一食一句 の商品レビュー

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2021/08/26

近所のドン・キホーテで、レジ側の半額叩き売りワゴンの中から見つけました。 読んでみて、「なぜこんな良い本がワゴン売りの憂き目に…」という気持ちです。 なんとも「隙」の多い料理本です。レシピにその食材や季節に因んだ正岡子規の俳句が添えられており、作り方と見比べながらその句を読むの...

近所のドン・キホーテで、レジ側の半額叩き売りワゴンの中から見つけました。 読んでみて、「なぜこんな良い本がワゴン売りの憂き目に…」という気持ちです。 なんとも「隙」の多い料理本です。レシピにその食材や季節に因んだ正岡子規の俳句が添えられており、作り方と見比べながらその句を読むのが楽しいのですが、レシピの写真が素人写真だったり手書きのイラストだったり…(写真に猫や缶ビールが写り込んでいたりする)。 レシピも著者の亡きお母様が実際に作っていたものと、有志から募ったものということで、目新しさは特にありません。 ただ、著名な料理研究家の先生が、綺麗なキッチンスタジオでプロのカメラマンにキラキラの写真を撮ってもらいながら、目新しさや時短、ヘルシーさを競って作る料理本にはない味わい深さがあります。 本の中で「一品料理」や「ワンプレート」など大まかな分類はあるのですが、ハンバーグの隣に鮭フレークのレシピが載っていたり脈絡があるようなないような…。その緩さになんとも言えない可笑しみが溢れていて、正岡子規の句とも親和性を生み出しているように思います。

Posted byブクログ