こぼれる の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
始まりの雫の章ではよくある恋愛小説、不倫絡みかと思い読了を断念しそうになったけれど章の終わりに突然の悲しい出来事にその後どうなったか気になりそれからは一気に読了した。視点が変わっていくことで冒頭のルービックキューブの例え、『加害者』『被害者』境界線は、などの問いかけが浮き彫りになった気がする。悪人は登場しなかったけれど誰もが悩んで生きている物語でせつない気持ちになった。
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人間関係をルービックキューブに例えていて、なるほどなぁ。と思った。青い面を揃えた後に赤い面を揃えようとすると青い面がぐちゃぐちゃになってしまって、一つの面に100%の注意を注いでしまうと他の面が全部バラバラになる。そんなに器用じゃないよ〜
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年末年始に読了。 そういえば読んでなかったことに気づいて。 みんな、優しい。 雫も芳江さんも大介も島田も茜も千尋も風太も。 だからか、読後にさわやかさが残る。
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酒井若菜さんの言葉は優しい。 そしてどんな人へ向ける目線も優しい。 雫と大介は間違った恋かもしれなかったけれど、島田の行動も犯罪だけれど、千尋が芳江さんに放った言葉も彼女にぶつけてはいけないものだったけれど、それでも、頑張ったね、と包み込むような空気でした。 最後に「津村家」の章...
酒井若菜さんの言葉は優しい。 そしてどんな人へ向ける目線も優しい。 雫と大介は間違った恋かもしれなかったけれど、島田の行動も犯罪だけれど、千尋が芳江さんに放った言葉も彼女にぶつけてはいけないものだったけれど、それでも、頑張ったね、と包み込むような空気でした。 最後に「津村家」の章があるのがとても良かったです。タイトルにつながるところも好きでした。 ケツァールを検索しました。 緑と赤の、とても綺麗な鳥でした。
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最後の一文で、タイトルから含めて、きれいにまとまっている。あり得なさそうだけど、近くに必ずある、ザ日常な話。
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え!そういう展開なの。それぞれのたちばで主人公やそれぞれの人生に関わっていくのを俯瞰するお話。あっという間に読めます。
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女優酒井若菜の小説デビュー作の文庫化。雫、不倫相手の大介、その妻千尋、雫に恋をする島田 それぞれの視点で描かれた連作短編集。
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1組の男女の不倫を当事者を含めた4人の視点から描くストーリー。 帯にあるように単なる恋愛小説ではなかった。 1つの話しを軸に絡み合うストーリーだが、視点が変わることでまるで別の物語のようだ。 特にどうしようもなく、やりきれない気持ちをぶつけ、吐き出すところはリアリティがあり、印象...
1組の男女の不倫を当事者を含めた4人の視点から描くストーリー。 帯にあるように単なる恋愛小説ではなかった。 1つの話しを軸に絡み合うストーリーだが、視点が変わることでまるで別の物語のようだ。 特にどうしようもなく、やりきれない気持ちをぶつけ、吐き出すところはリアリティがあり、印象的。 途中までは救いようのない物語のようでしたが、 最後、良かった。 付属されていた担当編集者による酒井若菜論も良かったです。 短文なのに、このストーリー性。
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千尋の事実を背負う強さ。そして、皮肉にも雫が千尋の、千尋が雫の心情や立場を、互いに「女だから」こそわかり合い、だからこそ苦しむ様子が痛いほど伝わってきたのが切なかった。
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