黒猫のいない夜のディストピア の商品レビュー
読むまでに時間がかかるけど、読み始めると早いシリーズ。 第二部スタート。 ふたりの今後が気になる。
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黒猫シリーズ。第二部開始らしいです。 収まるところに収まったかのように思えたけれど、なのに素直になれない元付き人。彼女の不安と焦燥がもどかしくもあり、可愛らしくも思えます。 そんな彼女の前に現れたドッペルゲンガーと、母の謎の行動。揺らぐアイデンティティ。不穏な謎がいっぱいで、彼女...
黒猫シリーズ。第二部開始らしいです。 収まるところに収まったかのように思えたけれど、なのに素直になれない元付き人。彼女の不安と焦燥がもどかしくもあり、可愛らしくも思えます。 そんな彼女の前に現れたドッペルゲンガーと、母の謎の行動。揺らぐアイデンティティ。不穏な謎がいっぱいで、彼女には気の毒だけれどわくわくさせられる展開でした。 お決まりのポオの作品がモチーフになっているのも読みどころだけれど、今回のテーマはそれだったのか! しんみりとして、そしてロマンチックな物語でした。
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お母さんの言うところの、文字の丸のみの状態。 基本的に講釈の部分はよくのみこめてすらいないのですが。頭の良い人の解説のセリフって見るのはすごく好きなので満足しています。 黒猫シリーズはいつもラストで垣間見える黒猫の優しさとか人間味を楽しみに読んでいます。第2部とのことなので、黒猫...
お母さんの言うところの、文字の丸のみの状態。 基本的に講釈の部分はよくのみこめてすらいないのですが。頭の良い人の解説のセリフって見るのはすごく好きなので満足しています。 黒猫シリーズはいつもラストで垣間見える黒猫の優しさとか人間味を楽しみに読んでいます。第2部とのことなので、黒猫の人間味は1部より恒常的に見えている状態というのも趣があってよかったです。 新しい登場人物も出てきて今後も楽しみです。 続巻が出る頃には、私自身も文字を噛めるようになっているとよいのですが……。
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もともと、黒猫シリーズが好きでずっと新刊がでるのを待ってました。値段的にも文庫本になるまで待っていようかと思ってましたが、やっぱり待てなくて買ってしまいました… 黒猫と灰島の所無市の都市開発の意味の話が面白かったです。私たちは常に論理的、科学的に物事の意味を考えがちです。しかし...
もともと、黒猫シリーズが好きでずっと新刊がでるのを待ってました。値段的にも文庫本になるまで待っていようかと思ってましたが、やっぱり待てなくて買ってしまいました… 黒猫と灰島の所無市の都市開発の意味の話が面白かったです。私たちは常に論理的、科学的に物事の意味を考えがちです。しかし、この一見、街の景観とは調和し難いと思われるものこそ、現在ほ自然美を破壊し、新たな自然美を見出す布石なる存在であるという美学的な面で物事を考えるとそういう開発もありかなと感じました。それに、その都市開発には愛する人へのメッセージが込められていて…というのも私的にはすごく好きな一面でした。もともと、私はバレバレで伝えるよりも、わかってもらえるか分からないような仕掛けをするのが好きなので… 毎度、毎度のことですが、速読しにくいのがこのシリーズだと思います。じっくり、自分の理解が黒猫たちの美学講義に追いつくまでゆっくり字面を追っていくこと。これがこの本の私なりの最大の楽しみ方です。この読み方は付き人の母上が言っているような「映像だけが残らないような読み方」ができるようになる一歩手前かもしれない。
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美学や反美学は難しいし暗号はさっぱり。グロテスクとかゴシックとか都市計画などは知ってるつもりが、知らない切り口で語られるのが面白い。ドッペルゲンガーに関しては「私」の空回りか。新キャラも出てきてますます今後が楽しみ。
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新しく出てきた灰島さんのキャラも良く、黒猫と主人公の距離感も良く、相変わらず美しい作品でした。 ストーリーは平凡っちゃへいぼんなんだけど、蘊蓄からの事実がみえてくる過程が美しいんだよなぁ、毎度 2019.2.12 27
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※このレビューにはネタバレを含みます
このシリーズの興味深いところは『美学』を感じられるところ、だけじゃなく黒猫と付き人の彼女の関係の進み具合がドキドキハラハラ、ときめきが持続して止まない。
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+++ 大学院修了後に博士研究員となった私は、所無駅付近で自分そっくりの女性と遭遇する。 白い髪、白い瞳、白いワンピースの彼女はあきらかにこちらを見つめていた。 学部長の唐草教授の紹介で出会った反美学研究者、灰島浩平にその話をすると、様々な推理を展開する。 本来なら黒猫に相談した...
+++ 大学院修了後に博士研究員となった私は、所無駅付近で自分そっくりの女性と遭遇する。 白い髪、白い瞳、白いワンピースの彼女はあきらかにこちらを見つめていた。 学部長の唐草教授の紹介で出会った反美学研究者、灰島浩平にその話をすると、様々な推理を展開する。 本来なら黒猫に相談したいところだったが、黒猫の言葉――とにかく、まだ結婚は無理――がひっかかり、連絡できずにいた。 白を基調にした都市開発計画が持ち上がる所無。 自宅に届いた暗号が書かれた葉書。 私そっくりの女性となぜか会っていた母の雪絵。 いったい私の周りで何が起きているの――? アガサ・クリスティー賞受賞作から連なる人気シリーズ、待望の再始動。 +++ シリーズものとは知らずに読んだが、たぶん何の問題もなかった。キャラクタやいきさつを把握していれば、より深く読めたのかもしれないが……。ポオと竹取物語を関連付けたり、モダニズムとゴシックやグロテスクを論じたりと、学術的な部分はわかったようなつもりになっただけで読み進めたが、完璧に理解できなくてもおそらく問題はなかっただろう。舞台となった所無のモデル都市に、かつてなじみがあったこともあり、道筋や街並みを思い浮かべられるので、より愉しめた。都市開発という公共的な題材を扱っているようであって、実はごくごく個人的な人間と人間との結びつきが語られている。私と黒猫の信頼がより深まったようでなによりである。シリーズのほかの作品も読んでみたくなる一冊だった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
黒猫シリーズ第2部のスタート作(長編)。 ★ネタバレあり★ 美学論は私にとっては難解で、著者が意図した内容を十分理解できていないと思うけど、それでも面白かった。 ドッペルゲンガーが「私」の血縁者であることは予想していたが、ドッペルゲンガーと「私」の関係、ドッペルゲンガーが現れた理由には想像が及ばなかった。 「ーとにかく、結婚は無理。」という黒猫の言葉の理由はエピローグを読めば解決。「私」と「黒猫」の関係性が第1部終了時から随分進展していたのに少し驚いた。 新たな登場人物の灰島浩平(ハイエナ)、黒猫の従姉の三上彩名、2人とも個性的なので、次回作以降が楽しみ。
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