跳ぶ男 の商品レビュー
ちゃんとした墓参りができる国を作るために、転ぶ。私にはこれくらいしか理解できなかった。難読の極みである。
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大名と能、能とはみたいな話、殿様の身代わりが簡単に出来ることにびっくり!また屋島剛の記憶力、体感能力にびっくり!
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素晴らしい! 心情を細やかに、独特の文体で書いておきながら最後までぐいぐい持っていく力強い構成。 前半は、貧しく頼りない剛がとんでもないことに巻き込まれて、どうなるんだろうというハラハラ感で持っていく。 後半、能舞台に立つようになってからがとくに面白い。 能をここまでしっかり味...
素晴らしい! 心情を細やかに、独特の文体で書いておきながら最後までぐいぐい持っていく力強い構成。 前半は、貧しく頼りない剛がとんでもないことに巻き込まれて、どうなるんだろうというハラハラ感で持っていく。 後半、能舞台に立つようになってからがとくに面白い。 能をここまでしっかり味わえるようになりたいと真剣に思う。 同時に、小説のストーリーと出てくる能の曲がぴちっと合っていてため息が出るほど見事。 読んでよかった。 青山さんの作品、もっと読みたい。
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「ちゃんと墓参りができる国にしたい」との思いで 藩主の身代わりを務める剛。 内容が能なので、わかりにくかった。
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何かの書評で絶賛されてたのに、まったく内容に関して忘れて読み始めたら、まさかの時代物。そしてまさかの能の話。そして、まさかの涙。退屈だと思ってた能を改めて見たくなりました。
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土地が狭く、墓地さえ作れない貧しい藤戸藩。 道具役(能役者)の長男・剛は、嫡子としての居場所を失い、ひとり能の稽古に励む。 その後、急死した藩主の身代わりとなるよう頼まれる。 剛の能が評価されれば、将軍との「結び目」もあるかもしれない。 貧しい藩が生き延びるため、剛は舞う。 15...
土地が狭く、墓地さえ作れない貧しい藤戸藩。 道具役(能役者)の長男・剛は、嫡子としての居場所を失い、ひとり能の稽古に励む。 その後、急死した藩主の身代わりとなるよう頼まれる。 剛の能が評価されれば、将軍との「結び目」もあるかもしれない。 貧しい藩が生き延びるため、剛は舞う。 15歳で重責を担う。 改めて厳しい時代だと思う。 剛はどのように舞ったのか、観たかった。 能について調べて、観て(動画)、再読。
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まったく能を知らないからだろうか、能が藩を立て直す手段と成りうる設定が斬新というか独特という感想を持った。 主人公・剛は亡き藩主の身代わりに抜擢される16歳。彼は貧しい藤戸藩お抱えの道具役(能役者)の長男だが、幼くして実母を亡くし、嫡男としての居場所を失い独学で能を学んでいた。彼...
