紫の雲 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
能力者が霊視によってリーディングした未来の書物の記録という体で始まるこの物語。完全に異界である北極極地探検から始まり、人間が死滅してしまった地球上を経巡る孤独な旅、そしてただ一人の生き残りの女性と出会い新しい歴史を作っていくことになる、という三つのパートから出来ているのだが、その肝はやはり主人公の孤独な旅程とその描写にあるのだと思う。全体として決して上手くまとまっているとは言えないこの物語が記憶に残る一本となっているのは、まさしくこの旅程にあるのだと言えよう。読む人間を選ぶ作品ではあるが、一読の価値はある、と思う。
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希望していた訳でもないのに北極点探索に行かされ、突如地球に紫の雲が出現し生物は全て死んでしまった。なんとか帰国したが生存者はやっぱりおらず、宮殿建ててみました。創造してみたから今度は破壊するお。各地を爆破。ある時イスタンブールに行ってみる。生き残りがいた。地下に幽閉されていたのだ...
希望していた訳でもないのに北極点探索に行かされ、突如地球に紫の雲が出現し生物は全て死んでしまった。なんとか帰国したが生存者はやっぱりおらず、宮殿建ててみました。創造してみたから今度は破壊するお。各地を爆破。ある時イスタンブールに行ってみる。生き残りがいた。地下に幽閉されていたのだった。不思議なのは彼の行く先々交通がしっかりし、物質もそれなり食べ物に不自由しない、なんか悲壮感が感じられず、RPGゲームっぽい感じがする。山程死体の描写あるが、ただの瓦礫と捉えられ。それでも何故か読んで良かったと思わされる。
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『プリンス・ザレスキーの事件簿』で知られるM・P・シールの長編SF。というか、邦訳は『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』シリーズの1冊として刊行された『プリンス・ザレスキーの事件簿』しか無さそうではある(ちゃんと調べていないので他にあるかもしれない)。 さて、この、『プリン...
『プリンス・ザレスキーの事件簿』で知られるM・P・シールの長編SF。というか、邦訳は『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』シリーズの1冊として刊行された『プリンス・ザレスキーの事件簿』しか無さそうではある(ちゃんと調べていないので他にあるかもしれない)。 さて、この、『プリンス・ザレスキー』、『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』の中でも異彩を放っているユニークな探偵で、根強いファンがいるのだが、SF読者も本書を読めば根強いファンになるのではないか(というか、なってくれないと困る。だってこれ、3部作の1冊なんだもの)。
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