福祉原理 の商品レビュー
秩序維持型の福祉、秩序再構築型の福祉という2つの概念で福祉の原理に切り込んでいる。現れとしての公という概念もキーになるのだが、いまいちそこが分かりかねるので、斎藤純一さんの本を再読せねばなるまい。
Posted by
私自身全くの門外漢でありながらも、福祉の恩恵に預かって生を立て直した経験から、興味を感じ購入した。古代から現代に至るまで、福祉の形がどんな変遷を辿ったか、主として抽象的な議論を展開している。具体的な行動や処置を説明するための原理を解き明かすものであり、極めて抽象的だが、哲学の思考...
私自身全くの門外漢でありながらも、福祉の恩恵に預かって生を立て直した経験から、興味を感じ購入した。古代から現代に至るまで、福祉の形がどんな変遷を辿ったか、主として抽象的な議論を展開している。具体的な行動や処置を説明するための原理を解き明かすものであり、極めて抽象的だが、哲学の思考で説明するスタンスだから、何とかついていけた。特に、現代の社会構造を説明する仕方が妙を得ており、原理論が目の前の事象を説明する力に感心した。これで実際の私の行動が向上するほどかゆいところまで手が届いているとは言い難いし、この論考自体観察を主たるものとしているので、やはり認識の面で視野を広げる本であり、そういう意味では社会を見る目が変わると言えるだろう。私としてはこの分野でこの議論レベルに到達できる訳がないから、あくまで門外漢だが、この論考を通じて見える眺めは滋養分として身になると思う。
Posted by
- 1