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不動産・非上場株式の税務上の時価の考え方と実務への応用 四訂版 の商品レビュー

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2021/02/26

不動産や非上場株式の売買等(相続及び贈与も含む)の取引時の時価について裁決・判決をもとに課税上の論点が解説されている。類似する事案でも比較してみると裁決・判決の内容に相違があったりする。どのような場合に課税があり、どのような場合に課税がなかったのか、その違いは何なのか、これらのこ...

不動産や非上場株式の売買等(相続及び贈与も含む)の取引時の時価について裁決・判決をもとに課税上の論点が解説されている。類似する事案でも比較してみると裁決・判決の内容に相違があったりする。どのような場合に課税があり、どのような場合に課税がなかったのか、その違いは何なのか、これらのことを比較検討してみると理解が深まることがわかった。所基通59−6と評価通達188の関連性が問われた裁判例についても高裁段階のポイントが解説されており参考になった。 P367 Point1 個人株主が法人に株式を譲渡した場合、一般的には、譲渡者(個人)が譲渡時に同族株主であり、また、譲渡後も譲渡者 (個人)及び譲受者(法人)は同族株主であるケースが多いため(関連する法人への譲渡が多いため)、本件のような問題はあまり顕在化しないものと思われます。ただ、本件では、譲渡後に譲受者(法人)が少数株主に該当するため所得税法59条の適用に当たって、原則的な評価方法である類似業種比準価額が配当還元価額で判断す るかが問題になりました。 Point2 所得税基本通達59-6と財産評価基本通達188の関連及び解釈について、東京地裁と東京高裁で分かれましたが、個人的に は、所得税法59条の適用においての株価算定については、譲渡者 (個人)の譲渡前の譲渡者(個人)の議決権数で判断し、譲受者(法 人)の法人税(受贈益)の判断は譲受者(法人)の譲渡後の議決権数で判断するべきではないかと考えます。また、本件で譲受者(法人)は、対象となった株式の発行法人の役員、従業員等が出資者であったことも議論があるところと思われ ます。 Point3 今後の展開は気になるところですが、高裁では、所得税基本通達59-6の規定ぶりでは、評価基本通達188の読み替えが納税者にはできないと判断していますので、通達改正も考えられま す。

Posted byブクログ