ニムロッド の商品レビュー
駄目な飛行機コレクションが好きだった。ニムロッドの書いた小説と結びついてきて、飛行機たちの持つ意味を悟ってなお気に入った。 仮想通貨を扱うということで難しそうだと敬遠していたが、読んでみたら面白い。ビットコイン周りには馴染みがないので想像力を追いつかせるのに苦労した。 駄目な...
駄目な飛行機コレクションが好きだった。ニムロッドの書いた小説と結びついてきて、飛行機たちの持つ意味を悟ってなお気に入った。 仮想通貨を扱うということで難しそうだと敬遠していたが、読んでみたら面白い。ビットコイン周りには馴染みがないので想像力を追いつかせるのに苦労した。 駄目な飛行機に乗って飛んでいこうとする、駄目な人間はどこに辿り着けるだろう?
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とても説明がムズい。ただ情報系の話が好きな私は、初めて仮想通貨やマイニングの小説を見つけ嬉々として読み進めた 仮想通貨の話をしてるのにずっと地に足がついてない気がした。が、そもそも仮想通貨は地に足ついてると勘違いしてることに気づいてぞっとした。だけどもうこんな遠くまで来てしまっ...
とても説明がムズい。ただ情報系の話が好きな私は、初めて仮想通貨やマイニングの小説を見つけ嬉々として読み進めた 仮想通貨の話をしてるのにずっと地に足がついてない気がした。が、そもそも仮想通貨は地に足ついてると勘違いしてることに気づいてぞっとした。だけどもうこんな遠くまで来てしまった
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勉強ができる人が書いた本だなと思った。なんとなくそう思った。全体的に起伏がなく、登場人物も少なく、無機質な様子が好みだった。間のニムロッドの小説も好きだった。 駄目な飛行機たち、仮想通貨、金庫にしまう小説、生まれてこなかった子供、若きロックスターの死。所々に気になるモチーフが出...
勉強ができる人が書いた本だなと思った。なんとなくそう思った。全体的に起伏がなく、登場人物も少なく、無機質な様子が好みだった。間のニムロッドの小説も好きだった。 駄目な飛行機たち、仮想通貨、金庫にしまう小説、生まれてこなかった子供、若きロックスターの死。所々に気になるモチーフが出てきた。 彼女と荷室は桜花のパイロットみたいになったのかな。少し難しい箇所があったけれど、映画のように映像が浮かんだ。
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芥川賞作品。いみわからなかった。 作品を通して、仮想通貨がポイントとして描かれ続ける。とても大切だけど、実際にはさわれない。架空ではないけど、架空。価値があると信じているけど、信頼できない。でもみんなが価値を認めて、懸命に発掘作業を続ける。そういうものだと思った。なんだか虚しい。...
芥川賞作品。いみわからなかった。 作品を通して、仮想通貨がポイントとして描かれ続ける。とても大切だけど、実際にはさわれない。架空ではないけど、架空。価値があると信じているけど、信頼できない。でもみんなが価値を認めて、懸命に発掘作業を続ける。そういうものだと思った。なんだか虚しい。 進んだ技術により、人間はカタカタとキーボードを打って、AIに仕事をさせて、それを稼働させているだけで、人類の価値が担保される。 バベルの塔の話が出てくるのと同時にスカイツリーの話も出てくる。「3600万人のひとの暮らしを、スカイツリーの上から眺めると、巨大な一体の生き物と向かい合ったような戦慄を覚えた。…日常生活で処理しきれず、行き場を失った無数の欲望が噴き出すようにして、街の真ん中に巨大な塔が建っている。」人類が懸命に建てた高い塔を、人間の欲望とか不満とかの象徴として見てるのが面白い。 ニムロッドの小説世界?の中で、人類保管計画的なことが起こるんだけど、それは近未来の話なのかもしれない。進みすぎた技術と思考が人類の選択をおかしな方向に持っていくのかもしれない。 絶対主人公最後死ぬと思ったけど、ニムロッドと田久保紀子が2人で消えた。心中したのだろうか。一つになろうってなったのかな。2人ともそれぞれの闇を心に抱えていた。 ビットコインの単位satoshiなの、ガチで知らなかった。サトシ・ナカモトのことも初めて知った。全然仕組み理解できなかった笑 やめてほしい、もっと楽に生きたい。世の中むずかしくしすぎ。
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ITに強い人なら解るのかな。。 仮想通貨を巡る文学作品。 ITに弱い私には難しかった。。 仮想通貨という存在は知ってるけど、イマイチ仕組みがピンとこないので分かりにくい話でした。 タイトルになっている『ニムロッド』の回収は上手いなと思ったけれど。。 文体は淡々としていて好みで...
