全共闘以後 改訂版 の商品レビュー
著者は1970年生まれで10代から活動家を続けてきた外山恒一という人である。わたしは90年代の中頃にこの著書で取り上げられている『週刊SPA!』の中森明夫氏の連載でその名前を知っていた。1960年代末の学生叛乱時代以降の社会運動の歴史をまとめており、元々は氏自身がミニコミ誌などで...
著者は1970年生まれで10代から活動家を続けてきた外山恒一という人である。わたしは90年代の中頃にこの著書で取り上げられている『週刊SPA!』の中森明夫氏の連載でその名前を知っていた。1960年代末の学生叛乱時代以降の社会運動の歴史をまとめており、元々は氏自身がミニコミ誌などで丹念に書き綴ってきた膨大な文章をまとめた浩瀚な通史である。特に90年代以降は自らが関わった知られざる反権力活動をまさに虫の眼でえがいており貴重である。ブルーハーツに触発されて管理教育批判運動をきっかけに社会運動を始めたという氏の経歴から独りよがりでイデオロギッシュな主張に溢れているかとかと思いきや意外にもその筆使いは冷静であり、特に人物評が皮肉が効いており随所で笑いを誘う。外山氏は明治時代に活躍した宮武外骨というジャーナリストのような知性ではないか。
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