まく子 の商品レビュー
温泉街の村に転校してきた女の子。 とても可愛くてみんなの注目の的だったが、彼女は少し風変わりで、「まく」ことが好きだった。 信じるとは、おとなになるとは、永遠とは何かを考えさせられる本。 粒を分け合って生きている 永遠じゃないから美しい そのまま信じる わたしはきみのみらい...
温泉街の村に転校してきた女の子。 とても可愛くてみんなの注目の的だったが、彼女は少し風変わりで、「まく」ことが好きだった。 信じるとは、おとなになるとは、永遠とは何かを考えさせられる本。 粒を分け合って生きている 永遠じゃないから美しい そのまま信じる わたしはきみのみらいだ、のミライに段々ハマってくる。ななまがりのパラレルワールドから来た人みたい。
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サラバ!、漁港の肉子ちゃんとあっという間に読んでしまい、西加奈子さんにハマりました。 少しクセのある登場人物たち、小さなコミュニティ、変化していく少年と少女たち。 西さんの作品はクセになります。 今回もあっという間に読み終えました。 大人になることへの不安、大人になったことに...
サラバ!、漁港の肉子ちゃんとあっという間に読んでしまい、西加奈子さんにハマりました。 少しクセのある登場人物たち、小さなコミュニティ、変化していく少年と少女たち。 西さんの作品はクセになります。 今回もあっという間に読み終えました。 大人になることへの不安、大人になったことによるものごとや人の見え方の違い。 そして、忘れてしまっていたもの。 先入観なく、柔軟に、たまに流されてみることも大切だと再認識させてもらいました。 読み終わった後にフッと肩の力が抜ける。 そんな作品でした。
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体がだんだんと変わっていく不安をかかえ、「大人」を斜に見て嫌うぼく。 ふと現れた宇宙人のコズエと過ごす中で、不安に思いながらも変化していくことを受け入れ、大人も今の延長なんだと気づく。周りの人のありがたみや思いやることもできるようになっていく。 西加奈子さんのアイデンティティや、...
体がだんだんと変わっていく不安をかかえ、「大人」を斜に見て嫌うぼく。 ふと現れた宇宙人のコズエと過ごす中で、不安に思いながらも変化していくことを受け入れ、大人も今の延長なんだと気づく。周りの人のありがたみや思いやることもできるようになっていく。 西加奈子さんのアイデンティティや、子どもの成長にまつわる描き方好きだなぁ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
久々の西加奈子さんの小説。2016年に単行本として発行され、児童書向き?の文庫本(福音館文庫)として図書館で借りた。 小さな小さな温泉街で、町中の人間たちのことはすべて知っているというなかで小学生の南雲慧(なぐもさとし)が転校生のコズエと出会い過ごす数ヶ月のお話。 11歳の慧は、最近クラスの女子がどんどん変化していくこと、女子と男子は違うこと、自分の体が大人になっていくことに居心地悪く思いながら過ごしている。 慧の家は小さな旅館を営んでいる。クラスの同級生のほとんどが、家は旅館。その旅館の規模によって、すでにクラス上でランキングがついているような学校環境。だからといって、露骨に誰かを見下すとか、バカにするとかはなく、みんな幼なじみで、おしっこをもらしていた幼稚園児の頃から知り合いだ。 慧のお父さんは、小さな街なのに、2度も不倫をして街の噂になっている。そのことも慧はすごく嫌だ。「お父さんに似てきたね」など言われると、自分が忌まわしい、お父さんのような、大人の男になってしまうのかもしれないという恐怖と不安と反抗したい気持ちでいっぱいになる。 そんな背景がある慧の旅館に、住み込みで働きに来たのが、コズエとコズエのお母さんだった。コズエはすごくきれいな女の子だったので、転校してすぐにクラスの、町中の人気者になってしまう。うらやましがられる慧は複雑な気持ちになる。 そんなコズエがある日、慧に秘密の話をするのだ・・・。 この街には、「サイセ祭り」という夏祭りがある。この祭りのために、小学生たちは学年ごと(1学年1クラスしかない)神輿を作り、街の男たちによって奉納される。奉納といっても、神輿をホコラにぶつけて壊すのだという。「サーイセッ」とかけ声をかけながら・・・。 