禁忌 の商品レビュー
半分辺りまでひたすら一人の男の人生を読んでいく感じで、そこからは一気に最後までって感じでした。簡単に感想を書けないですが、素晴らしかったです(^^)
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貴族の家に生まれ、長じて写真家として成功した男が 誘拐殺人の罪で逮捕される。 若い娘からの助けを求めた電話、血痕や引き裂かれ捨てられた衣服など、 状況証拠はかなりあるが、死体は発見されず、 誰が誘拐されたのかも分からない。 取調べでは男は犯行を自白したが、被害者は誰で 死体はどこ...
貴族の家に生まれ、長じて写真家として成功した男が 誘拐殺人の罪で逮捕される。 若い娘からの助けを求めた電話、血痕や引き裂かれ捨てられた衣服など、 状況証拠はかなりあるが、死体は発見されず、 誰が誘拐されたのかも分からない。 取調べでは男は犯行を自白したが、被害者は誰で 死体はどこにあるのかについては口を閉ざす。 男の弁護士は、男の故郷を訪れ調査を行う・・・ といった流れの作品。 いちおうミステリと言えなくはないですが、 ほぼ純文学作品だと思います。 男の少年期から写真家として成功した後までを描く「緑」、 若い娘からの電話を発端に男が取り調べられるまでを描く、短い「赤」 弁護士による男の故郷への訪問と裁判を描く「青」 短いエピローグの「白」 の四章構成。 男は文字のひとつひとつに色を感じる共感覚の持ち主とされていますが、 この設定は「緑」の章の肉付け程度で、以降の章ではほとんど 意味がない設定になっています。 ところで、物語の終わりに、男が作った3Dアニメというものが出てきます。 このアニメを作るのに、 モデリングやらレンダリングやらコンポジットやらエンコードやらを、 男はコツコツと、いくつもの失敗を経ながら、時間をかけてやったのかと思うと、 なんとなく笑えてきます。
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巻末にある著者と訳者の言葉を読めば、この作品の意図は、理解できると思います。素晴らしい作品だと思いました。しかし、苦しい読書でした。
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