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あなたの愛人の名前は の商品レビュー

3.7

89件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    36

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

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2023/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最近ハマっている島本先生。 短編集かと思いながら、読み始めたらいい意味で裏切られた。ほとんどの物語が繋がっていて、いろんな角度から体験できてドキドキした。 特に『あなたは知らない』と『僕だけが知らない』は女性側・男性側から見れてよかった。その後の物語は、その2人が脇役になって興味深かった。最後まで期待を裏切らない島本先生にあっぱれ。

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2023/11/25

それぞれの目線からの愛や恋みたいなものの短編集。全部ではないけどリンクしている話があって、それぞれの視点が面白かった。「それでも父は最後まで彼女の名前を口にはしなくて、その具体性がなによりも私たちを決定的に傷つけることを、もしかしたら分かっていたのかもしれない。」というところがな...

それぞれの目線からの愛や恋みたいなものの短編集。全部ではないけどリンクしている話があって、それぞれの視点が面白かった。「それでも父は最後まで彼女の名前を口にはしなくて、その具体性がなによりも私たちを決定的に傷つけることを、もしかしたら分かっていたのかもしれない。」というところがなるほどなーと思った。

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2023/10/26

読後に、名前の秘匿とか出す出さないとか考えるとき、名前が存在に輪郭をつけるという、この本の話を思い出す。 氷の夜の話で、二人の名前を途中まで明かさず途中で明かしたこと、澤井というのは最初の短編の最初から、最後の短編まで名前で出していたことは、敢えてだろう、というのを最後まで読み終...

読後に、名前の秘匿とか出す出さないとか考えるとき、名前が存在に輪郭をつけるという、この本の話を思い出す。 氷の夜の話で、二人の名前を途中まで明かさず途中で明かしたこと、澤井というのは最初の短編の最初から、最後の短編まで名前で出していたことは、敢えてだろう、というのを最後まで読み終えてから思った。 あと、マカオを旅行したときに自分も感じたことを、このように解釈して構成するとは。

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2023/07/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2023のナツイチの企画で「氷の夜に」の朗読がHPで聴けて、すごくいいところで終わって気になったので読んでみた。読んでみて、その「氷の夜に」が一番好きだった。それぞれの話で登場人物がリンクしていて、さり気なく、彼らその後がわかるのもいい。 近くにいる人とでは足りなくて、他の人を求めて、でもそこでも満たされない…みたいな話が多いような。「足跡」の夫婦の、元々はアパートの隣同士だったエピソード、私は素敵だと思ったが、当事者からしたら物足りなく感じるのだろうか。 ラスト直前の「ずっと自分は不幸なのだと思い込んでいた。 だけど、そんな不幸は、ぜんぶ昔に終わっていたことだった。」がとてもしみた。

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2023/02/13

直木賞受賞第一作。 「足跡」「蛇猫奇譚」「あなたは知らない」 「俺だけが知らない」「氷の夜に」「あなたの愛人の名前は」 6話収録の短編集でリンクしている物語もあります。 1行目ですぐに島本さんだと感じる作品集だ。 登場人物達からは孤独や静寂が匂いたち、皆、何かしら後ろ暗さの...

直木賞受賞第一作。 「足跡」「蛇猫奇譚」「あなたは知らない」 「俺だけが知らない」「氷の夜に」「あなたの愛人の名前は」 6話収録の短編集でリンクしている物語もあります。 1行目ですぐに島本さんだと感じる作品集だ。 登場人物達からは孤独や静寂が匂いたち、皆、何かしら後ろ暗さの様な物を潜ませている。 繊細で静謐、けれど熱く、淡々と綴られる美しい文章は島本さん独特の世界感だと感じた。 印象に残ったのは「足跡」と、対になっている「あなたは知らない」「俺だけが知らない」 空疎で満たされない男女の心情がひたひたと胸に迫り心に残った。

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2022/11/20

いろいろな恋の形、愛の形が短編で描かれていて面白く読めた。 奇抜な内容からのほほんとしたものまで…いくつかの話はスピンしていて、それもまたおもしろい。 個人的には、「あなたは知らない」と「俺だけが知らない」が気に入った。

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2022/11/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

浮気や不倫はパートナーへの不満が募った時に起こるものだと改めて感じた。不満は募る前に話し合って解決することが必要だが、相手による。時と場合による。ただ、相手に対して誠意を持っていたら、不倫や浮気は起こらない。してしまったらずっと罪悪感で引き返せなくなりそう。やるなら慎重に、軽い気持ちでしてはいけないと思ったし、されたらきっぱり別れられる強さを持ちたい。 ・澤井さんがなんのてらいもなく言ったので、私は思わず考え込んだ。自分がもしそうだったら、絶対に口にできない言葉だったからだ。遊んでるだけの人生。

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2022/10/13

大人の恋愛短編集。それぞれの作品の登場人物が少しずつ重なっていたりして面白い。男女両方の視点から描かれた「あなたは知らない」と「俺だけが知らない」は読み終わったあともう一度読み返したくなる。恋とか愛って、正しいか正しくないか、だけで部外者が判断できないところがあるよなぁと思った。...

大人の恋愛短編集。それぞれの作品の登場人物が少しずつ重なっていたりして面白い。男女両方の視点から描かれた「あなたは知らない」と「俺だけが知らない」は読み終わったあともう一度読み返したくなる。恋とか愛って、正しいか正しくないか、だけで部外者が判断できないところがあるよなぁと思った。浅野さん、兄妹ともに幸せになってほしい。

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2022/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

すごく好きな作品だった。 不倫をする人というのは、つまりは配偶者のことも相手のことも舐めてるんだということがよくわかった。特に「自分がなによりも欲しかったものはこの罪悪感だったのだ」という気持ちは、自分本位で他人のことを考えず、舐め腐っていないと湧かない感情だと思う。 この作品は、不倫を一時の感情に任せたお気楽なものとして捉えず、深刻に捉え、家族への影響までも描いていて良かった。

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2022/08/11

映画は何本か観てるけど小説は初めての島本理生さん。良かった。結構好みの短編集。実は群像劇というか、各短編が同じ世界線で登場人物も再登場する仕組みがとても好き。

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