が育てたゆるカワ~江戸時代 第4章  素朴な工芸、かわいい工芸 第5章  江戸のかわいい動物たち 第6章  知識人のゆるカワ 第7章  近代のゆるカワ 終章   グローバルの波を超えて <内容> 従来の美術鑑賞とは違う視点、「カワイイ」を元に日本美術をひもといた本。女子大の教授らしい視点かもしれない。 土偶や埴輪から寺社縁起、民間仏、大津絵、工芸品。さらには若冲、応挙、光琳、宗達ら大御所と続く。著者に言わせると、奈良時代、鎌倉時代、明治時代には「ゆるカワ」はないと言う。理由は奈良、鎌倉は中国のリアリズム、明治は西洋絵画のリアズムが影響しているからだと。リアリティを求めると「ゆるカワ」は生まれない。

Posted byブクログ