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高齢者心理学 の商品レビュー

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2024/09/11

高齢期 とまでいかずとも、子どもが大きくなってきたり、社会で中堅の立場になってきたら…気づけばあちらこちら、身体の変化は否応なしに感じてくる。 高齢になるということは、身体の老化、近しい人との別れ、社会的地位・経済的自立の喪失など、いろんなマイナスイメージがあるけれど、 「人...

高齢期 とまでいかずとも、子どもが大きくなってきたり、社会で中堅の立場になってきたら…気づけばあちらこちら、身体の変化は否応なしに感じてくる。 高齢になるということは、身体の老化、近しい人との別れ、社会的地位・経済的自立の喪失など、いろんなマイナスイメージがあるけれど、 「人は誕生してから死を迎えるまでの生涯を通じて変化し続け、発達し続ける存在である」としたバルテスの『生涯発達の理論』は、マイナスのイメージを少しはプラスに向かわせてくれた。 人はつらく悲しいネガティブな体験を重ねるごとにその意味を深く考え、内省が深まり、対人観と人生観が変容する。 長くなった高齢期を喪失期とするか、挑戦期とするかは、その個人の喪失の捉え方に大きく左右すると。 エリクソンの発達課題においても老年期第8段階の発達課題は『統合』 これがうまくいかないと『絶望』になる これまでのつらく悲しい経験に意味を持たせ、自分の人生を受け入れることそのものが、究極の発達なのだと。ここに自分の人生の物語化が必要になるのかもしれないし、逆に統合するために人は物語るのかもしれない。(もちろんポジテイブな経験も。) そして、その時得られる徳として知恵や英知(wisdom)が得られると。 ただ最後、エリクソン夫妻は第9段階を新に加えた。 第9段階 超高齢期 傷病に冒され、医療や介護によって生が支えられることを含む終末期が想定されている。 こうした終末期 人生最初の課題である「信頼できる他者」の存在が改めて重要になる、と。 人間としての尊厳を保つためには、人生の最後に寄り添ってくれる人の存在が必要だと。 第1段階 乳児期0-1の発達課題 『信頼』が戻って来る。 信頼できる他者 なんともいえない。 『他者への信頼』 どの発達段階における躓きも、ここに戻ってくると思う。 それを取り戻すために、心理士やケア者は、巻き込まれながらも傍でその人の語りを聞き、時に自分の考えを伝え、その人の心を考え続けるのだろう。その人が他者への信頼を取り戻せるように。 人生の最期に寄り添ってくれる人の存在 それは家族に限らず、看取ってくれる医師や看護師、介護士かもしれない。 とても勉強になった。

Posted byブクログ