ミッテランの帽子 の商品レビュー
お洒落なパリで暮らす夢のようなひとときを疑似体験。 訳者あとがきが読み応えあった。日本語の文章も、しばしば入れられている注釈も、とても良かったと思う。ほかの翻訳本も読んでみたい。
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お洒落な大人のおとぎ話と紹介されているように、読み進めてほっこりと優しい気持ちになりました。 物語は、ミッテラン大統領がブラッスリーで帽子を置き忘れたところから始まります。 新たに帽子の持ち主になった人たちは、それをきっかけに人生を好転させていきます。 能力の低い同僚に出世をこ...
お洒落な大人のおとぎ話と紹介されているように、読み進めてほっこりと優しい気持ちになりました。 物語は、ミッテラン大統領がブラッスリーで帽子を置き忘れたところから始まります。 新たに帽子の持ち主になった人たちは、それをきっかけに人生を好転させていきます。 能力の低い同僚に出世をこされた男、不倫を切れない小説家志望作家、スランプ中の天才調香師、固定概念に囚われたブルジョワ男、そして最後に手にするのは…? 舞台は1980年代のフランス。 今でいうハイテク機器がない時代の、帽子を介した不思議な巡り合わせが素敵な設定です。 読みながら当時のフランスの政治的背景や生活を知ることができてとても興味深かったです。 フランス小説は初めてだったけど、温かみのある文章でまた他の本も読みたくなります!
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ずっとずっと気になっていた本。 恥ずかしながら、ミッテラン大統領が実在したことを物語の途中で知ったのであった… ミッテランが置き忘れたフェルト帽子が 予期せず4人の手に渡っていき、 それぞれの人生を良い方向へ変えていくという ストーリー。 海外文学は、当時の国の情勢や考え...
ずっとずっと気になっていた本。 恥ずかしながら、ミッテラン大統領が実在したことを物語の途中で知ったのであった… ミッテランが置き忘れたフェルト帽子が 予期せず4人の手に渡っていき、 それぞれの人生を良い方向へ変えていくという ストーリー。 海外文学は、当時の国の情勢や考え方もわかるから、訳者のあとがきが楽しみだ。 吉田さんのあとがきは、ストーリーを時代と照らし合わせ細かく分析した解説に、 ローラン作品への尊敬と愛がたっぷり染み込んだ優しさを感じる。 それにしても、 実在のフェルト帽子が辿り着く、 数奇すぎる運命に鳥肌が。。 何度も読み返したい。
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「洒脱な大人のおとぎ話」と表現されているけれど、本当にそのとおりだった。 オシャレで不思議で、でも少し無理がないかなぁ?と思うような「おとぎ話」で、とても楽しかった。 一つの物が人の運命を変えるなんてことがあるのなら、私も1度くらい経験してみたいなぁと思う。
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史実に基づき、教養を得られる刺激があります。そして、 生き方が変わるような、素晴らしいファンタジーでもありました。この作者がとても好きです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
フランス大統領、フランソワ・ミッテランの帽子を手に入れた人たちに起こる人生の転機。 一つの帽子が人から人の手へと渡って物語を動かしていく。 わたしもミッテランの帽子を手に入れたいな。笑 普段、帽子はあまり被らないけど、読んでたらほしくなってしまいました。 エピローグ、ミッテラン視点が入ってることが、この物語をさらに私好みにしてくれました。 訳者あとがきもよく、この訳者さんの他の本も読みたいですし、アントワーヌ・ローランの他の作品も読みたいです。 帽子の愛好家がメモを帽子に挟む、というアイディアは帽子好きかつ、いい帽子ならではだな、と。
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『赤いモレスキンの女』以来、久々に戻ってきた。 心が浮き立つような大人のおとぎ話。店先から漂う料理のいい匂い同様、表紙の装丁から既にいい出会いの予感がする…… 「(一部を除き)みんな盗癖ありすぎ笑」 小説は好きだし読後感に浸ることもザラにあるけれど、「いやちょっと待て」...
『赤いモレスキンの女』以来、久々に戻ってきた。 心が浮き立つような大人のおとぎ話。店先から漂う料理のいい匂い同様、表紙の装丁から既にいい出会いの予感がする…… 「(一部を除き)みんな盗癖ありすぎ笑」 小説は好きだし読後感に浸ることもザラにあるけれど、「いやちょっと待て」とツッコミを入れることも多い。今回はまさかの初っ端からツッコミを入れるハメになったものの、物語が進展するにつれ、そうも言ってられなくなった。 帽子の渡り方(?)が毎回違っており、「次は誰がどうやって?」と前の人のエピソードが終わる前から予測していた。会話の鉤括弧が(敢えて)抜かれているせいで誰の発言か分からなくなることもあれば、無理やり運命を動かそうとして失敗しないかと心配をしたりと思考を巡らすのに忙しい。 でも帽子を手にした彼らはもはや無敵。こちらのハラハラを尻目に「心配ご無用」と軽快に切り抜けて見せる。 「運命と言う偉大なGPSが決めてくれた経路をたどらない時、帰還不能を示す標識も見当たらない」 帽子を手にした人々の運命を(その人達にとって)プラスの方向へと導く帽子。 単なる偶然なのか。吉田氏(翻訳者)が仰るように「謎めいた力が宿っている」のか。そして何故ミッテラン大統領の帽子という設定にしたのか。帽子の持ち主はミッテランじゃなきゃ駄目だったのか。 小説好きの人が聞いたら呆れるであろう、つまらない疑問の山をこしらえてもいた。これらの疑問はエピローグ・あとがきで明らかになるのだが、そこで語られるエピソードを知ってしまえば「タネを明かせ!」と躍起になっていたことが恥ずかしくなる。 タネも仕掛けもない作用。一杯食わされた感じだけど、麗しの都って作用も働いているからか何だか悪い気がしない笑
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転がっていく帽子を追いかけていく感じがとても楽しかった!しかもたどり着いた先は、まさかのあの人❗自分の人生にもミッテランの帽子みたいなきっかけがあるかも。その時慌てないように、この小説が教えてくれたのかもね。
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一つの黒い帽子の周りで起こる小さな奇跡の連続の物語。 クスッと笑えたり登場人物の発言や環境から「フランス」を感じたりと軽く楽しくサクッと読めてよかった〜
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1980年代のパリ。ミッテランが置き忘れた帽子…次々と持ち主が代わっていく。 その度に彼らの人生が変わるほど不思議な力を持っている。 生きている中でそれと意識することのない度重なる偶然が人生を大きく変えるなんて… まさしく大人のおとぎ話。 現実、自分なら拾わないだろうけど(苦笑...
1980年代のパリ。ミッテランが置き忘れた帽子…次々と持ち主が代わっていく。 その度に彼らの人生が変わるほど不思議な力を持っている。 生きている中でそれと意識することのない度重なる偶然が人生を大きく変えるなんて… まさしく大人のおとぎ話。 現実、自分なら拾わないだろうけど(苦笑)
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