ITに強い人なら解るのかな。。 仮想通貨を巡る文学作品。 ITに弱い私には難しかった。。 仮想通貨という存在は知ってるけど、イマイチ仕組みがピンとこないので分かりにくい話でした。 タイトルになっている『ニムロッド』の回収は上手いなと思ったけれど。。 文体は淡々としていて好みでした。 高橋一生さん主演の舞台『2020』が面白かった。 それを書き下ろしたのが上田氏でした。 舞台も上手く上田作品の世界観を表現しているのだなと納得。 舞台を見たからなのか、主人公は高橋一生さんのイメージで読んでました。
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表題に3つの意味が絡まっていて、最後こんなふうに収束していくのかぁ、と感心。構成の妙。 もっと早く読んでればよかった。
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科学と哲学 全知ではあるが全能ではないとき、人は個でいることをやめるのか、全体に溶けるのか 3人と、ニムロッドが書く小説が紡ぐ不思議な時間の流れ。
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虚無感の漂う小説だった。 ・駄目な飛行機コレクション ・紙と金属と武器に支えられたドルではなく、哲学とコードで無から価値を見出されるビットコイン ・中絶のトラウマを抱える恋人田久保紀子 ・鬱病になって一時離職していた、ニムロッドの書く小説 ・天まで届く塔を作ろうとして、言葉を通じなくされて散らされたバベルの塔の人々 ・主人公の左目から感情もなく流れる涙 ・ビットコインの創始者と同姓同名の主人公、中本哲史 ・ビットコインの最小単位はsatoshi さまざまなモチーフが象徴的で、まだ全てがまとめられない。 そもそも何もないところから生み出されるビットコインという、このキーモチーフからして虚無なのに、主人公の名前がビットコインの最小単位と同じサトシ。サトシ自身、もともとは両親が食べたものが精子になったり卵子になったりして結合して生み出された、無から生み出されたものであり、その意味でビットコインと同じ。 田久保紀子の、生きていたくもないけど死にたくもない感じ、とか、ニムロッドの送ってくる駄目な飛行機コレクションに癒しをもらう感じとか、そのふわふわとしたたしかな厭世観、みたいなものに共感した。 特攻隊が残した「東方洋上に去る」と言う言葉を残して連絡を断つ田久保紀子も、駄目な飛行機の桜花を選んで太陽を目指して飛ぶイメージをするニムロッドも、人生を捨ててしまったのだろうか? ニムロッドの小説の中にある、高い塔の一番上にいる人間の王ニムロッドと、その下で一つに溶け合った人間、というのは、完成しなかったバベルの塔の完全に対極にあるものだろう。神に近づこうとして塔を建てたニネヴェの人々は、別々の言葉を喋る民として神に散らされた。神が死んだこの時代に、天まで届く塔を建てた人間は、それぞれの差異を無くし、通貨のように取り替え可能な存在として、無価値な一つの塊になるのだろうか。
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私にとってはわかりにくい小説でした… 何度も読めば色々感じるものがあるのかな。 読む人によって捉え方が違いそうな小説です。 暗号資産などやってる人やwebに詳しい方はすんなり入ってくるかと思いました。最近の話題のものだなと。もう一回読み直そうかなと思うものでした。 駄目な飛行機コ...
私にとってはわかりにくい小説でした… 何度も読めば色々感じるものがあるのかな。 読む人によって捉え方が違いそうな小説です。 暗号資産などやってる人やwebに詳しい方はすんなり入ってくるかと思いました。最近の話題のものだなと。もう一回読み直そうかなと思うものでした。 駄目な飛行機コレクションはよかったです。まぁあぁいうものがあるから今があると思います。実際動かして乗ってみないとわからないですからね!!
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どこまでもマイペースに見える主人公。自分だけの世界がある不思議な先輩。魅力的だけど傷を持った恋人との刹那的な関係。どれがという訳ではないが、どことなく村上春樹氏を彷彿とさせる。 旧約聖書のバベルの塔と仮想通貨を繋げた不思議な小説で、人間の孤独や不安など厄介な部分が少し出てくるけれど、読んでいてずっとフワフワと空想の中にいるみたいな感覚だった。感情表現があまりなく淡々としているからかな。 ところどころ出てくる哲学的な問いが頭の中にピン留めされていく感じがあった。私は駄目な人間も駄目な飛行機も、世の中には必要だと思う。というより完全な存在というものが無いということかもしれない。完全体になってしまったらそれこそ終わりだものね。
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