1,800円以上の注文で送料無料

祇園女御 新装版(上) の商品レビュー

4.3

4件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/02/16

ん十年ぶりに読みました。 本がキレイになっていることにビックリ! 内容に関しては。 やはり瀬戸内先生。 素敵なお話でした。 藤原だらけの登場人物が身近に感じられました。

Posted byブクログ

2023/09/08

永井路子の「望みしは何ぞ」を読み、藤原道長の子、藤原能信が彼ら藤原一族による長きに渡った摂関政治を終わらせたことを知った。当書「祇園女御」の中心的人物・藤原道子は、その能信の子である能長の娘である。能長は養子だけど、彼の実父・頼宗は養父・能信と同腹の兄弟でもある。つまり道子は道長...

永井路子の「望みしは何ぞ」を読み、藤原道長の子、藤原能信が彼ら藤原一族による長きに渡った摂関政治を終わらせたことを知った。当書「祇園女御」の中心的人物・藤原道子は、その能信の子である能長の娘である。能長は養子だけど、彼の実父・頼宗は養父・能信と同腹の兄弟でもある。つまり道子は道長の曽孫にあたるのだ。 私は源氏物語に出てくる「六条御息所」があまり好きではない。光源氏よりも年上で気高く美しく、血筋、教養、知性どれを取っても非の打ち所がない、そんなパーフェクトウーマンに息苦しさを感じるのも無理はないわ…と光源氏に珍しく同情したものだった。 しかしながら、この本の主人公(だと思う)道子にはどうしてだろう、嫌悪感を抱かない。美貌は勿論のこと、家柄、気品、教養、知性全てにおいて申し分ない后である。それなのに東宮(白河帝)の寵があからさまに薄れ、やがて後宮では日陰の身となっていく様が哀れに思えた。この先、どうか彼女のもとに幸せが訪れますようにと願わずにはいられないのだ。 上巻を読み終えたあと、白河帝が道子から興味を失っていった理由を考えてみた。彼女のほうが11歳も年上だからだとか、プライドが高過ぎて本心が見えづらいだとか、やっぱり年下の賢子の方が可愛いとか(笑)そういうこともあるのだろうけど、藤原家を毛嫌いする院(後三条院)の影響を少ながらず受けて、藤原道長に繋がる道子とは心理的にも物理的にも距離を置きたくなったのかなと思った。道子に皇子が産まれたとしても皇位継承がまわってくるとは考えにくい。うかうかしていると後三条院の皇子(白河帝の歳の離れた異母弟)の方に皇位がいってしまうので、自分の子供を確実に立太子させるには賢子(藤原師実の養女であるが、実の父は源顕房)に一刻も早く産ませたいと躍起になっている姿がなんとなく想像できる。 …と書いたところで藤原師実について調べてみると、彼も道長の孫(頼道の子)であり道子だけが疎まれる理由が分からない。師実は他の関白家の人間よりも帝にとって手懐けやすかったのだろうか?彼と協調することで利点があったのであろう。 そういった権力争いに知らずのうちに(いや、頭の良い人だから気づいていただろう)巻き込まれていく道子を哀れに思うと、寵愛を失ったのは自らの行いが不運を招いたからだとか、自業自得だとも思えないのだ。下巻では彼女の運命が好転して欲しい。

Posted byブクログ

2022/04/26

20220419-0423 前編の主人公は白河天皇の女御である藤原道子だと思う。理知的であるために、恋情におぼれられない、というのは物書きには向いていそうだが、華やかな宮中生活での恋の駆け引きはひいちゃうのだろうなあ、と思う。この妃の侍女だったあかねの有為転変が面白い。

Posted byブクログ

2021/01/16

平安末期、後白河上皇がまだ東宮だった頃に入内した藤原道子を中心に描いた物語。 当時の貴族たちの自由すぎる(?)男女関係に驚くとともに、女房たちの運命は、お仕えする主の状況に左右され、簡単に庶民以下に落ちぶれることもあれば、その人の美しさや計算高さなどがあれば思わぬ出世もあり得た...

平安末期、後白河上皇がまだ東宮だった頃に入内した藤原道子を中心に描いた物語。 当時の貴族たちの自由すぎる(?)男女関係に驚くとともに、女房たちの運命は、お仕えする主の状況に左右され、簡単に庶民以下に落ちぶれることもあれば、その人の美しさや計算高さなどがあれば思わぬ出世もあり得たんだということがよくわかる。 そして、貴族の世界の華やかな面のみならず、"くぐつ"と呼ばれる人たちの生活なども描かれていて面白かった。 どの程度実話に基づく話なのか、完全に創作なのかよくわからないが、聡明な女性ほど行きにくかったであろうことは想像に難くなく、道子に共感を覚えずにはいられない。

Posted byブクログ