戦争の世界史大図鑑〈コンパクト版〉 の商品レビュー
2008年に発売された版は大きさも重さもお値段もそりゃもう大したもんだったのですが、こちらは2018年に【コンパクト版】として発売された方の版。まあこれでも結構な大きさと重さですが、比較的持ち運びしやすくなっており、たまに読み返しております。というわけで第二次世界大戦以降の戦史に...
2008年に発売された版は大きさも重さもお値段もそりゃもう大したもんだったのですが、こちらは2018年に【コンパクト版】として発売された方の版。まあこれでも結構な大きさと重さですが、比較的持ち運びしやすくなっており、たまに読み返しております。というわけで第二次世界大戦以降の戦史についてちょっと気になることがあったので適当に拾い読みしながら再読しました。 紀元前3000年あたりから記録されているあらゆる「戦争」を、豊富な写真とともに解説。ひとつひとつの戦争の「起こった日付」「投入された兵力」「死傷者数」などのデータを掲載し、作戦を図で説明している箇所もあり、かなり詳細なところまで手が届いています。文明が形成される以前、つまり狩猟採集社会や農耕社会でさえ争いは起こっており、人間性の本性についての問いへと繋がっている。やがて文明が発達するのと並行して戦争は形態を変え、規模も手法も、組織形態も時代に合わせて変化していった。テクノロジーの進歩=戦争の歴史と言っても過言ではなく、そういった視点から読むと暗澹たる気持ちになるが、それはそれとして、戦史の流れを包括的に知ることができるという点で非常に読み応えがあるだろう。1945年以降に起きた紛争についても(イラク戦争までだが)解説が及んでおり、使われた兵器等についても明記されていて充実度が高い。ただし欧米史観をもとに書かれていることは念頭に置いておく必要があり、ここで書かれたことが全てではないということは当然理解するべきだろう。文章的にはセンチメンタルにも、ロマンや理想に偏ることもなく、あくまで「歴史」を語るという一歩距離を取った姿勢になっているので好ましく感じた。「大図鑑」の本は一時期適当に読んでたこともあったけど、これはおすすめの一冊。
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こういうレファレンス本を、中学、高校は各種一冊ずつは入れておきたいものです。 「歌舞伎大事典」までは手が届かなくても、この一冊は、必要でしょう。 2020/03/05 更新
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