この街の人間は、ちょっと変わっていて、都会だったら絶対無視されるであろう人でも、なんだか受け入れられている。そこに存在していることを、街の人たち、慧を始め、子どもたちも、「変な奴」とか思いつつ、関わりを持っている。その人を、その人のまま、そこに存在していることを許容している。ひきこもりでも、ヲタクでも、嘘つきでも、不登校でも・・・。決して優しさに包まれているわけではないけど、存在を許容されている環境があるというのが、今の日本には少なくなっていってるなと思う。優しさ以前に、存在を許容されている、その人のありのままで町中の人たちが受け入れているというのは、なんやろ、いい言葉が出てこないけど、偽善っぽくなくていいなと思ってしまう。 この感覚が、この町のなかにはあるから、コズエの秘密が分かっても、みんなコズエを信じて、コズエすげぇな~って思えて、ドノの存在や、新しくやってきたソラを、ありのまま受け入れていく。 なんか、多様性とか、「私らしく」とか、きれいな言葉で言うと、ピンとこないし、いや、きれいな言葉を使うことは大事なんやけど、わざわざ言葉にしなくても、昔の隣近所との交流とか地域の交流とか、家の秘密なんてあってなかった時代って、すでに多様性で、すでに自分らしく、Going my Wayな生き方をしている人はいっぱいいたと思う。寅さんみたいな風来坊がみんなに愛されていた時代が。 西加奈子さんの本って、「そこから攻めますか!?」って角度から描かれていて、絶対私が思いつかない視点から進んでいく。だから、読んでいて、これはどこに向かっていく物語なのか全く分からない。分からないから、毎回楽しい。 久しぶりの西加奈子さん。 私の世界を広げてくれる作家さん。
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少年が子どもから大人になることで揺れ動く心が描かれていて面白かった。 途中から物語は想像もしなかった方向へ進んでいったけれど、それでも自然に受け入れ読み続けることが出来た。 みんな違ってみんないい。 物語からは、そんなメッセージを受けたような気がした。
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西加奈子さんの小説読破〜〜〜! まく子だけは書店で全然出会えなくて、満を持してネットで注文。 今まで読んできた作品のなかで一番SF色は濃かったけれど、久々に西さんの文体に触れられてハピネス。 身体が徐々に変化していく小学五年生の主人公慧は大人になることを受け入れられない。 ...
西加奈子さんの小説読破〜〜〜! まく子だけは書店で全然出会えなくて、満を持してネットで注文。 今まで読んできた作品のなかで一番SF色は濃かったけれど、久々に西さんの文体に触れられてハピネス。 身体が徐々に変化していく小学五年生の主人公慧は大人になることを受け入れられない。 周りの男子が女子を異性として意識しているのも気に入らないし、女子がポーチを持ってこそこそトイレに行くのも疎ましい。 何も変わってほしくない。せめて自分だけはこのままでいたい。 そんなふうに二次性徴の期間を過ごしたひとは少なくないと思う。 かくいう私も、口を開けば男子の話しかしなくなった周りの友人に、一人取り残されたような切ない気持ちになっていたクチだ。 特に中学時代は、小学生に戻ってくだらないごっこ遊びをしていたいと何度も何度も何度も思った。むしろ祈った。 周りや自分の変化に抗い苦しむことも青春だが、変化を受け入れて成り行きに任せることも成長だ。 本作は、不思議な魅力を持った転校生コズエを中心として起こる、さまざまな変化にもがき葛藤しながらも、前を向いていこうとするひとりの小学生男児の話。 身体の変化に戸惑い、「僕の金玉、変かな?」と聞いてパンツを脱いだ慧に、「父ちゃんの方が変だぞ」と対抗しておかしな代物見せびらかす父。 思わず「オエッ!」と言ってしまう慧。 「オエッだよなぁ。ほんと」と返す父。 下品な私なので、慧が父親に身体の悩みを打ち明けるシーンでは思わず吹き出してしまった。
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思春期、成長期が一緒にきてしまうことって、実は人生の中で大きな出来事なのかも知れない、と改めて思いました。 主人公の慧は、旅館を営む家の小学生。 クラスの女子に生理がポツポツと始まり、休み時間にポーチをもってトイレに行ったり、心の変化で、今までは何とも思わなかった異性を急に意識し...
