心霊電流(下) の商品レビュー
電気系統のショック療法的な、ある意味ちょっと、いやかなり胡散臭い治療法で、重篤な患者を復活(リバイバル)させる元牧師と、子どもの頃から色々な形でその元牧師と関わってきた主人公との、不可思議な出来事を綴った物語。 復活には致命的な後遺症が発生し、それが大きなテーマとなっているのだが...
電気系統のショック療法的な、ある意味ちょっと、いやかなり胡散臭い治療法で、重篤な患者を復活(リバイバル)させる元牧師と、子どもの頃から色々な形でその元牧師と関わってきた主人公との、不可思議な出来事を綴った物語。 復活には致命的な後遺症が発生し、それが大きなテーマとなっているのだが、あまり怖さを感じない。 「何かが起こった」とあるが、そこが弱い、というか、曖昧なままで、消化不良という感じ。
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牧師が前に興行に行った遊園地はジョイランドのとこ?緑の服の子が写真とってくれるという…。 最後に向けてガーっと進んでいった。 牧師の最後の実験が終わったあと、バタバタと崩れて行った。 見たこともない、有り得そうもない事なのに、映像が浮かぶのはさすがキング。
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キング真骨頂ともいえるじわじわとくるホラー。神話が絡んでくるあたりで少し理解しがたかったからか、私としてはそれほどの恐怖はなかったけれど、後半の描写はさすが。バットエンドなのが恐怖の尾となる感じ。キングといえば白石さんの訳でしっくりきていたので、それが違うのも読み進めるのに難儀し...
キング真骨頂ともいえるじわじわとくるホラー。神話が絡んでくるあたりで少し理解しがたかったからか、私としてはそれほどの恐怖はなかったけれど、後半の描写はさすが。バットエンドなのが恐怖の尾となる感じ。キングといえば白石さんの訳でしっくりきていたので、それが違うのも読み進めるのに難儀したポイントかも。それにしても主人公モートンが鍵をあけてしまうくだりは、ダークタワーを彷彿とさせたな。
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随所に恐ろしい事態は起こるものの、同氏の名作『スタンドバイミー』の様に主人公が清濁さまざまな経験を経て、爽やかな終焉に向かうものと思いきや、まさかのバッドエンド! いたたまれない気持ちにさせられた。 ただ、あたかも魔法の様な『心霊電流』の素性というか、その成り立ちと(元)神父がその効能を知るに至る経緯が私には分かりづらく、最後までしっくり来なかった。 しかし死後の世界が等しくあんな感じなら、私の死生観変わっちゃうなぁ〜 蟻って…。
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偶然にも音楽がらみ(ロックだけど)続きました。キングがクトゥルーを描くとこうなるのかぁ。いや切ない。とても面白かった「ジョイランド」との繋がりもでてきてニヤリ。原題はRevivalだけど最近のキングこそRevivalだ、おっかない〜。最高!
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期待しすぎたかな…。中編くらいの長さならもっと楽しめた気がする。奇跡だけど電気ショックでたまたま上手いこといってたのかも、という(キングにしては)普通の話を引っ張ったからこそ終盤の異常さが引き立つのはさすがなんだけど…。
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キングは稀有なストーリーテラーです。こんなたくさんアイデアが出るのが不思議。初期の頃の作品は読みづらく、翻訳が読みやすくしてるから?しかし、あんまりホラー感が感じられなかったな。僕としては初期の様な小説を読みたい。
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電気による奇跡のオカルトホラー小説下巻。 上巻が主人公の人生の物語とチャーリーとの出会いと再会を描いているオーソドックスなアメリカン小説風でしたが、下巻は一気にオカルト色が前面に出てきました。 ラストまで、ホラーというより、電気を信奉するチャーリーの狂気が物語を引っ張っていくのですが、後半からキングらしい「マザー」という存在がホラー色に染めていきます。 クライマックスの死者の再生シーンはサスペンスと言ってもよい展開でしたが、本当の恐怖はチャーリーによる電気治療をされたものに潜在的に残る殺人と自殺衝動があり、主人公がその衝動に揺れるというラストでした。 さすがキングというところです。
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キングお得意のじわじわ怖くなる系のホラー。本国では、ビル・ホッジズ・シリーズの1作目と2作目の間に当たる2014年に刊行されている。 主人公は流浪のミュージシャン。彼の60年に渡る人生につきまとうように、少しずつ狂っていく人々の生き様が描かれるのだが、怖さが爆発するのは終盤にな...
キングお得意のじわじわ怖くなる系のホラー。本国では、ビル・ホッジズ・シリーズの1作目と2作目の間に当たる2014年に刊行されている。 主人公は流浪のミュージシャン。彼の60年に渡る人生につきまとうように、少しずつ狂っていく人々の生き様が描かれるのだが、怖さが爆発するのは終盤になってからで、それまでは不穏な感覚が続く。でも私は年代記のような物語が面白すぎて、恐怖が全然入ってこなかった。全編を通して怖さよりも寂しさや悲しさを感じるお話なのだと思う。そこに潜む怖さを読み取るほど、まだ経験値が足らないということでしょうね。 強いて言えば後日譚が一番怖かったかな。怖いけどこういうのは大好き。ここまで来て、「あー、この作品は私の好きなやつだったー」と認識したが、時すでに遅し。ちょっと残念だが、いろんな意味でキングのホラーを体現できたのは満足かな。
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ジェイコブズによる奇跡の治療。かつてジェイミー自身も恩恵を受けたその奇跡は一見素晴らしいもののように思えるのだけれど。もちろんそううまくいくはずがないのですよね。治療を受けた者たちの一部に降りかかった恐るべき副作用は、しかしまだ恐怖の序曲でしかなく。ジェイコブズの本当の目的がいっ...
ジェイコブズによる奇跡の治療。かつてジェイミー自身も恩恵を受けたその奇跡は一見素晴らしいもののように思えるのだけれど。もちろんそううまくいくはずがないのですよね。治療を受けた者たちの一部に降りかかった恐るべき副作用は、しかしまだ恐怖の序曲でしかなく。ジェイコブズの本当の目的がいったい何なのか。恐ろしくもあり、悲しくもある物語でした。 ラストでの「マザー」の登場はまさしく物語のクライマックスで、その情景は恐ろしいものだけれど。それよりも取りつかれてどんどん狂っていくようにしか見えないジェイコブズの姿がひたすらに悲しく恐ろしいものでした。たしかに彼を襲った悲劇は悲惨ではあったけれど。もう少し別の方法で乗り越えることはできなかったのかなあ、と。むしろ神への信仰が裏切られた憎しみによって縛られてしまった部分もあるのかも。そう思うと、宗教というのはいったい何なのだろうな、と疑問に思えてしまいます。人を救うものなのか、それとも狂わせてしまうものなのか。
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