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若殿女難記 の商品レビュー

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2024/01/04

「山本周五郎」の短篇時代小説集『若殿女難記』を読みました。 『山本周五郎名品館Ⅰ おたふく』、『山本周五郎名品館Ⅲ 寒橋』に続き、「山本周五郎」の作品です。 -----story------------- 久々に国元から江戸入りした若殿の姿に、家臣の誰もが絶句した。 若さまって...

「山本周五郎」の短篇時代小説集『若殿女難記』を読みました。 『山本周五郎名品館Ⅰ おたふく』、『山本周五郎名品館Ⅲ 寒橋』に続き、「山本周五郎」の作品です。 -----story------------- 久々に国元から江戸入りした若殿の姿に、家臣の誰もが絶句した。 若さまって――こんなに馬鹿だったっけ?  かつての賢さはすっかり消え、毎晩のように大宴会、女と見ればすぐに手を出す。 それもそのはずこの若殿、側近の裏切りに遭った”本物”の替え玉だったのだ。 降って湧いた贅沢な身分に、ますます調子に乗るバカ殿。 だが、意外な逆転劇が待ち構えていた!  愉快痛快な表題作を含む傑作短編集。 ----------------------- 「山本周五郎」作品の中でも、異色の痛快時代小説5篇を収録した作品… 初出時期等の作品紹介がないので詳しいことはわからないのですが、web上でざっと調べてみると昭和20年代の作品のようですね。  ■若殿女難記  ■半之助祝言  ■いしが奢る  ■恋の伝七郎  ■椿説女嫌い これまでに読んだ「山本周五郎」作品とはイメージが異なる作風の作品ばかりでしたが… そんな中で心に残ったのは、以下の2篇かな。 若殿を亡き者にして替え玉を傀儡に仕立て上げた奸臣一味… 替え玉のニセ若殿は女癖、酒癖が悪く一抹の不安を覚えていたが、計略は意外に順調に進んでいく、、、 しかし、詰めの段階で急に風向きが怪しくなり… 予想できる展開でしたが、ラストが痛快な『若殿女難記』。 気が弱く、容姿もぱっとせず、出世の見込みもない、お人好しの中老の三男坊… 二人の兄にいびられ、幼馴染で美男の師範代から騙され、脱藩する覚悟で親友とともに恋する人をさらうことを計画するが、、、 お人好しのコンビがない知恵を絞って、事態を打開するために一か八かの計画を実行する展開が愉しく、こちらもラストが痛快な『恋の伝七郎』。 ちょーっと物足りない感じはありましたが… 痛快で懲悪勧善な物語ばかりなので、肩ひじを張らず気軽に読めました。

Posted byブクログ