虚構世界はなぜ必要か？ の商品レビュー

古谷利裕(著者)

2023/10/22

《目次》
◇序説　フィクションの価値低下のなかでフィクションを問うこと

『うる星やつら2　ビューティフルドリーマー』『エンドレスエイト』『魔法少女まどか☆マギカ』
◇考察一　ネットもスマホもなかった世界から遠く離れて

『GHOST IN THE SHELL／攻殻機動隊』と『serial experiments lain』 I,II
◇考察二　冥界としてのインターネット
◇考察三　SFとオカルトの相補性、ホラーとオカルトの相違

『ソードアート・オンライン』『電脳コイル』『ロボティクス・ノーツ』 I,II
◇考察四　仮想現実とフィクション
◇考察五　多平面的で媒介（間接）的な接触

『ほしのこえ』と『トップをねらえ！』
◇考察六　相対性理論的な感情

『AURA　魔竜院光牙最後の闘い』と『中二病でも恋がしたい！』 I,II
◇考察七　日常としての異世界・中二病
◇考察八　遊技の現実的な作用

『涼宮ハルヒの消失』『ゼーガペイン』『シュタインズゲート』 I,II,III,IV
◇考察九　量子論的な多宇宙感覚
◇考察十　「決断」と分岐問題
◇考察十一　準‐多重化される世界
◇考察十二　とりとめのない「地」と認識可能な「図」

『逆襲のシャア』『ガンダムUC（ユニコーン）』『ガッチャマンクラウズ』 I,II
◇考察十三　「社会を変える」というフィクション
◇考察十四　アンチ・ヒーローと、技術が可能にする「新しいもの」

『マイマイ新子と千年の魔法』『この世界の片隅に』
◇考察十五　フィクションのなかの現実
◇考察十六　フィクションと現実の交差的交換

『けものフレンズ』
◇考察十七　人間不在の場所で生じる人間的経験

『君の名は。』『輪るピングドラム』 I,II,III,IV
◇考察十八　「ここ－今」と「そこ－今」をともに織り上げるフィクション
◇考察十九　世界そのものが忘れた出来事の記憶
◇考察二十　呪いによって織り上げられる「同時性」
◇考察二十一　「透明な存在」の積極的肯定＝フィクション」

2023/02/01

とても深い考察に舌を巻く。テーマを絞って、いくつかの作品を対比して考察していて、知っている作品は特に、腑に落ちる箇所も多い。未読、未視聴の作品（『トップをねらえ！』『AURA　魔竜院光牙最後の闘い』『ゼーガペイン』、スピルバーグの『A.I.』）はチャンスがあったら触れてみたい。