オウム死刑囚 魂の遍歴 の商品レビュー
井上嘉浩は他の手記では積極的に犯行を手伝ったと記載されることが多く これ以外、例えば江川紹子の裁判傍聴記あたりも読んだ方が彼本人がどういう振る舞いをしていたのかについてはニュートラルな視点を持てると思う。 とはいえ一番の弟子がどのようにしてオウムにのめり込み、またその洗脳から正...
井上嘉浩は他の手記では積極的に犯行を手伝ったと記載されることが多く これ以外、例えば江川紹子の裁判傍聴記あたりも読んだ方が彼本人がどういう振る舞いをしていたのかについてはニュートラルな視点を持てると思う。 とはいえ一番の弟子がどのようにしてオウムにのめり込み、またその洗脳から正気に戻って自分自身の信仰を取り戻したのかが丁寧に書かれてるのは非常に面白かったし、何より裁判の結果を覆す証拠が出ている再審請求中の死刑執行でこの国の司法制度に疑問を持つきっかけを与えてくれた。世間一般の視点からすると死刑やむなしなのかもしれないが、真相を明らかにしないまま闇に葬られてしまったものがあったことを教えてくれた一冊だった。
Posted by
門田隆将さんの著作はいつも唸らされる。 文章がそんな上手いわけではないと言うか、好きなものではないが、朴訥で、取材対象にグリグリ食い込んでいる。物凄く情緒的な一方で、どこかで一歩引いた感じ。 オウム、井上義啓。 天才だな。 素直だな。 いいやつじゃないか。 だからこそ、道を...
門田隆将さんの著作はいつも唸らされる。 文章がそんな上手いわけではないと言うか、好きなものではないが、朴訥で、取材対象にグリグリ食い込んでいる。物凄く情緒的な一方で、どこかで一歩引いた感じ。 オウム、井上義啓。 天才だな。 素直だな。 いいやつじゃないか。 だからこそ、道を踏み外した。 ぼくだって、昔ムーを愛読していた時期があり、路頭で宗教屋と議論したこともある。 人ごとではない。 驚いたのは、オウムはこんなに急速に変わったのかと。 洗脳の怖さ。心理学のキーワードでもかなり理解できる。 後半、むしろそっちに目を奪われてしまったのが、裁判の過程、検察の無恥と、控訴審以降の余りの酷さ。 死刑執行については、そりゃ確定してるんだから、法律がある以上当然だろうと思ってはいたが、再審手続きが進んでいたことが、あまりに大きく目の前に迫ってきた。 マスコミは、報道しない。追求しない。 いろんなことを考えた。
Posted by
・仮屋さん拉致の時の警察がクズ。このこともっと追求したのだろうか?地下鉄サリン防げたんじゃないの? ・再審請求中の人を死刑って。法務大臣全く精査していない。法務大臣と取り巻きがクズ。 マスコミが作り上げた井上さんとこの本に出てくる井上さんは全くの別人。真摯に向かい合って助けてあげ...
・仮屋さん拉致の時の警察がクズ。このこともっと追求したのだろうか?地下鉄サリン防げたんじゃないの? ・再審請求中の人を死刑って。法務大臣全く精査していない。法務大臣と取り巻きがクズ。 マスコミが作り上げた井上さんとこの本に出てくる井上さんは全くの別人。真摯に向かい合って助けてあげたいと思った人たちに感心する。この本もっと皆に知って欲しい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
井上元死刑囚が純粋で心優しい人間として描かれている。他の本の記述から受ける井上元死刑囚の印象と違いすぎて少し違和感を感じる。かなり好意的に色々解釈しているのだと思う。 昨年までは生きていた人間でさえ、こんなにも受ける印象の異なる本が出てくるのだから、歴史上の人物の、行ったことはともかく、性格を後世の人間が正確に把握することは不可能なのだろうなと思った。
Posted by
オウム死刑囚井上嘉浩氏について。読めばわかるが彼は死刑ではなく無期懲役であるべきだった人。日本の裁判の理不尽さに驚愕する。と同時に、これだけ知的で真面目で純粋だった若者を心酔させ間違った道に導いた麻原彰晃の罪の大きさに今更ながら震撼する。
Posted by
前書きにもある通り、門田作品初の加害者サイドのノンフィクション。これを超えるノンフィクションに今後あえないかもと思わせる、井上嘉浩&門田隆将の合作ともいえる魂の書。読めば読むほど落涙を禁じ得ない。井上の悟りの極致ともいえる「自分自身の内側に宿っている仏性こそが究極の真理」の件には...
前書きにもある通り、門田作品初の加害者サイドのノンフィクション。これを超えるノンフィクションに今後あえないかもと思わせる、井上嘉浩&門田隆将の合作ともいえる魂の書。読めば読むほど落涙を禁じ得ない。井上の悟りの極致ともいえる「自分自身の内側に宿っている仏性こそが究極の真理」の件には魂を揺さぶられるほどの感動を覚えた。一人でも多くの方に読んでほしい作品です。
Posted by
オウム真理教の教団幹部のうち最も若い井上嘉浩の評伝である。私はこの著作が世に出された意味は大きく3つに分かれると思う。 1. 井上の手記の公開と彼の知られざる人生 2.井上が関わったとする犯罪行為の情状酌量部分 3.井上から見たオウム真理教の教祖、麻原の新たな実像
Posted by
2018年に読んだ本で1番印象に残った作品になった。井上嘉浩という人間についてマスコミ報道と違った形で理解出来た。皮肉にもオウム脱会をして後にこの人は悟りを開いたのだとおもう。 そして逮捕後に死刑が確定した後に「支援する会」がオウムとは関係ない人々によって立ち上げられたことがそ...
2018年に読んだ本で1番印象に残った作品になった。井上嘉浩という人間についてマスコミ報道と違った形で理解出来た。皮肉にもオウム脱会をして後にこの人は悟りを開いたのだとおもう。 そして逮捕後に死刑が確定した後に「支援する会」がオウムとは関係ない人々によって立ち上げられたことがその人間性を物語っている。
Posted by
- 1
- 2