江藤新平 の商品レビュー
序章 江藤新平のイメージ 江藤新平の二面性/時代とともに変わるイメージ/「国民神話」の主人公/等身大の江藤新平 第一章 風雲急を告げる幕末の政局 幕末日本を取り巻く環境/動揺する海禁政策/西洋化を進める幕末の佐賀藩/放蕩三昧の父・しっかり者の母/藩校・弘道館に入学する/枝吉神陽...
序章 江藤新平のイメージ 江藤新平の二面性/時代とともに変わるイメージ/「国民神話」の主人公/等身大の江藤新平 第一章 風雲急を告げる幕末の政局 幕末日本を取り巻く環境/動揺する海禁政策/西洋化を進める幕末の佐賀藩/放蕩三昧の父・しっかり者の母/藩校・弘道館に入学する/枝吉神陽の影響と義祭同盟/「大攘夷」対「小攘夷」/「大攘夷」を標榜する江藤/脱藩し、京都へ/帰藩し、蟄居を命じられる/暴走する山口藩と第一次長州征討/第二次長州征討後の政局/再びの上京、幕領調査/佐賀藩士から徴士へ転身する 第二章 江戸の民政と佐賀の民政 上野戦争で彰義隊の清討を唱える/頭を悩ませる江戸の家事・貧民対策/急がれる財政の健全化/全国統一的な政治制度の構築/財政破綻寸前の佐賀藩/幕政改革に着手する/藩の財政再建にむけて/実態に即した村落・町方支配/恨みを買い、刺客に襲われる 第三章 政治思想と諸改革 中弁の任務と政治機構改革/神祇官内の対立を緩和する/「君主独裁」国家を理想とする/大久保利通との距離感/国法会議の開催/大きく進展した政府主導の改革/廃藩置県を断行する/廃藩置県の事後処理と大蔵省の強化/学問観と文教政策の立て直し/左院への転出と議会構想/「立国憲議」への批判/宗教観と政治思想 第四章 留守政府の政情 国内改革のきっかけ/江藤就任前の司法省の実情/司法卿への就任と裁判所の新設/「司法省達第四十六号」の布告/予算増加をめぐる大蔵省との対立/対立に決着がつく/江藤は長州閥の不正を追及したか/内務省創設を構想/非西洋思想に立脚して西洋法を導入 第五章 復権に向けた野心 台頭する征韓論/尊王攘夷思想と征韓論/明治六年政変で政府が分裂する/下野後の復権をねらって/征韓党からの帰郷要請/問題化した佐賀県士族の困窮/鎮圧に乗り出す政府/挙兵し、佐賀県庁を襲撃/裁判で梟首が決まる 終章 江藤新平の実像と虚像 政治思想の特質/佐賀の乱の帰結/イメージの終着点 あとがき/参考文献一覧/主要参考資料/江藤新平関連年表
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尊王思想からの君主独裁を思考していた江藤、という観点から江藤新平について考察した本。 その思想を背景とした西洋化論、それゆえの反キリスト教や対韓強硬論など、非常に興味深い。 江藤については司法卿としてのイメージしかなかったが、ゴリゴリそっちの人というわけでもなく、また小野組転籍事...
尊王思想からの君主独裁を思考していた江藤、という観点から江藤新平について考察した本。 その思想を背景とした西洋化論、それゆえの反キリスト教や対韓強硬論など、非常に興味深い。 江藤については司法卿としてのイメージしかなかったが、ゴリゴリそっちの人というわけでもなく、また小野組転籍事件や対長州不正追及にもそこまで深くかかわっていたわけでもないらしい。 佐賀での憲政党不人気や、戦後の英雄のストーリー再編などもあって人の評価が変わる、というのは、歴史の難しさを感じさせるところ。
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