まったく能を知らないからだろうか、能が藩を立て直す手段と成りうる設定が斬新というか独特という感想を持った。 主人公・剛は亡き藩主の身代わりに抜擢される16歳。彼は貧しい藤戸藩お抱えの道具役(能役者)の長男だが、幼くして実母を亡くし、嫡男としての居場所を失い独学で能を学んでいた。彼には三歳年上で俊傑と評され「藤戸藩をちゃんとした墓参りができる国」にしたいと願う友・保が居た。能の師でもあった。ところが保は刃傷沙汰を起こして切腹。そこで、保の替わりに目付の又四郎に見込まれたのが剛だった。何故かというと、大名能を利用して藩を改革しようという思惑があったからだ。迷った末に剛は藩主の身代わりを受けようと決める。 又四郎は剛に城での心得などを教え説く。その中で「藩士にとって大事なのは一に御家であり、御家をつないでこそ藩主である。忠義を尽くすべきは御家に対してであって主君ではない」という言葉が新鮮に感じられた。君主とのつながりこそが武士にとって一番と習ったのではなかったのか・・・。 能が行き着くべきは酷い老いを越えてなお残る美というのを知ったのは嬉しい。一度は舞台を覗いてみたい。 招かれて能舞台を演じることで、剛自身も成長を遂げ藤戸藩に生きる人々の苦しみを救いたいと変わる心情を説明するために、能は大きな役割を成す。そのために本文にはたくさんの能の演目やエッセンスが語られている。能に暗かった私は興味深く楽しく読めた。しかし、量が膨大で最後辺りは付いていく気持ちが萎えていった。もう少し刈り込まれた方が、ぴりっと締まるのでは? 剛は「貧しい外様の国の藩主が将軍に貸しをつくり、参勤交代と御手伝普請の免除を引き出して、藩政改革へつなげる」解決方を見出した。それは大名能を利用するにはするが意外な方策! 保は「思い切ったことをする」と剛を推したが思わぬ収束に、読者はたじろぐだろう。「跳ぶ男」のタイトル通りの美しい舞に賞賛するけれども、同時に、16歳の若者に命を投げ出さねばならないような使命を課すなんて・・・。 痛ましいとも思える。
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大名家の「能」を舞台とした時代小説。 始めは戸惑う。とにかく能について延々と語られる。 しかも舞う姿/謡う姿のような外見上のものでは無く、その精神世界・内面を言葉で表現しようとする。少し北方謙三に似た強く厳しい文体を使い、"軸""変われる者&quo...
大名家の「能」を舞台とした時代小説。 始めは戸惑う。とにかく能について延々と語られる。 しかも舞う姿/謡う姿のような外見上のものでは無く、その精神世界・内面を言葉で表現しようとする。少し北方謙三に似た強く厳しい文体を使い、"軸""変われる者""能を能にしているもの"など、様々な表現で「能とは」を突き詰めて行くのだが、概念であるために(特に能に全く無知な私には)言いたい事が理解できているのか不安になる。 先日読んだ『蜜蜂と遠雷』で恩田陸さんが音楽を言葉で表現しようとした試みを思い出す。 主人公だけでなく端役に至るまで全ての登場人物が張り詰めている。それぞれが目指すことに真摯であり一点の緩みも無く突き進む。偏執的とさえ言える。そんな中、物語がどこに進むのか戸惑いながら読んだ最後の数10ページ、主人公が出す結論は圧巻。 そんな真摯な人間ばかりなんて事は有り得ない。だからリアリティに欠けると言うことも出来る。しかし、そんな批判を超えて見事に物語は完成する。 かつて葉室麟さんが作品の多くに和歌を持ち込んだことを思い出し、読みながらちょっと気になったのです。葉室麟さんの和歌は最初は特徴と言えたのですが、多作に走ってからはむしろ安易なマンネリ感の方が強かった。 しかし、この作品の能はそれとは違うようです。執筆に2年、苦しみながら精緻に仕上げられた作品です。
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カテゴリー的には時代小説なんだろうけど ファンタジー的な要素もある。 (決して否定的な意味ではなく) 賽の河原のような野宮と 後半の江戸城中の対比、 能のテキストの解釈など非常に 興味深い。 (能を観たこともない人には理解し難い気もするけど) ラストは鮮やか。 重要登場人物...
カテゴリー的には時代小説なんだろうけど ファンタジー的な要素もある。 (決して否定的な意味ではなく) 賽の河原のような野宮と 後半の江戸城中の対比、 能のテキストの解釈など非常に 興味深い。 (能を観たこともない人には理解し難い気もするけど) ラストは鮮やか。 重要登場人物の名前が 全部、能の曲名なので重要度が最初に 分かってしまう難点もあり(笑)
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【直木賞作家の新たなる代表作】母と友を失い、独りになった少年・剛は、能だけが生き甲斐だった。だが、土地も米も金もない貧乏藩の藩主の身代わりを命じられ……。
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