思春期、成長期が一緒にきてしまうことって、実は人生の中で大きな出来事なのかも知れない、と改めて思いました。 主人公の慧は、旅館を営む家の小学生。 クラスの女子に生理がポツポツと始まり、休み時間にポーチをもってトイレに行ったり、心の変化で、今までは何とも思わなかった異性を急に意識し始めたり、自分や周囲の同年代の子ども達の、心と体が変化していくことに嫌悪感を抱き、尊敬できる大人の男性が近くにいないために、大人になることを恐れて、透明な存在になりたい、自分は変わりたくない、と心がざわつく、この年代の戸惑いが、とてもよく表されていると思いました。 慧の旅館の職員寮に同い年の美人のコズエとその母親が引っ越してきて、美しく不思議な空気をまとっているコズエをクラスメイト同様に意識し始め、どうしてよいか分からなくなる感じ、わかる気がします。 思春期の心身の成長に心が揺れる感じが何ともいえない。 西加奈子ワールド感も存分に出ていました。 クレヨンかな、パステルかな、表紙、挿絵もとても素敵。 2019/03/21
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途中SF?と思ってびっくりしたけど、 最後にはすんなり受け入れられてしまう 大きな永遠のために小さな永遠を終わらせる
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誰しも一度は感じる、考えることじゃないだろうか。 大人になること。死ぬこと。 いくら悩んでも、明確な答えは得られなくて、いつの間にかその独特な恐怖は薄らいで大人になっていく。 その悩みを、恐怖を、そして答えを、目の前に突き付けられたような文章だった。 それは、私の中に染み渡るよう...
誰しも一度は感じる、考えることじゃないだろうか。 大人になること。死ぬこと。 いくら悩んでも、明確な答えは得られなくて、いつの間にかその独特な恐怖は薄らいで大人になっていく。 その悩みを、恐怖を、そして答えを、目の前に突き付けられたような文章だった。 それは、私の中に染み渡るような、言葉だった。 明確な答えじゃない、それこそ、心に訴えかけるような、何かだった。 ソラと村の人達との接し方に置いて、思ったこと。 何を考えてるかよく分からない、無愛想な人に接した時、そんな人なんだと切り捨てたり、邪険にするのは簡単。でも、自分とは全く違う生命体なんだと思うことで、相手を知ろうと思える。だって自分にとっての普通とその人の普通は、違って当たり前なんだから。 見方を変えると、人に優しくなれる。深く感動しました。
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初めて西加奈子さんの作品を読んだ。 最初は、子ども思春期をむかえ、変化することに戸惑う物語だと思っていた。 これは、そんな単純な話しじゃなくて、「生きる」とはどういうことなのか。 人間が一人では生きていけないのは、どういうことなのかを描いた、深い深い物語だ。 とても面白かった。西...
初めて西加奈子さんの作品を読んだ。 最初は、子ども思春期をむかえ、変化することに戸惑う物語だと思っていた。 これは、そんな単純な話しじゃなくて、「生きる」とはどういうことなのか。 人間が一人では生きていけないのは、どういうことなのかを描いた、深い深い物語だ。 とても面白かった。西加奈子さんの作品をもっと読んでみようと思う。
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